'エコエコノミー' のアーカイブ

Crash Course (3) ~マネーとは

お金とは何か。

もし今、全てのお金が消え失せたとしても、すぐにお金に代わるものが流通するだろう。それはウシからも知れないしタバコやパンかも知れない。 お金は、もっとも根源的な人間の創造物だ。 お金なしには仕事の専門化は発生しづらく、現代の世界は存立し得ない。 物々交換はあまりにも非効率的。

しかし、あらゆる形態のお金はそれぞれ良いところと悪いところがある。 お金の存在によって促進される活動もあれば、抑制される活動もある。 一般的な経済の教科書で説明されるお金の役割と言えばこんな3つ:

  1. 富の貯蔵
  2. 取引の媒介
  3. 計算の単位

しかし、もっと簡単な定義で言えるのではないか。すなわちお金とは「労働の対価への要求」といえるのかもしれない。お金が絡むことで人間が絡まないことを想像することは難しい。 もっといえば「人間の労働」が絡む。

現代の「紙幣」は過去のそれと違い、「不換紙幣」だ。かつては金や銀との交換が保障されていた(「兌換」)紙幣であり紙幣にもその旨が記載されていたが、現代の紙幣にそれはない。 その代わりに、税金の支払いを含むあらゆる取引に有効であること、価値の提供の対価として受け取りを拒否することを認めない旨の記載がある。

政府が貨幣の流通量を調整し、インフレを防ぐ。 インフレが理由で国家が破綻した歴史上の例はあまたある。最近の例では、「1日37%」というウルトラハイパーインフレを経験した旧ユーゴスラビアの例もある。これは48時間で物の値段が倍になる、ということを意味する。 

Crash Course (2) ~成長は繁栄にあらず

真実が語られたときに起こる3つのステップ:

  1. 馬鹿にされる
  2. 強烈に反対される
  3. 自然に受け入れられる形で認められる

「成長」が「繁栄」を意味しない、という主張も同じステップを通るのだろうか。

経済的な成長は良いこと、とされている。 より成長すれば、より繁栄する、と思われているからだ。 成長は機会を提供し、我々は機会を欲している。 そういう理解が一般的。 しかし、この命題は本当なのだろうか。 成長は繁栄と同義??

という問題設定を立てている以上、修辞的に、そうではない、ということが言いたいわけだ。成長は繁栄を必ずしも意味しない。なぜか。

「成長」は「余剰」という概念を包含している。 何かが余るから、成長するわけだ。体重もそうだし、池の水深もそうだ。そして、余剰がある場合、成長か繁栄か、二者択一を迫られるときがある。ひとつの家庭で貯蓄がある場合、もう一人子供を増やすのか(=成長)、今のメンバーに振り分けて利益を享受するのか(=繁栄)、選ばなければいけないことがある。同時には満たせない。 この例はそのまま、町でも成り立つし、国でも成り立つし、全世界でも成り立つ。 つまり、成長は繁栄を必ずしも意味しない。

今まで同時に成り立っているように見えたのは、余剰エネルギーがあったからだ。 人々は、「成長」と「繁栄」両方を享受することができた。 ある試算では、現在の世界ではおよそ50%の余剰が「成長」に使われている。成長効率が50%しかない。、さて、これが100%になったらどうなるだろう。 我々は、いくら成長しても、何の繁栄も得られないことになる。

・・・人々はどういうときに幸せを感じるのか、という永遠の命題に通じるものがある。 経済的利益のはずがない、と個人的には思う。幸せに成りうる手段かも知れないけれど、それは目的ではない、と思う。 だから、経済的な成長(=儲ける)があっても、繁栄(=幸せ)がない、という状態は、悲劇的だとすら思う。 シシュフォス的な。

Crash Course (1) ~3つのE

大きな変革が世の中に迫っている。だけどのそのありかたは、貴方たちひとりひとりに委ねられている

というようなメッセージを投げかけているクリス・マーテンセン(Chris Martensen)氏の一連の動画が面白かったので紹介しておく。クリス・マーテンセン氏は、経済学者ではなく科学者とのことだけど、その研究成果をインターネット上に公開している。世の中の仕組みを環講義形式で訴えており、いま人類が抱えている問題を解き明かす。 講義の名前は「Crash Course」(破壊の講義)。 

3つのE
・Economy (経済)  ⇒ 指数関数的な伸び/信用バブルの崩壊/人口問題/国家貯蓄の失敗
・Energy (エネルギー) ⇒ 石油の限界
・Environment (環境) ⇒ しぼんでゆく資源/生物多様性の喪失

「Explonential Growth」 (指数関数的な伸び)

人類が直面している問題を解き明かすための方法として、たとえば「ここ数万年の人口の伸び」や「石油の使用量」とか個別の問題をグラフ化しても本質は見えてこない。 ホッケーのスティックのような急激に折れ曲がるグラフの形が意味するところは、その形の相似そのものにある。 つまり関連がある、ということ。 そして、もっとも大事な点は、その「折れ曲がるところ」。 その時点で何が起こったのか。

マネーの総量、人口、石油、水の使用量、絶滅生物の数、森林の減少、、、、 すべては関連している。 だから、エコノミーやエコロジーだけを論じるのでなく、全てを包括的に。

生ごみのバイオガス化の課題

一般家庭から出される生ゴミは年間約1000万トン。 その生ゴミを微生物に分解させてメタンガスを生み出しエネルギー源とする、いわゆる「バイオガス」。 以前やっていた「ダンボールコンポスト」と原理は同じで、目的が堆肥づくりではなくガスづくり。

それがなかなか思うように普及しない。 普及しない原因はさまざまだけど、主なものは2つ:

  1. ガス分解の効率があまりよくない
  2. ゴミ回収のときのゴミ袋が邪魔

理念の段階ではなく、実践の段階になると、いろいろと想定外の細かい問題が出てくるのはよくあること(だからコンサル会社が存在してる)。 この実践的な課題についても業界一丸で取り組んでいるけれど、今般、「大阪ガス」がひとつのヒントに行き着いたみたい。

生ごみを微生物が分解すると、メタンガスが発生する。この工程を「メタン発酵」と呼ぶが、従来の方法だと、肉や野菜繊維などは分解しきれず、生ごみの約3割が残りかすになっていた。微生物は温度を高くすると活動が活発になるが、高すぎると死んでしまう。55度程度が限界とも言われるが、約10年前からメタン発酵の効率向上に取り組む同社エネルギー事業部の坪田潤さん(44)らは「より高温で活動する微生物を探せば、効率が上がるのでは」と考えた。
[2010.03.29付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

全国の温泉を巡り、高温でも生きられる6種類の微生物を見つけた。この6種類を抽出して溶解槽の温度を80度に挙げると、生ゴミは1日でどろどろに溶け、バイオガスへの発行量は2割増え、残滓(残りかす)は半分に減った

