'リデュース' のアーカイブ

温暖化防止のコスト。まずコンロから。

ブラックカーボン(黒色炭素:スス)が地球温暖化に大きな影響を与えている、というNASAの報告について、以前紹介した。 そのブラックカーボンのアップデート情報。

ある科学者の単純計算によると、150億ドルかけるだけで、地球上で温暖化の影響を最も受けやすい地域の温暖化を遅らせることができるらしい。しかも、その効果はすぐに表れるという。
150億ドルというのは、木材や動物の糞、石炭を炉にくべて暖房や調理に利用している5億世帯に、環境を汚染しないクリーンなコンロを提供するのにかかる、だいたいの費用だ。地球温暖化の原因の1つである汚染物質の煤(黒色炭素)の4分の1は、こうした家庭の炉から排出されている。
[2009.12.22付 WIRED VISION日本語版/強調Ekojin]

・・・家庭で使っている暖房器具や調理器具をススを出さない製品にリプレイスしましょう、ということ。全世界のコンロを環境配慮型の製品に取り替える費用が約150億ドル。いまのレートで大体1兆3600億円ほど。コンロ1個を30ドルと見積もった場合の計算だ。 決して少ない金額ではないけれど、決して多い金額でもないのではないか。 何せ、全世界のコンロの話。 ブラックカーボンの悪影響を考えれば投資としては悪くない、と思う。

勿論、単純計算過ぎるし、それぞれの地域や事情などを無視しているし、コンロ製造自体のカーボンコストはどうなんだ、って問題もある。5億個のコンロ製造を1社に任せて良いのか、その経済的リスクもあるはず。

ブラックカーボンは、大気中でプカプカ浮いているうちにチリと結合して細かな粒子状になって集まり、太陽熱を吸収する。そこに雨が降って水分が加わることでさらに熱を吸収。 大体そんなプロセスで気温上昇を加速させる。 ヒマラヤの氷河が解けている主因ではないか、と疑われている話も以前の紹介のとおり。

そんなブラックカーボン(スス)を普通の日常生活のルーチンのなかで出しまくっているのを止めましょう、という話だ。世界で半減させることができれば、深刻な地球温暖化の始まりを10-20年遅らせることができるのではないか、とはこの試算を発表したラマナサン博士の弁。

単純な試算に過ぎないけれど、考えてみる価値はあるはず。 情緒的な「温暖化を止めましょう」ではなく、「温暖化を止める為にいくらかかります。これならペイできるでしょ」という考え方は、とても重要なはずだから。

初のカーボンニュートラルステーション

大阪市摂津市に、「摂津市駅」(阪急京都線)が新設され、2010年3月14日にオープンした。普通電車のみが停まる2面2線の小さな駅だけれど、大きな特長がひとつ。

駅舎の屋根に太陽光発電パネルを設置するなどして二酸化炭素(CO2)の排出量を半減。さらに排出量取引制度も活用するといい、阪急電鉄によると、CO2排出量を事実上ゼロにした全国初の駅になるという。
[2010.03.13付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

つまり、「カーボンニュートラル」ということ。 環境問題を世界に説いて回るアル・ゴア氏は、移動に航空機を使っているが、利用の際に必ずカーボンニュートラルの手続きを踏むことで、自身の移動に伴うCO2排出を相殺している。 カーボンオフセット(炭素相殺)をさらに進めてニュートラル(差引ゼロ)の状態。 どんなに小さな駅でも人間の利用に伴うCO2排出は避けられないけれど、それと同量を別の場所で相殺する。


新設された摂津市駅
["Settsu-shi Station2"/Author:Whity /cc-by-sa3.0]

具体的には、屋根の太陽光発電、LED照明などの利用でそもそも省エネルギーを実現。 さらに、近隣県の森林組合の植林活動で実現した排出削減分を購入する方法をとるらしい。 何であれ初めてのことは注目される。 そのうちこういう取り組みも当たり前になるだろう。
首都圏にもあるのかな。 以前紹介した東急元住吉駅がそれに近いだろうか。