さらにゴミ袋問題については、トウモロコシ原料の「ポリ乳酸」のものが良さそう、という結論になった。上記の高温溶解槽で1日で完全に液状化した。すなわちゴミ袋は取り除くのではなく、これもバイオガスの燃料にする。

バイオガス化施設は全国に8ヵ所。合計で約5万2000トンを処理している。
上記のアイデアを実現する為には、溶解槽を高温対応のものに変え、ゴミ袋もトウモロコシ袋に変える必要がある。 どちらも地方自治体の協力あってのもの。 ゴミ焼却施設の更新を迎える自治体にこの溶解槽とゴミ袋を売り込んでいくのだという。仮に生ゴミのすべてがバイオガスになればそれだけで日本の都市ガスの数%分をまかなえる。

これは短期的な施策というより中長期的な取り組みだろう。 自治体がゴミ袋を売るわけじゃないからセールス先が違うのでは? という気がしないでもないけれど、生ゴミの再利用はリサイクル社会のシンボル。普及が早まればよい、と思う。

エネルギー自給率の新しい指標

国のエネルギーの形を改めて見直して次世代に引き継ぐ為の重要なプロセス:

経済産業省は(2010年3月)24日、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の骨子案を公表した。2030年までに海外の資源権益を含めたエネルギー自給率を現在のほぼ2倍にあたる7割に高めるとともに、家庭や運輸など「くらし部門」の二酸化炭素(CO2)の排出を半減することなどを明記。原子力発電所は20年までに8基増設し、稼働率を85%に引き上げる目標を盛り込んだ。
同日開いた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本計画委員会に提示した。直嶋正行経産相は冒頭、「日本の中長期の針路を定める重要な計画だ」と述べた。経産省は5月ごろの取りまとめを目指し、政府が6月にまとめる新成長戦略に反映させる。
[2010.03.24付 日本経済新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

現状の日本のエネルギーの実態の現状認識を行ったうえで課題を抽出。その上で「エネルギーの安全保障」を重要課題と位置づける。 エネルギーの安全保障、すなわち資源の少ない日本にとって「何かあったときに」海外にエネルギーを依存している現状はマズい。そのことを軍事的な言い方になぞらえて「安全保障」と呼んでいる。資源の生産地からその資源を最終的に消費する国民ひとりひとりに至るエネルギーフローの各過程で、安定的なエネルギーが確保されることを目指す。 フローの途中に安定性に懸念があるようなら、それをリスクと見なし、対策を練る。

具体的には以下の5つ:

  1. 自給率の向上(国産・準国産エネルギー・自主開発資源の拡大)
  2. 省エネルギー
  3. エネルギー源多様化/供給源の多様化
  4. サプライチェーンの維持・強化
  5. 緊急時対応力の確保

・・・このうち、自給率がクローズアップされている。
現在、日本のエネルギー自給率は18%ほど。これは諸外国に比べて著しく低い。


[2010.03.24付 経済産業省/資源エネルギー庁 「エネルギー基本計画」見直し骨子(案)より]

提言では、この「自給率」の考え方について、従来のエネルギー自給率(国産+原子力)に加え、自主開発資源も勘案する指標を使うべき、としている。 自主開発資源とは、政府や企業が海外で持つ資源権益のこと。

これを含めた場合、日本のエネルギー自給率は、38%となる。 この数字の目標を「70%」にセットしてはどうか、という案だ。期限は2030年まで。あと20年弱。

・・・天然資源は、どうひっくり返してもないものはない。 ここに悲観せずに、グローバル企業が血眼になって海外で獲得競争をしている資源も含めた「日本の総リソース」も指標化しようということだ。 そしてそこに数値目標を設定する。
70%の妥当性、2030年の妥当性、というものは検証しなければならないけど、こういう課題設定とそれに対する独創的なソリューションは、とても良いと思う。官民上げて、目標を達成しよう。

スマート・パイプで戦略的な水利用を

戦争よりも、水が人間を殺しているというショッキングな報告:

国連環境計画は「世界水の日」の(2010年3月)22日、水資源管理に関するリポートをまとめ、世界の水質汚染による死者は、戦争や紛争などの暴力による死者の合計を上回っていると報告した。
それによると、途上国では排水の90%が垂れ流しにされ、飲料水の汚染や衛生状態の悪さに起因する下痢性疾患で年間約220万人が死亡している。水を原因とする疾患で死亡する5歳未満の子供は少なくとも年間180万人に上るという。
[2010.03.23付 CNN.co.jp/補足&強調Ekojin]

なんともはや、、、痛ましすぎる。 淡水の管理はかくも難しいものなのか。 増える人口、余るところでは余り足りないところではとことん足りない食糧、生活水準の向上による先進国の飽食化、、、。

人口増大、工業化、食品生産、生活水準の向上、、、、淡水が人類の生存と発展に欠かせないことは自明過ぎる。 排水が垂れ流され、衛生状態の悪い飲料水を飲んで死に至る子供たち。問題は、量よりもむしろ、戦略なのかも知れない。 水の利用に関する戦略。 適正配分と持続性確保の為の戦略。。

例えば、一見多くの手間とコストをかけて汚染を浄化する必要があると思われる排水も、適切な管理と技術があれば、むしろ生活に欠かせない資源となる。 排水中の窒素やリンの化合物を肥料として活用することができそうだ。 

ネットに転がっていたデータを信用して載せてみる:
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地表の
75%は水で覆われている。 そのうち、
97.5%は海水。 つまりわずか2.5%が淡水。  そのうち、
70%は氷。 つまりわずか30%が地下水。 そのうち、
1%未満が実際にアクセス可能な水。
これは、地球上に存在する水のうち、わずか0.007%を意味する。さらにそのうち
70%は、生物の成長に使われ、
22%は、産業の為に使われる。
わずか0.08%が、飲料などに使える水。
——————————

こんなに少ない。数十年以内に100億人の人口を抱えることになる地球では、淡水の利用はどうしても戦略が必要になるってものだ。利権がはびこり、戦争が起こる。

電力の世界では、「スマート・グリッド」が流行し始めている。
水資源の世界にも、「スマート・パイプ」が必要かもしれない。

緑提灯で地産地消

居酒屋の軒先に架かる赤提灯ならぬ、緑提灯のことがTVで採り上げられていた。

国産食材を50%以上(カロリーベース)使っている居酒屋が、赤提灯ならぬ緑提灯をぶら下げている。 提灯には星印がついており、50%で星1つ。10%ごとに星が1つずつ増える。

40%程度と言われる日本の食糧自給率の向上のため、こういう啓発運動に取り組んでいる。 現在は、全国で3000店舗弱。TVで採り上げられたので一気に知名度が上がるだろう。登録店舗も増えるに違いない。

農研機構理事であり中央農業総合研究センター所長である丸山清明さんという方が発案し、「緑提灯応援隊」という非営利団体として運営している。 公式ロゴは無償を前提に募集中。 さらに「国産度」を表す星も基本は自己申告だって。

公式サイト

違反した時の罰は「反省と書いた鉢巻を締める」「頭を丸める」等のお笑いみたいなものです。
でも、それ以前に、そのお店はお客に見放され、鉢巻を締める前にお店を閉めるでしょう。だから、 そんな店主さんは緑提灯を掲げないと確信しています。

・・・ウマいこというねw

お酒は好きだけれど、残念ながらまだこの緑提灯のお店は見たことがない。これからはそういうチャンスがあるかも。
応援隊の義務は:

隊員の義務は、「赤提灯の店と緑提灯の店が並んでいたら、ためらわずに緑提灯の店に入ること」、この1点だけ。

お。 これなら自分も入れるかも。 入ろうかな。 

ミドリムシクッキーにミドリムシ佃煮

和名:ミドリムシ  学名:ユーグレナ

この学名を社名に据えたベンチャー企業については以前紹介した。 このミドリムシ産業、だんだん注目されてきている。 ミドリムシが世界の食糧問題に一石を投じるかも。

日本科学未来館(東京都江東区青海2丁目)(2010年3月)で22日まで開かれている「“おいしく、食べる”の科学展」で、東京大学発のベンチャー企業がお土産用に開発した菓子「ミドリムシクッキー」が人気だ。地域振興も視野に入れ、石垣島に培養装置をつくって大量生産しているクッキーで、1枚に2億匹のミドリムシが入っている。味もさることながら、「健康と環境にいい未来の食品」として注目されているようだ。
「ミドリムシクッキー」は、ベンチャー企業「ユーグレナ」(文京区)と日本科学未来館が共同開発。昨年(2009年)11月から同館で5枚入りの箱(450円)を販売している。1日平均約120箱と、同館の定番「宇宙食」を上回る売れ筋商品だという。
[2010.03.21付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

動物・植物両方の性質を持ち、栄養価の高いユーグレナ。 試験管のなかで10ミリリットル分、約5000万匹の量だったユーグレナを攪拌し光合成を促進する。 驚異的なスピードで培養が進み、1ヵ月後にはなんと14万リットルの量に増える。 これは700兆匹、というまさに天文学的な数字。 これを乾燥させて、クッキーやら佃煮やらサプリメントにする、、、。 

地球上のヒトの数がいくら増えたって言ってもたかだか100億弱。 それを考えるとこの地球がいかに彼ら微生物が支配する星かということがわかる。 そりゃそうだ、彼ら微生物は個々の動物の体内にすら無数に存在する。 共生、という言葉が実にしっくりくる関係値だ。体内レベルでも、惑星レベルでも

このミドリムシフーズたち。確かに有望だ。食料として、あるいは燃料して、研究が進む。 世界の食糧問題を解決できる段階ではないけれど、生物学・化学から社会学・政治学まであらゆる学術範囲の知見が求められる分野がこの「」の問題。 製品化のところでは「ものづくり」や「応用力」「発想力」といったビジネススキルも求められるだろう。 産学協力して知恵を絞る良いチャンス。ベンチャーの出番。

鮪ではなくマグロに向き合おう

ワシントン条約締結国会議でモナコから提案されていた大西洋・地中海のクロマグロの国際取引禁止案は、賛否際どいとの下馬評を覆し、禁止を半年延期するというEUの「妥協案」もろとも圧倒的多数で否決された。 域内の意見の食い違いをまとめ切れないEUの構造的問題が再び露呈した形。結束した途上国の発言力が先進国を凌ぐ、という近年の温暖化問題の国際会議でもしばしば見られる構図がまたぞろ顕われた格好。


マグロの寿司
["Tuna Sushi"/Author:Akira Kamikura /cc-by2.0]

弱腰、隷従的、戦略欠如、、、などと酷評されることの多い日本の外交では近年稀に見る「圧倒的勝利」であり、国内大手メディアは揃って「日本の勝利」と伝えている。 禁輸賛成側の欧米各国のメディアも敗北と受け止めているようだ。

だがちょっと待て。

日本の外交当局がロビイを駆使し、大使公邸で各国を集めて寿司パーティーを開き、反欧米の途上国を取り込んでプロクシファイトをこなし、アメリカからの「多数派工作特殊部隊」が到着する前日に採決を強行させるなど、あらゆる手段を使ってしたたかに振るまい国益に適う国際的結論を導いたのは良い。外交とはそういうものだし、その動きにはむしろ快哉を叫びたい。

だけど、肝心の絶滅の危機に瀕している、とモナコが訴えたクロマグロの現状についての報道が非常に表層的なのは、自分にとっては驚きだ。

日本人はマグロを食べるから禁止されたら困る。今回外交の勝利だ。良かった

は、この問題の本質とは全くズレた話だと思う。 もしマグロが本当に危機に瀕しているのなら、どんなに日本人がマグロ好きでも獲ってはいかんだろう。なのに、経済新聞だけではなく、一般紙も含め、以下のような視点が欠如している、もしくは薄い(か、自分が見落としている):

今のマグロの現状はどうなのか。再生可能な漁獲量を保てているのか。もしそうであるのなら、何故モナコや他の各国はそうでないと言っているのか(クジラと違って知能が高い・哺乳類だから、という感情論は薄いはず)。 そして、最大の消費国としての日本は、食物資源としての鮪ではなく、生物としてのマグロにどう向きあうべきなのか」 

「経済」の視点を軽視するわけではないが、生物であるマグロを扱う最も基本的な視点はやはり「生物多様性」であるべきだと思う。経済はその次のはずではないだろうか。 

温暖化防止のコスト。まずコンロから。

ブラックカーボン(黒色炭素:スス)が地球温暖化に大きな影響を与えている、というNASAの報告について、以前紹介した。 そのブラックカーボンのアップデート情報。

ある科学者の単純計算によると、150億ドルかけるだけで、地球上で温暖化の影響を最も受けやすい地域の温暖化を遅らせることができるらしい。しかも、その効果はすぐに表れるという。
150億ドルというのは、木材や動物の糞、石炭を炉にくべて暖房や調理に利用している5億世帯に、環境を汚染しないクリーンなコンロを提供するのにかかる、だいたいの費用だ。地球温暖化の原因の1つである汚染物質の煤(黒色炭素)の4分の1は、こうした家庭の炉から排出されている。
[2009.12.22付 WIRED VISION日本語版/強調Ekojin]

・・・家庭で使っている暖房器具や調理器具をススを出さない製品にリプレイスしましょう、ということ。全世界のコンロを環境配慮型の製品に取り替える費用が約150億ドル。いまのレートで大体1兆3600億円ほど。コンロ1個を30ドルと見積もった場合の計算だ。 決して少ない金額ではないけれど、決して多い金額でもないのではないか。 何せ、全世界のコンロの話。 ブラックカーボンの悪影響を考えれば投資としては悪くない、と思う。

勿論、単純計算過ぎるし、それぞれの地域や事情などを無視しているし、コンロ製造自体のカーボンコストはどうなんだ、って問題もある。5億個のコンロ製造を1社に任せて良いのか、その経済的リスクもあるはず。