最近少し重たいテーマが多かったので、こういうサラッとしたのを入れたくなりました。

課題を抱えながら排出量取引導入へ

ようやく導入されそう:

政府は(2010年2月)26日、二酸化炭素(CO2)排出量が一定の枠を超えた企業に資金負担を迫る排出量取引制度を2011年中に導入する方向で検討に入った。今国会に提出する地球温暖化対策基本法案(仮称)に導入時期を盛り込む。「2020年に温室効果ガス排出量を1990年で25%削減」という目標達成に向け早期導入が必要と判断したが、産業界などの反発は必至で、調整は難航しそうだ。
[2009.02.27付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

普天間といい赤字国債といい政治家主導といい天下りといい、何かと「現実路線」への修正を迫られている民主党のマニフェスト。そのなかでも特に産業界からの反発が予想されていたのが、この「排出量取引」。
キャップ・アンド・トレード」とカタカナで表現されるこの制度は、企業に排出量の上限(キャップ)を課した上で、実際の排出量との差分を市場で取引(トレード)できるようにする制度。 既に導入しているEUやアメリカの一部の州では、一定の成果を上げつつも課題も多いとされている。 企業の実績に応じてキャップが決まる、、、つまり「総排出量」を規制するわけで、自然な経済成長の阻害になる、、、というのが産業界の反対の理屈だ。 まあ確かに、「自由主義経済」というのは民間企業の行動になるべく制限をかけないことが原則。むしろ積極的に推進されるべき「企業が成長すること」に制限がかかるなんて論外、、、というわけだ。

・・・まあ確かにそうだよね。キャップアンドトレードは、「公平性の担保」が難しい。多くの排出枠をもらえるところは、高いキャップを課された企業に対して枠を売るだけで、企業努力もなく創出した価値もゼロなのに、利益が得られることになる。余剰排出権は、「カネの成る木」と化す。 さらに、これまでの省エネへの取り組みなどは考慮されずに、総排出量などの外形的な要素でキャップが決まるため、大きな鉄鋼や機器メーカー等の会社が「ワリを喰う」ことに繋がる。

難しい問題だと思う。もうひとつの目玉である「環境税」導入とともに、「地球温暖化防止」という玉虫色の目的は同じだけど、現実はもっとドロドロしている。政治的駆け引きが求められる。どんな新制度の導入も、現場からの反発を覚悟しなければいけない。

ともかく日本は「2020年までに1990年比25%削減」を約束した。そのトップのビジョンを実現するために、制度やルールや体制のブレイクダウンが必要なフェーズ。 排出量取引の方法論の是非はまだまだ議論が必要だろうけれど、必要なことはビジョン達成への揺るぎない信念だと思う。

海の動物もCO2クレジット化

興味深い・・・。

⇒BBCの記事: 「捕鯨がCO2排出を悪化させている
要約:
約100年間捕鯨を続けると、1億トン以上のCO2が排出される。13万平方キロメートルの森林を焼くのと同じくらいだ。その巨大な体の中に蓄えられたCO2は、自然死すれば海に沈んで海中に溶け込むが、殺して陸に引き上げると大気中に排出されてしまう。クジラは食物連鎖の頂点にあるため、CO2を体に溜め込む、という役割を担っている。

・・・捕鯨については反対の立場だけど、これはあまり反捕鯨の論拠としては説得力があるとは思えない。「蓄える」役割にしてもそれが排出されてしまうことについても、クジラだけの問題ではないと思う。海の生き物すべてに言える話なのではないだろうか。イワシやサーモンやロブスターだって、CO2を蓄えるが、ヒトはそれを捕って食べてしまう。

むしろ、このBBCの記事で興味深かったのは、こんなことに言及している部分:

魚にしてもクジラにしても、その蓄えられた炭素量を元に漁獲割当量を各国に配分し、排出権のように取引するというアイデアがある。排出権取引と同様、その経済的制約が漁獲制限を促したり、海洋種の保存に向く可能性がある。

なるほど。今は森林の「炭素吸収量」がクローズアップされており、例えば植樹による炭素吸収量の増加、あるいは伐採による炭素吸収量の減少、という定量的測定が定着しているけれど、これを海の生物全般にも拡げられるのではないか、ということか。
確かに動物は自らは光合成をしないが、炭素は体に貯蔵している