ブラックカーボンは、大気中でプカプカ浮いているうちにチリと結合して細かな粒子状になって集まり、太陽熱を吸収する。そこに雨が降って水分が加わることでさらに熱を吸収。 大体そんなプロセスで気温上昇を加速させる。 ヒマラヤの氷河が解けている主因ではないか、と疑われている話も以前の紹介のとおり。

そんなブラックカーボン(スス)を普通の日常生活のルーチンのなかで出しまくっているのを止めましょう、という話だ。世界で半減させることができれば、深刻な地球温暖化の始まりを10-20年遅らせることができるのではないか、とはこの試算を発表したラマナサン博士の弁。

単純な試算に過ぎないけれど、考えてみる価値はあるはず。 情緒的な「温暖化を止めましょう」ではなく、「温暖化を止める為にいくらかかります。これならペイできるでしょ」という考え方は、とても重要なはずだから。

初のカーボンニュートラルステーション

大阪市摂津市に、「摂津市駅」(阪急京都線)が新設され、2010年3月14日にオープンした。普通電車のみが停まる2面2線の小さな駅だけれど、大きな特長がひとつ。

駅舎の屋根に太陽光発電パネルを設置するなどして二酸化炭素(CO2)の排出量を半減。さらに排出量取引制度も活用するといい、阪急電鉄によると、CO2排出量を事実上ゼロにした全国初の駅になるという。
[2010.03.13付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

つまり、「カーボンニュートラル」ということ。 環境問題を世界に説いて回るアル・ゴア氏は、移動に航空機を使っているが、利用の際に必ずカーボンニュートラルの手続きを踏むことで、自身の移動に伴うCO2排出を相殺している。 カーボンオフセット(炭素相殺)をさらに進めてニュートラル(差引ゼロ)の状態。 どんなに小さな駅でも人間の利用に伴うCO2排出は避けられないけれど、それと同量を別の場所で相殺する。


新設された摂津市駅
["Settsu-shi Station2"/Author:Whity /cc-by-sa3.0]

具体的には、屋根の太陽光発電、LED照明などの利用でそもそも省エネルギーを実現。 さらに、近隣県の森林組合の植林活動で実現した排出削減分を購入する方法をとるらしい。 何であれ初めてのことは注目される。 そのうちこういう取り組みも当たり前になるだろう。
首都圏にもあるのかな。 以前紹介した東急元住吉駅がそれに近いだろうか。

最近少し重たいテーマが多かったので、こういうサラッとしたのを入れたくなりました。

パタゴニア創業者が語るCSR

アウトドア用品の「パタゴニア」。

アウトドアに関することなら衣料品、バッグや靴などラインナップは幅広い。 と同時にこの会社は、環境保護に力を入れる会社としても知られている。「売上の1%か利益の10%の高いほう」を環境団体に寄付することを企業のコミットメントとしている。 そのコミットメント初年度の1985年には、1000以上の団体に合計2500万ドルを寄付した。 また、その1%の理念を体現した国際団体である「ワン・パーセント・フォー・ザ・プラネット (One Percent For The Planet): 地球に1%を」の創設メンバーでもある。ちなみに同団体にはパタゴニアの他、ソニー・エレクトロニクスなども加盟している。 また、今やユニクロもやっているけれど、ポリエステル、フリース、ナイロン、コットンなどでできた自社製品の回収やリサイクルを実施している。

そのパタゴニアの創業者がイヴォン・シュイナード氏。
氏が、企業のCSRについて語る動画。

・・・少々長いが、なかなか良いこと言っている。実績に裏打ちされた言葉は重いね。 ある1点の懸念を除けば、シュイナード氏の主張は、あらゆる企業が範とすべき姿勢だ。

懸念とは、この企業が、あのシー・シェパードを支援している企業の1つ、ということ。ただし、パタゴニアのサイトにもシー・シェパードのサイトにも、かつては間違いなくあったスポンサーシップの記述が現在は削除されているみたい(探せないだけかも)。 さすがに世間の批判はすさまじかったのかな。

(下)これが2008年1月時点でのPatagoniaとしての公式見解とのこと。(ネットを漁る限りでは)

Patagonia has supported Sea Shepherd’s overall efforts to protect our ocean’s biodiversity at times over the past 15 years. We, as a company, support a wide range of front line activism and grassroots organizations that are part of a vibrant and diverse environmental movement. Patagonia is aware that Sea Shepherd engages in direct actions as one of their approaches to protect and conserve marine ecosystems
パタゴニアは、シー・シェパードの過去15年以上にわたる海洋生物多様性保護活動を支援してきました。私たちは一企業として、多種多様な環境運動を形成する活動であれば、それが「前線寄り」であっても「草の根」であっても支援してきております。 パタゴニアは、シー・シェパードがどちらかというと「直接的な」やり方で海の生態系を守る活動を行っているということを認識しております。
[via: UKCliming.com /viewed on 2010.03.14 /翻訳Ekojin]

・・・なるほど。 これをどう判断するか。 シー・シェパードの活動には全面的に反対だけれど、すぐにパタゴニア製品の不買、、、と結びつけてよいものか。 アメリカ政府が主導するイラク戦争に反対であっても、アメリカ政府が発行した国債を買う大手の金融機関(=つまりほとんどのメガバンク)に預金をすることが倫理的に間違っている、とは直ちに言えないところがある。 そもそも、パタゴニア社の現時点の見解が不明、とくればなおさら。

自分のライフスタイル的にパタゴニア製品には特にニーズはない。もう少し、事態の推移を見守ってみる。

宇宙帆船イカロス、金星へ

光を浴びて宇宙を航海する船。

太陽の光を帆に受けて、光の圧力でヨットのように航行する世界初の宇宙帆船「IKAROS(イカロス)」の機体が完成した。宇宙航空研究開発機構が(2010年)5月18日に打ち上げるH2Aロケットで、金星探査機「あかつき」とともに金星の方向へ向かう。
[2010.03.13付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

14メートル四方の正方形の帆帆の厚さは髪の毛の10分の1。 ピンポン玉をぶつけても突き破ってしまいそうなそんな薄っぺらい帆で宇宙空間を航海するのだから驚く。 その極薄の帆に太陽光を受けると、0.5グラムの重りをぶら下げたのと同じ圧力を得られる。 つまり1円玉よりも軽いってことか。 慣性よ恐るべし。

ネーミングがいいよね。イカロスって。 世界初の宇宙帆船にふさわしいJAXAのセンスだけど、ギリシャからチクリとされないのかな(まあそれどころじゃないかあの国は)。 ロシアの宇宙船に「桃太郎」って名づけるようなものでしょ。

で、そのイカロスは太陽ならぬ金星へ。 宇宙帆船の性能を確かめるために、まずは「近場」にいくってことみたい。将来的には帆を大きくして、木星を目指すらしい。 太平洋横断を目指すイカダがまずは東京湾横断をやってみるみたいなものかなw
響きだけ聞くと優雅だよね。燦燦と太陽を浴びて一路ヴィーナスの星へ

素朴な疑問なんだが、四角帆はスピードは出るが向かい風には使えず、三角帆はスピードは遅いが向かい風にも対抗して進める、って何かの本で読んだことがあるけれど、この宇宙の帆船ではどうなんだろう。同じ原理が通用するのかな・・・。

(下)これはNASAの光圧帆船のニュース。仕組みなどがわかりやすい。
si

知らされていない実態

先日(2010年3月7日=現地)の第82回アカデミー賞発表。

「アバター」が主要賞を逃したキャメロン元夫妻の争い(K・ビグロー快挙!)や、主演女優賞サンドラ・ブロックのラジー賞とのダブル受賞、多言語使いのクリストフ・ヴァルツの助演男優賞など見所はたくさんあったけれど、日本人にとってのニュースといえばなんと言っても、「ザ・コーヴ」(The Cove)の長編ドキュメンタリー賞受賞、だろうと思う。

⇒以前のエントリー

・・・この和歌山県のイルカ漁を糾弾する映画も、最近世論の大きなうねりが感じられる「反捕鯨」の流れの一貫だろう。クロマグロも禁輸の動きがあり、日本人が、日本の食文化について、否が応でも立ち止まって見つめなければならない事態になっている。クジラやマグロを食べることについて、日本人のひとりひとりが答えを求められている、とまで言うのは誇張かも知れないけど。

この映画は日本公開が決まっている。 ただ漁師の顔にモザイク処理をする関係で公開は延期されているが、延期されている理由はそれだけではなく、この高度に政治的な問題についての興行側の葛藤もあるだろう。地元の漁協は猛反発している。 隠し撮りされた上にジャパニーズ・マフィア、なんて表現をされたら反発するのは当たり前だね。 東京国際映画祭の招待作品だったが、そういう経緯もあって公開はわずか1日となった。

日本人の感情的な反発もある程度致し方ない、とも思う。日本の食文化を理解しない外国人が「日本のイルカ漁の実態について日本人が知らされていないのは問題だ」などと完全に上から目線で映画を作り、それが権威ある賞を受賞したとなればなおさら。大きなお世話、の一言でもいいたくなるだろう。

ただまあ、理性的に考えれば「とりあえず観てみよう」と考えるのが当然のこと。ドキュメンタリー映画がある一定の勢力を批判的に描くことは珍しくなく、むしろ普通のこと。今回はそれがたまたまイルカ漁の人たちだっただけだ。本人たちはたまったものじゃないだろうけど、観てもない映画を批判するのはあまり健全ではない、と思う。 それに、我々は、確かにイルカ漁の実態など知らない。漁師がマフィアではないことくらいは判るが、イルカをクジラとして売っている実態など、恐らく真実を突いている点も描かれているのだろう。 全てが事実無根なはずはない。 大部分の日本人もそう思うのではないだろうか。

それにしても、本当に食文化は難しい。そもそも食べ物というやつは、地球上の限りある資源のおすそわけを、さらにみんなで分け合っているのが本質なのだから、自分や自国の「文化」だと言って全てが許容されるわけもなく・・・。そういうことを判断する材料は、多いほうが良い、と思う。

(下)こんな人もいる。

隠れた滝

教科書最大手の東京書籍の関連会社リーブルテック社(旧東京書籍印刷)。

年間3300万冊の教科書を印刷する工場では、印刷時に発生する摩擦熱を落とすため、大量の冷却水を常に循環させている。その量、1分間に2800リットル。 この水の流れが持つ大きな可能性に、これまで誰も気づかなかった。

水は地下の水槽からポンプで12メートル引き上げられ、熱を奪うと、再び12メートル下の水槽に落ちる。冷却水の流れが持つエネルギーに着目したのが日立産機システム。「これだけの落差と、水量があれば、十分に水力発電が可能」とする同社の提案に、工場内に隠れていた滝の姿が浮かんだ。
[2010.03.04付 日経産業新聞「水の世紀」/補足&強調Ekojin]

原理的には、落ちてくる水の流れの途中に水車を設置するだけ。それで発電機を回す。非常に原始的と言えるエネルギー源であり、位置エネルギーの転換であり、物理用語でいうところの「ポテンシャル」だ。こんなシンプルなものはあまりない。
ただ、当然というか、この水車のエネルギーだけでは費用回収に時間がかかってしまうけれど、日立産機は汲み上げるポンプの効率改善も合わせたソリューションを提案し、回収期間の大幅な短縮に成功した。 地味な合わせ技だが、差別化のできた良い提案だと思う。

リーブルテックに限らず、それなりの規模の工場内では、主に冷却の目的で大量の水を恒常的に循環させていることが多い。伝統的に当たり前のように存在していた水だけれど、実はこれが隠れた滝になる、という気づきはなかなか面白い。潜在的な需要は高そうだ。
勿論コストとのトレードオフ。 国もこの「小さな水力」には注目しており、2008年4月に新エネルギー施行令が改正され、出力1000ワット以下の「小水力」が新エネルギーとして認定された。 補助金の対象になった。

そういう視点で見ると、意外と使われていない水の流れってあるような気がする。 この滝の活用はビジネスにもなるし、エコにもなる。

(下)こんな感じ?

深層水の産業利用

日立プラントテクノロジー社が、深層水に目を向けている。

深層水の温度は季節にかかわらずセ氏5度前後で一定する。通常、空調冷媒用の水は電気エネルギーを使って冷却して配管に通すが、深層水を使えばこの電気エネルギーは不要になる。深層水のくみ上げにもエネルギーが必要だが、横山彰技術本部長は「くみ上げた水を散水用の水などにも活用すれば、ビジネスとして成り立つ」と語る。
[2010.03.03付 日経産業新聞「水の世紀」/補足&強調Ekojin]

海洋深層水とは、深度200メートル以深の深海の海水のこと。表層とは異なる特徴がいくつかある。

  1. 清浄  ・・・ 汚れた川の水は影響しない深さ。 太陽光も届かないのでプランクトンもいない。雑菌も少ない
  2. 無機栄養分が豊富  ・・・ 上と矛盾するようだが、プランクトンが育つために必要な無機栄養分が、上から沈み込み、消費されずに残っているため
  3. 低温安定 ・・・ ほぼ年間を通じて水温が安定している

その海洋深層水を汲み上げて、空調の冷媒設備に活用する。 年間を通じて冷えているのであれば、何かを冷やす需要が常にあるのなら、有効に使えることになる。 ただし、汲み上げるエネルギーを考慮に入れる必要が当然あり、同社では別の用途に使える道を探ることでビジネスチャンスも汲み上げようとしている。この分野でも日本の技術は進んでいるとのこと。