陸の動物は、陸の植物を食べて自然死すればその炭素は大気中に還るだけであり、この考え方は使えない。だけど海の動物は、海が大気から吸収した炭素が動物の体内に取り込まれ、死ねば大気ではなく海に留まる。従って、大気中の炭素量は減ることになる。

そして、そのことに経済原理を導入すれば、確かに成果が出せるかもしれない。検討の余地はあるのではないだろうか。

ENEX 2010 (8) ~多層構造の断熱フィルム

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住友スリーエム(株)のブース:

窓ガラスに張る断熱フィルム。
薄いフィルムのなかに高分子の膜が200層にも積まれている。
可視光は損なわずに不要な赤外線や紫外線などをカットする仕組み。
室温上昇を防いで余計な冷房を抑制する。
製品名「スコッチティント ウィンドウフィルム マルチレイヤーNanoシリーズ」
とあるとおり、この極薄の多層構造にユニークな技術が光る。

・・・実際にフィルムの有り無しを体感できた。
手をかざすと、明らかに体感温度が違う。予想以上だったかも。
元々フィルムが入っていない側も、
フィルムを差し入れると体感温度が下がる。

ふーむ。やっぱり窓ガラスの断熱は必要かなあ、と思ってきた。
やっぱり、夏の冷房はなるべく減らしたいし。

(下)そしてこちらは車のガラス用

原理は同じ・・・なのかな?
確かに夏場の車内温度は殺人的だったりするから、こういうのはありがたいかも。

そしてこういうガラスのフィルムは、
万が一割れたときの飛散を防ぐ」という副次的効果もある。
大事なことだね。

家も車も、少し本格的に検討してみよう、と思いました。

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ENEX 2010 (6) ~霧なら任せて

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霧のいけうち」のブース:

霧を発生させるノズルのメーカー。
「”霧発生のハードとソフト”のハードは分かるのですがソフトって何ですか」
って聞いたら、
「霧を発生させる装置に組み込まれた制御ソフトのことです」
とのこと。


霧の種類と「セミドライフォグ」の位置づけ (同社Webサイトより)


霧の発生?どんな用途があるのだろう。

精密機器工場での静電気防止、それに部品の洗浄。
製パンやキノコの栽培に欠かせない一定の湿度。
それに、排水を出さない冷却のニーズ等もある。

一般消費者向けではなく業務用の製品だけど、
街中で意外と霧を見る機会は多い印象がある。
代表的なのは、夏の暑い日に「ちょっとした涼」が得られるスポットだろうか。

3~3.5mくらいの高さに設置することで、
霧の気化で周囲の気温を2~5℃引き下げる。
その際、路面や人は濡れない。気化してるからね。
何せ「細かい水」なので水浴びしてるみたいなもんだね。
冷媒があるわけでもなく、気化熱を奪うやり方なので環境に優しい。

個人的にも、霧をくぐるの好き。子供っぽいかなw
こういうイベントを訪れると、
こういうちょっと面白い会社に出会えるのが楽しい。

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ENEX 2010 (3) ~LEDの次の技術「FEL」

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LEDに続く技術「FEL」が紹介されていた。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)ブース内の高知FEL株式会社

FELは、Field Emission Light (電界放出型ライト)。
画素のひとつひとつがテレビのブラウン管のような仕組みで発光する。
高知FELでは、極小サイズのダイヤモンド粒子でできた膜を使い、面光源を実現している。
勿論任意の色が再現可能。
デモンストレーションでは、面光源なので影ができにくいことを教えてくれた。

消費電力が小さく、有害物質を使わないなどの利点があることから
照明やディスプレイへの応用が待たれる。

ソニーの子会社やキヤノンと東芝の共同開発など、
この技術を使ったテレビの試作もされているみたい(FEDテレビ)。
高いコントラストが表現可能で、その理由は「黒は光らなくて良いから」
液晶では、黒でも後ろのバックライトの光源がどうしても透過してしまうらしい。
なるほど。