現在はまだ汲み上げの候補地選定の実証段階、というステータスらしい。 太平洋と日本海では深層水の性質も異なるらしく、慎重なロケーション選定が必要なのだろう。

まだまだ緒に付いたばかりのこのビジネス。淡水化のような派手な技術でなくても、確かに光るイノベーションがある。

電気も水も同時に作る総合商社の強み

UAE(アラブ首長国連邦)東部フジャイラの海岸地帯に今年(2010年)8月、汲めども尽きぬ泉が湧き出す。丸紅がアブダビ水電力庁や英インターナショナル・パワー(IP)などと2007年から組んで建設するのは、出力200万キロワットの天然ガス火力発電所の余熱で海水を蒸発させ、日量59万トンの淡水を生み出す造水発電プラントだ。
[2010.03.02付 日経産業新聞「水の世紀」/補足&強調Ekojin]

・・・今後20年間、現地に電力と淡水を供給する巨大プロジェクト。事業費は28億ドルに上るというからすごい。

⇒丸紅のプレスリリース (2007.08.02付)

成長著しい中東諸国で、発電インフラの整備が進む。発電所建設と併設して海水淡水化プラントを作る。 電力を作る際に水を作る、というわけだ。 火力発電の蒸気タービンの排熱を利用して海水を熱して蒸気、そして淡水を生成する。 水を作る際に電力を作る、と言い換えても良いのかもしれない。 電力も淡水も、どちらもエネルギーの需要があるところには欠かせない。

プラント建設にかかる莫大なお金は、アブダビ水電力庁への売電収入で回収する。20-30年の回収期間を見込んでいる。 この、大型プラント設備にかかる資金や部材の調達、長期の回収ノウハウなどは、長年海外で発電事業を営んできた丸紅の強さであり、淡水化技術なども加えた総合的な日本勢の競争力を形成している。 日本の総合商社ならでは事業シナジーと言えると思う。

同様の計画が中東でいくつか進行中。 丸紅の中東・北アフリカ戦略にもそのことが謳われている。

実に日本らしい、というか。イイネ。

人も地球も美しく

TBCが始めた新しい試み:

「エステティックTBC」を運営するTBCグループは、サッカー元日本代表の中田英寿氏(33)が代表理事を務める「TAKE ACTION FOUNDATION」と共同で、エステ料金の一部をアフリカでの植林活動費に役立てるエコプロジェクト「1エステティック→1アクション」を(2010年)3月1日から展開している。
[2010.03.04付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

「森の恵みのエステティック」(50分/8000円)を受けると、料金の一部が「TAKE ACTION」を通じて、キリマンジャロ山麓で植林活動を行うタンザニア政府公認NGO団体「TEACA(テアカ)」に寄付される。そして、社会貢献参加証を発行する、、、らしい。

・・・ふうむ。 意外と普通だな、っていう感想。 エステの料金の一部を海外で植林しているNGOに寄付される、、ってやつか。 正直、目新しさは感じられないなあ。。
この試みの新しい点は、「中田氏」という著名人を使って「人も地球も美しく」というキャッチコピーを打ち出している点かな。

Take Action Foundationは、元サッカー日本代表の中田英寿氏が代表理事を務める社会貢献財団。 中田氏はかつてTBCのCMにも出演していたことが今回の企画のきっかけになったのだろう。 

現地のNGO「TEACA」は”Tanzania Environmental Action Association“。
同じ「Action(行動)」を名に持つ団体同士のコラボということになる。 アクションは、エコに限らず、ほとんどの目標達成のための重要なステップ。できることから、ね。
そうだね、できることから、という意味では、このTBCの取り組みも意味のあることと考えることにします。

9本目グリムスとリアル連動

9本目のグリムスは、正方形の樹に成長しました。
バンクーバー・オリンピック中、ということもあって、ちょっとレアな感じ。

⇒参照: いままでの変遷

(下)マイページ上ではこんな表示。 マウスオーバーで発芽日と樹になった日、そして植樹状況。

運営会社が変更されて、少しずつ見せ方なんかも工夫しているみたいだ。登録ブログ数も44000を超えているから相当なもの。今ごろユビキタス・エナジー社のグリムス担当部署では、この「エコ嗜好が明確にセグメントされた多くのブロガー」という資産を使った新規ビジネスの立案に頭を捻っているかもしれない。 単にエコに興味がある、という層ではなく自ら情報を発信し、こういうブログパーツも積極的に取り入れるそれなりのインフルエンサーたちだ。同種のサービスでここまで多くのブロガーを抱えているものはなさそうだし、立派な差別化になりそう。

環境系の企業とタイアップしたペイパーポスト(記事を書くことで報酬が支払われるプロモーション手法)のサービスはすぐに思いつく。環境系企業はたくさんあるしね。 ただ、その手のサービスは競合が激しいのと、同社のスタンスはもう少しNGO寄りに感じる。何か他の手が良いのかもしれない。

(下)植樹のレポート。

ネット(バーチャル)とリアルの融合は、最近テクノロジーの進化やデバイスの進歩もあって、いろいろと面白いものが生まれている。 「植樹」という、ある意味でエコを象徴するリアルアクションと、ブログというネットでのバーチャルアクション。 ここに面白いシナジーが生まれて欲しいね、って思います。

海運に課金

海運にターゲット:

政府は(2010年2月)4日までに、外航船の燃料油に対し、地球温暖化対策として一定額を課金し、海運での二酸化炭素(CO2)削減などのための基金に充てる制度案を国連の国際海事機関(IMO)に提出した。
新興国が経済成長し輸出入が活発化する中、外航船のCO2排出は増加傾向。欧州各国は排出量の上限を設けるべきだとしているが、日本としては輸送量抑制につながるなどとして課金制度を提案した。3月のIMOの海洋環境保護委員会で審議が始まり、早ければ10月にも採否の方向性が決まる。
[2010.02.04付 共同通信/強調Ekojin]

外航船は外国航路を回る船。ある国から外国に何かを運んだり運んできたりする船。
世界で5万隻以上あるそれらの外航に、燃料トンあたりで課金する。
国際基金として積み立てて、途上国の温暖化対策やエコシップの研究開発に充てる。
また、自主的に燃費を改善した船舶や輸送会社に還付金を行い、
業界内での技術開発を促進する。


バルクキャリア「サブリナI」
[PD/Wikimedia Commons]

いわば、海運向けの環境税だ。
日本郵船など海運各社の株価は翌日から下落しちゃってる。

海運は、スピードにさえ眼をつぶれば空輸や陸送に比べて
高燃費で大量輸送ができる優れた運送手段。現代でも国際間物流の主軸。
それだけにCO2の排出問題や生態系への影響も、大きい。
もちろん、業界内でも自主努力は行っている。

行政的な規制にしても、総量規制や総排出量規制など、
いろいろ考えられるなかで、この燃料あたり課金、というアイデアが出てきた。
確か日本政府も、ちょっと前までは総排出量規制を検討していたみたいだし。

海運会社からは、反発があったりするのかな。
ともかく、この手の自由経済と規制のバランスはいつも難しい問題を孕む。
今回の場合は一国内ではなく国際的な取り組みだからなおいっそう。

国際海事機関 (IMO)

どうなるのかな。

財界との綱引き

まずは双方顔色伺い:

小沢鋭仁環境相ら環境省幹部と日本商工会議所首脳が(2010年1月)21日、東京都千代田区のグランドプリンスホテル赤坂で懇談会を開き、地球温暖化対策などの環境政策の基本方針をめぐって意見交換した。日商の岡村正会頭は「プラスの面とマイナスの面をはっきり認識した上で(政策を)進めるべきだ」と指摘し、国内のコンセンサスづくりを慎重に進めて国民や企業を巻き込むことを求めた。
政府は、政策の位置付けや方向性を明示する「地球温暖化対策の基本法案」を3月上旬をめどに通常国会に提出する予定で、それまでに「温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する」と政府が掲げる目標の達成に向けたロードマップ(行程表)をまとめる方針だ。
[2010.01.21付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

・・・新政権の施政は何かと財界の利害と反発しているから、
お互いに思うところはたくさんありそう。
国民の意思としての政権交代がなり、
財界も旧来のやり方が通用しないことを悟っている。
もうひとつの財界勢力である日本経団連も、
伝統的な自民党べったり路線を転換している。

・・・導入が検討されている「排出量取引制度」は、
各企業のどのくらいの「キャップ」(上限排出量=排出枠)を設定するか、
再生可能エネルギーの買取制度のコストの負担の方法など。
財界のなかでも論議を呼びそうな各論はいくつかある。

2020年までに1990年比25%削減

あと10年しかない。
トップのビジョン(ゴール)は示されたわけだから、
あとはストラテジー(戦略)に落とし込む段階だ。
経営陣と従業員が反目していると高い目標など達成できないのと同じように、
政治と財界も、この高いビジョンに向けた団結が求められている。

個人的には、商工会議所や経団連のような大企業中心の
業界団体と政治家がコミットする動きよりは、
至宝の技術力を持った中小企業や独創的なビジネスモデルを紡ぐベンチャーこそ
応援したい気持ちがある。
ただ、大企業を抑えないわけにはいかないしね。

プラスチックが油に!

なんという素晴らしい・・・。感動しました。

プラスチックごみで石油を作る
非常にシンプルだが強烈な説得力がある。

飛行機に乗る油化技術はこれだけ
と言っているとおり、このブレスト社の技術は
先鋭的でユニークだ。 日本の環境技術の至宝と言えるかもしれない。

そして世界の子どもたちにそれを教える。
プラスチックがゴミじゃない。石油なんだ、資源なんだと。

もちろんトータルのCO2の削減につながる。
中東の油田で取れた原油をタンカーで運び、工場で精製してガソリンスタンドで売る。
このプロセスにおける無駄が相当カットされる。

当然、装置を動かす電気の調達の問題はあるだろう。
でもそれも省エネ技術の範疇だ。 つまり技術力が効率化を促進する。

こういうことを知ると嬉しくなる。

生物多様性の目標設定

2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約締約国会議(COP10)に向け、
日本が提案を出した。

政府は(2010年1月)7日、10月に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向け、2010年以降の生物多様性保全の新たな国際目標に関する日本の提案を決め、条約事務局に提出したと発表した。日本はCOP10の議長国を務める。
[2008.10.24付 共同通信/強調Ekojin]

⇒外務省の発表資料

[2050年までの中長期目標]
人と自然の共生を世界中で広く実現させ、生物多様性の状態を現状以上に豊かなものとするとともに、人類が享受する生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく。

[2020年までの短期目標]

生物多様性の損失を止めるために、2020 年までに、

  • 生物多様性の状態を科学的知見に基づき地球規模で分析・把握する。生態系サービスの恩恵に対する理解を社会に浸透させる。
  • 生物多様性の保全に向けた活動の拡大を図る。将来世代にわたる持続可能な利用の具体策を広く普及させる。人間活動の生物多様性への悪影響を減少させる手法を構築する。
  • 生物多様性の主流化、多様な主体の参画を図り、各主体により新たな活動が実践される。

条約事務局が各国からの提案をベースに2月中旬までに事務局案を作成。
それを各国に提示するそうだ。

日本提案では、それら目標達成のための
9つの個別目標」、「34の目標達成手法」も同時に提案している。

つまり、議長国として、
「中期ビジョン」「短期目標」「重点実施項目」「達成プロセス」をそれぞれ示した。
精読はこれからするけど、ざっと見た限り割とイメージがわきやすい内容。

・「生態系を守ることが大事だ」という共通認識をどう浸透させるか。
・生物学、遺伝学などの科学的知見をどう組み込むか。

という視点が薄いのかな、、、という印象だけど、そうでもないのかな?

動き、ウォッチします。

インドの産業大動脈構想

インドの「産業大動脈構想」に日本が大きく関わっている。

首都ニューデリー
商都ムンバイ

この2つの大都市を結ぶ全長約1500km弱の地域(6つの州)に、
ちょうど日本の高度成長を支えた「太平洋ベルト」のような「大動脈」を通そう、
という計画。

このうち約918kmに相当する主要部分に貨物専用鉄道を整備する大事業に、
日本の円借款(約4500億円)が供与される。
2008年10月に日本政府とインド政府が覚書を締結している。

そして、この大動脈の対象地域に、
再生可能エネルギー分野での日本の先端技術を生かした
環境配慮型の「産業モデル地域」を設定する予定。

日本の強みを生かし、ターゲットもマーケットもビジョンも明確な良い事業。

民間分野での対中対印の市場開拓、市場深耕の動きが激しい。
いろいろな人の話を聞いたり読んだりしていると、
文化の違いや商習慣の違い、それに政治的な軋轢もあったりするものの、
基本的には「伸び盛りの市場で伸び伸びと、」
ビジネスが盛り上がってる様子。

景気が悪いときには内需が大事なのだけど、
こういうニュースはやっぱりわくわくする。
得意分野を伸ばす、というのはやっぱり良い。

技術の適性配分で富の適正配分を。

コーヒー好きのひとりとして

スターバックス、タリーズ、エクセルシオール、、、

Ekojinはコーヒー好きなので、それらの「カフェ」でコーヒーを飲むことが多い。
大抵はカフェラテを飲む。
タバコは吸わないので、禁煙の店を好む。
家にはグラインダーがあるので、豆を挽いて飲んだりもしている。

なるべく、生産者のことを考えようとはしている。
生産者にいくら払われているのだろうか、と。
フェアトレードは守られているだろうか。

各企業も努力はしているようだけど、現実はなかなか難しいのかな・・・:

この映画は未見。 今度借りて観てみよう。

結局、地球は広すぎるし、人口も多すぎる。
文字通りの地理的な制約、
民族や文化や宗教や言語の壁、
歴史の違い、文明の差、、、
それらは相乗されて、
富めるところから貧しいところに流れるべき利潤の流れを阻む。
富の分配はなかなかうまくいかない。