コスト面の課題があるんだろうなあ。
ダイヤモンドを使うとなるとなおさら。量産ベースに乗るのだろうか。
ともあれこの手の新技術はいつもワクワクする。

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インドでスマートグリッド受注

以前、日本が支援するインドの「産業大動脈」構想のことを紹介した

その具体的な動きが出てきた:

経済産業省は(2010年2月)10日、インド北部のデリー、西部のムンバイ近郊の2カ所で、環境配慮型の都市づくりを両国の企業が共同で行うことでインド側と合意したと発表した。太陽光発電も含めた発電設備の建設や、IT技術を活用した次世代送電網(スマートグリッド)などを建設する。
開発を行う2都市は、インド政府が日本の支援を受けて、貨物専用鉄道の新設を核に開発する産業大動脈(デリー―ムンバイ間約1500キロ)に含まれ、工場立地が見込まれている。
[2010.02.11付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

・・・スマートグリッド技術は日本の強みが生かせる分野。
アメリカのニューメキシコ州でも州政府と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が
共同のプロジェクトを立ち上げている。 当然、アメリカでは景気浮揚の意味合いが強い。

日本ではアメリカなどに比べて送電網がしっかりしていて停電も少ないので、
スマートグリッドを実現するためのスマートメーターの配備という第一段階よりは、
最初から自律的な負荷制御など、ソフトウェア的な領域がポイントになりそう。
ただ、国としてはそこまで積極的な動きはないみたい。

で、せっかく企業が保有しているそれらの技術を海外で活用する、
ということかな。

「環境配慮型の都市づくり」の構想は、
日本では物理的・社会的・政治的な制約があって
理想ほどにはうまくいかないイメージがあるけれど、
新興国ではそういうアイデアや技術が比較的活かしやすいのだろう。

忍び寄るフェラーリ

高級車の代名詞も時代の流れ:

イタリアの高級スポーツカーメーカー、フェラーリのモンテゼモロ会長は(2010年1月)29日までに、同社として初めてのハイブリッド車を3月のジュネーブ国際自動車ショーで発表することを明らかにした。イタリアの自動車専門ニュースサイトなどが伝えた。
[2010.01.30付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]


フェラーリ599
["Ferrari599 A6"/Author:Sovxx /cc-by-sa3.0]

ハイブリッド化されるのは、上写真の「フェラーリ599」。
同じ高級車のライバルのフォルクスワーゲンなどは早々にハイブリッド計画を発表している。
富裕層向けだからガソリンがぶがぶ飲むもんね!
というスタンスではちょっとばかり居心地が悪くなってきているのだろう。
消費者の嗜好も移ろうし。

一番気になるのは、、なんと言っても、
あのイカつく優美なエンジン音がどうなってしまうのか。
後ろからスッと気づかぬ間にフェラーリが近づいていておっと危ない気づかなかったヨ、
みたいなことになるのだろうか・・・。

なんかある意味フェラーリの末期、って感じがしなくもないw

プラスチックが油に!

なんという素晴らしい・・・。感動しました。

プラスチックごみで石油を作る
非常にシンプルだが強烈な説得力がある。

飛行機に乗る油化技術はこれだけ
と言っているとおり、このブレスト社の技術は
先鋭的でユニークだ。 日本の環境技術の至宝と言えるかもしれない。

そして世界の子どもたちにそれを教える。
プラスチックがゴミじゃない。石油なんだ、資源なんだと。

もちろんトータルのCO2の削減につながる。
中東の油田で取れた原油をタンカーで運び、工場で精製してガソリンスタンドで売る。
このプロセスにおける無駄が相当カットされる。

当然、装置を動かす電気の調達の問題はあるだろう。
でもそれも省エネ技術の範疇だ。 つまり技術力が効率化を促進する。

こういうことを知ると嬉しくなる。

未来の技術:光触媒による水素生産

注目されている技術のひとつに、「光触媒」がある。

光触媒とは光を当てることで何かの化学反応を促進させることで、光合成もそのひとつ。
この原理を活用した新しい技術の開発が進められている。

酸化チタン(TiO2)が持つ強い光触媒活性の性質を利用した技術のひとつ:

・・・この酸化チタンの光触媒にはまだまだ未解明な部分も多く、
ようやくいくつかの製品化が実現している段階。
光触媒と言っても可視光(人間が色として認識する光)ではなく、
紫外線を使う必要があるので、太陽光での利用が中心。

⇒光触媒工業会のサイト

例えば既に多くの試作車が公開されている「水素自動車」。
使用時には温室効果ガスの発生がなく、クリーンなクルマなのだけれど、
燃料である水素は空気中に浮遊しているわけではないので生産する必要がある。
生産には石油や天然ガスを使う。その際に結局CO2を排出する。

・・・というような問題に対する答えになるかもしれないが、この光触媒。
なにせ、水素を作る原料が「太陽・水・CO2」で良いのだ。
ほぼ枯渇しないと言える。

このイノベーションも注目の分野。
期待大。

未来の技術:水素還元の製鉄法

昨日の続き:

人工光合成の新技術には、「製鉄の水素還元」というものもある。

鉄のもとになる鉄鉱石には酸化鉄、すなわち酸素と鉄が結びついた状態。
ここから酸素を除去することが製鉄の根幹であり、
高さ100メートルを超すこともある「高炉」で行っている製鉄プロセスだ。

(下)高炉(blast furnace)の説明動画:

コークス(石炭を蒸し焼きにして硫黄分を取り除いた素材)が
ここでは重要な役割を担う。
酸化鉄と高温のコークス(石炭)を混ぜることによって、酸素と鉄が分離する。
これが「還元反応」だ。

酸化鉄を石炭を使って酸素と鉄に分離する。
そのときに発生するのが大量の二酸化炭素(CO2)。
製鉄は300年以上もこのやり方でやってきた(基本的には)。

この石炭の役割を水素に置き換えることによって、
理論上は製造時にCO2を排出しない製鉄技術が生まれることになる。

民間の製鉄各社を始め、
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も研究を進めている

まさにイノベーション。
「2020年までの25%削減(あるいは50年までの半減)」
という高い目標が画期的な技術革新を「還元」した、と言っていいのではないか。

こういう産業が元気になれば、日本のものづくりも盛り上がる。
楽しみだ。

ノルウェーの浸透膜発電

こんなユニークな発電手法が今後注目を集めるかもしれない。

浸透膜発電」。
淡水と海水の間の浸透圧による淡水の移動によってタービンを回す。
大きな川の河口などにプラントを設置。

ノルウェーの国営電力会社「Statkraft社」が、
世界初の浸透膜発電プラントをオスロで稼動させ始めた。
同社は再生可能エネルギーの会社としてはEU最大。

・・・浸透圧は理科の授業で習ったなあ。
ナメクジに塩をかける残酷かつわかりやすい例のアレ。
塩分濃度を一定にしようとする自然の摂理ね。

川の水が海に流れ込むところでは、
絶えずこの「淡水と海水の出会い」がある。
世界中いたるところで、24時間365日。天候にも左右されず。

それを使って淡水に位置エネルギー(120メートル)を与え、タービンを回す、、と。
同社はとりあえず2015年までに25メガワットの発電量を確保する目標。
これは、小規模な風力発電所と同程度とのこと。

世界規模のポテンシャルとしては、もっとすごい。
毎時1600~1700テラワットと見積もられている。
これは2002年の中国全体の電力消費量と同じであり、EU全体の50%だ。
すごい可能性を秘めている。

これはなかなか面白い試み。
先進各国も追随して欲しいね。特に、川の多い日本は。

エコプロダクツ2009 (6) ~プリウス・ソーラー

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おー。出たなプリウス・ソーラー。
京セラのブース。

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2009年5月発売の新モデル。
通常の車体にプラス20万円ほどでこのソーラーパネルが装備できる。
意外なことにバッテリーへの充電はできないが、
太陽光で発電された電力はベンチレーション(換気システム)に回され、
車中の空気を快適にする。 それでエアコンの消費を抑制できる。