コーヒーいっぱいを飲むときにも、そういうことに思いを馳せないと。
責任だと思う。

Kiva融資(4) ~返済状況

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Kivaでの融資先から少しずつ返済が開始されている。
この段階は、マイクロファイナンスでは最も重要だと思う。

(下)「残高」確認ページ。 小額ずつ返済が確認できる。

そう、施しを与えたわけではないのだ。
自分が行ったことは金融としての「融資」であり「寄付」ではない。
当然、融資先は返済する義務があり、融資したほうは返済を受ける権利がある。

彼らの事業に、数千円の運転資金を融資した。
事業を営み、儲けを蓄え、融資元に返済する。金融の基本。

(下)現在の「Kiva credit」。返済された金額をそのまま再融資に回せる。

これまでの融資額はわずか75ドルだ。期間にして1ヵ月半。
それで既に17ドル弱の返済を受けている。

・・・「何か社会貢献をしたい」という動機がある人には薦めたい仕組みだ。
数千円を「いま」必要とする人に貸し、基本的には返ってくる。

まさにいま必要とする人に、幾ばくかの手持ちを融通するだけだ。

もちろん、返ってこないこともあると思う。現実的には。
でも、数千円だ。

「とっかかり」には適度な金額ではないだろうか。
募金の数百円よりはるかに「現場の身になる」出費。
なにせ、どんな事業を営むのか、どんな人たちなのか、
確かめながらお金を出すのだ。選択があり、意思がある。
出したお金は「返してもらうつもり」で全然構わないと思う。
そのつもりで、事業を見る。人を見る。

マイクロファイナンスの「肝」の部分は体験できた、かな。

さて、再融資はどこにしよっかな。

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僕たちのチャレンジ宣言 COP15版

コペンハーゲン「合意」は、ちょっと変わってる。
採決したのは2009年12月18日だが、この合意に賛同する国は、
2010年1月末までに合意文書の別表に書き込む。

(下)こちらが先進国用で、、、

(下)こちらが途上国用

先進国の方は2020年までの温室効果ガス削減量を書き込み、
途上国の方は「アクション」を書き込む。

ま、要するにこういうことだよね。

[エコプロダクツ2009展より]

「僕たち地球温暖化のために地球に優しいことします!」

的な。

・・・えっと、、、いいんだっけこれで。。。

ともかく、次の焦点は以下のとおりとなった:
1月末までにどの国がどんなことを書き込むか

うーん、珍しい。なんだこれ。

『キャピタリズム/マネーは踊る』

マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム/マネーは踊る』を観た。

「ボーリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」「シッコ」、、
M・ムーア氏が「標的」にする相手も段々と権力の中枢に近づく。
古今東西の映像ソースを縦横無尽に駆使して、
あらゆることに白黒つけながらバッサバッサと叩き切る。
アンチ共和党、アンチ・ブッシュのメッセージ性も明確だ。
リベラル映像作家の急先鋒、といったところだろうか。

ただ突撃敢行される側も「あ、マイケル・ムーアがきやがった」
みたいな感じでさすがに警戒感丸出し。電話もガチャ切り。 さぞやり辛いだろうね。
今回も、そのあたりの切り込み感が不足しているっぽい。


近代経済学の祖、アダム・スミス (1723-1790)
[PD/Wikimedia Commons]

残念だったのは、
タイトルから想像した「資本主義そのものの善し悪し」といった問題というよりも
いつの間に「アメリカの政策」に限定されてしまっていたこと。
そして、「資本主義がダメなら社会主義が良いのか」という、これまでも
幾度となく繰り返されてきた疑問に答えていないこと。

そして、「資本主義よりも民主主義が望ましい
という一見不思議なメッセージを発している割には、
そのふたつの両立のイデオロギーを共有しているはずの
いまの自由主義世界の矛盾にも踏み込んでいない。

個人的には、「環境資本主義」、「エコ・エコノミー」、「自然資本主義」などの
新しい形の資本主義、の片鱗だけでも言及して欲しかった。

あ、映画そのものは面白かったですよ。

循環型の環境と循環型の経済の両立
・・・次世代のエコ・エコノミーを目指したい。

宙博2009 (2) ~宇宙太陽光発電の実現性

人が宇宙を目指す理由は、
フロンティア開拓という精神的なロマンを味わいたいからだけではない。
実用的な目的があってこそであり、逆にそれがロマンでもある。

2030年での実用化を目指して実地研究が進められているのが
宇宙太陽光発電」の分野。

地球に届く太陽の照射とは比べ物にならないくらいに
照り続ける太陽エネルギーを宇宙で採集し、そのエネルギーを地球に届ける。
夜も昼も関係ない。

(下)宇宙太陽光発電のパネルや模型
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(下)宇宙太陽光発電のイメージ
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そして、この素晴らしい構想を実現しようとしたとき、
最も大きな壁となっているのが、
取ったエネルギーをどうやって地球に運ぶか」という問題。
⇒紹介済みのエントリー

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・・・そのあたりのこと、説明員の方に聞いてみた。

「電送中に障害物があったり軌道がずれているなどの危険を察知すると、
 地球への電送照射をOFFにする仕組みができています。
 また、飛行機などは金属体であるため、影響を受けません」

という答えが返ってきた。
ほうほう。なるほど。

サイエンスの最先端分野ってやつは、1,2年で状況がガラリと変わるね。
面白い。本当に面白い。

・・・と同時に、やっぱりこの人間の脳みそのパワフルな「進化」を聞くと、
妙にワクワクして、いろいろなことを楽観視してしまう。
環境問題もエネルギー問題も、
ヒトが本気を出して取り組めば必ず解決できるのではないか。そんな楽観。

宇宙太陽光発電の実用化はこの眼で是非見たいもののひとつ。
楽しみだな。

奇跡のスピルリナ

日経で「スピルリナ」なる藻の存在を知った。

らせん型の淡水産の藻、、、
らしい。 単細胞生物。

これがなんと
タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、クロロフィル、βカロテンが豊富
タンパク質は大豆の倍、牛肉の3倍、というからすごい。
Spirul3
スピルリナ

["Spirul3"/Author:Spirul3 /cc-by-sa3.0]

アフリカや中南米の湖に自生する熱帯性の藻。
当然、貴重な食糧源として古来から注目されてきた。

1967年の国際応用微生物会議で「将来の主要なタンパク源
として報告された、というからなかなかの優等生だ。

Spirulina_tablets
タブレット状のスピルリナ
[PD/Wikimedia Commons]

技術を使って世界を変える」という理念を掲げる
アライアンス・フォーラム財団
次世代の基幹産業を発掘するべく、「スピルリナ・プロジェクト」を始めている。

飢餓や貧困を救う奇跡の産業となるか。
注目したい、と思った。