ソーラーパネルは京セラとトヨタの共同開発。
振動する自動車向けに特別に開発されたもので、
世界初の「自動車用ソーラーパネル」ということだ。
なかなかカッコいいね。 欲しい。

プリウスは2009年12月にも、今度はプラグイン・ハイブリッドモデルの導入を発表。
その名のとおり(Prius = ラテン語で「先行して」)、この新たな市場の道を切り開いている。

クルマのあり方も年々変化があって、面白い。
未来予想図って「移動手段の変化」がモチーフになることって多いよね。
象徴的なんだろうな。

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エコプロダクツ2009 (4) ~北の雄、新千歳空港

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2年ほど前に当ブログで紹介した、雪を有効利用する新千歳空港の取り組みの進捗を
関係者にお聞きすることができた。

以前のエントリー

その後、雪の質に悩んでいるみたいな話もあったけど、
雪の活用は粛々と進められていたようだ。

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・・・なんといってもポイントは、「被覆材」だそうだ。
雪を覆うカバーだね。

そもそもこの「クールプロジェクト」。
空港に降り積もった雪を融かすときの「融雪剤」に含まれる
化学物質のBOD対策として始まっている。

BODというのは、
微生物たちに分解してもらって「自然に還る」状態になるのに必要な酸素量のこと。
集めた雪を一箇所にまとめておき、外気に触れさせることでBODを下げる。
その副産物としての冷暖房利用。

従って、ただ固めておけばいい、ってわけでもない。
適度に外気に触れさせつつ、かつ融けにくい、そんな被覆材が求められている。

担当者の方に聞いたら、世界の高緯度の空港では同じような実験は始まっているが、
新千歳空港の被覆材の性能は世界一、だそうで。 誇らしいね。

新設の茨城空港が国内線ゼロで開港する、、、
静岡空港からもJAL撤退、、、、
などの空港業界の窮状を伝えるニュースもあるなか、
日本の北では新千歳が頑張ってるんだな、と改めて思いました。

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エコプロダクツ2009 (2) ~街ではチャリを

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北九州市のブース:

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北九州市で「コミュニティサイクル社会実験」。
自転車は電動ハイブリッド。 そのシェアリング。
街の中心部での移動に使うことを想定している。

こちらは富山市:
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このちょっと変わった自転車は、「MCDecaux(エムシードゥコー)社」の製品。
広告パネル付きバスシェルターなどの屋外広告などを扱う同社による
都市景観事業の一環だ。

・・・各都市でのこうした自転車関連の取り組みは、ますます増えている。

基本的には良いことだと思う。
ただ、人々がちょっとした距離ではクルマを降りて自転車に乗り、
街から排ガスが少なくなるまでにはまだまだ大きな壁があるはず。
道路はクルマを前提に作られており、自転車は肩身が狭い。
歩道でも車道でも邪魔者扱いされる。
で、それを改修しようとすれば、当然莫大な資金が必要。
道路交通法の法律の改正も必要だろう。

そういうインフラが整備されるまではまだまだ時間がかかるだろうけど、
先進的な都市が先手を打ってサイクルシェアリングに取り組んでいる、ということ。

街ではチャリを。
今はクルマが多すぎる。

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MOTTAINAIお化け

懐かしい・・・。

1982年製作のCMというからもう四半世紀以上前のTVコマーシャル。
もちろん一部の環境保護運動は当時から盛んだったわけだけれど、
現在のようにブームとしての「エコ」、あるいは人々の環境意識の萌芽はまだない時代。

どちらかと言えば「食べ物を残さない」という道徳教育の色が強い。
当時人気の番組だった「まんが日本昔ばなし」を髣髴とさせる
ほのぼのとした説話。
もったいないことをすればお化けにたたられる
という因果応報の説話でもある。

それから一世代分の時代がくだり、
「もったいない」は「MOTTAINAI」となり、
その「後世に残すべき美意識」とされたコンセプトを世界に広めた環境活動家
ノーベル賞を受賞している。

世界の趨勢は環境保護を抜きには語れなくなってきた。
世界中がMOTTAINAIを唱和する時代だ。時代は変わった。

今は、
「(アニメのコミカルな)お化けが出てきちゃうよ!」、、、ではなく、
もっと深刻なことを子どもに教えなくてはならない。

いやそれどころではなく、
どちらかというと子どもたちに謝罪をしなければならないのかもしれない。

ゴミはお宝

面白いアプローチだと思った。

英国の廃棄物処理業者らは、埋め立て処理税の増税を求めて戦っている。焼却処分に回すゴミを十分に確保し、発電の燃料にするためだ。廃棄物処理業のビリドーと同業ビッファによれば、年間1500万トンのゴミを焼却することで2000~3500メガワットの電力と熱を産出できる可能性があり、同国の最大電力需要の5%(450万戸)相当をまかなえるという。
会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのパートナー、ロブ・ウィンチェスター氏は、「英国の廃棄物処理事業は、全体的にエネルギー重視の方向に向かおうとしている。現時点で廃棄物発電所がない、あるいは開発段階にある地域では、大規模な廃棄物発電所の需要が20基ほどある。こうした需要はきっと満たされるだろう」と述べた。
[2009.11.18付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

・・・つまり、埋め立てを減らして焼却を増やしたほうがメリットが大きい、というわけだ。
一見、逆のような錯覚も感じたけど、よく考えたらそうだね。
石炭を燃やす発電(石炭火力発電)ではなく、ゴミを燃やして発電に使う(廃棄物発電)。

風力発電所や原子力発電所を作るよりも、
廃棄物発電所のほうがワットあたりの建築コストを抑えられるらしい。
風力発電の約半分、原子力発電の3分の2。

さらに埋め立てると、メタンガスが発生してしまう、という問題もある。
メタンガスはCO2なんか比較にならないくらいの温室効果が高い。

ただ、そもそも廃棄物を焼却するのではなくリサイクルすべきだ、
という環境保護論者からの反対意見もあったりして、なかなか奥深い。
廃棄物には必ずエネルギーが含まれている、という考え方だ。

いずれにしても廃棄物を「資源」と捉えている立場は変わらない。
リデュースリユースリサイクル
循環社会の根本原則としてとても使い勝手の良いコンセプトだと改めて思った。

環境白書のペーパーレス

今日決めて明日からできる取り組み。

大阪市が毎年発行している冊子「環境白書」について、市議から「環境に優しくない」と指摘され、今年度から発行部数やページ数を3~4割削減し、CD-ROM版も初めて作製したことが(2009年11月)12日、分かった。これまでは350ページを超す分厚さで大量の紙を使用していたほか、市議1人に3部も配布していたという。
[2009.11.13付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

大阪市「環境白書」
hakusho_osaka(2008年度版)

⇒こちらは環境省の「環境白書

というか、いままでやってこなかったのがフシギ・・・。
PDFやWebでの公開を原則にして、
どうしても冊子が必要な場合もPDFのプリントアウトで充分だと思うけどなあ。

ネットやコンピューターが決してみんなが使えるツールでないことは分かるのだけれど、
「環境」を謳う白書なんだからペーパーレス化は真っ先に取り組むべきだと思います。

他の自治体はどうなんだろ。。。

「暫定」から意義ある税金へ

ガソリン税なんかよりずっと国民の理解を得られやすいはず。

小沢鋭仁環境相は(2009年11月)6日の記者会見で、地球温暖化対策税の導入時期について「国民がいいと言うなら、今の政府が(厳しい財政状況という)負の遺産を抱えていることを考えると、4月からが望ましい」と述べ、同意を得られるのであれば来年度当初からの導入を求める考えを示した。
[2009.11.06付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

・・・どうもガソリン税の暫定税率廃止と時期をずらして、
「税の振り替え」という印象を払拭するというアイデアは
あまり賛同を得られていないようだけど、個人的には賛成。

暫定税率廃止は鳩山政権が掲げる温室効果ガス25%削減の中期目標に反する、
という批判があるらしい。 しかし、どうだろう。
「暫定」であるはずの税金を何十年も遺してきたこと自体がおかしいのではないか。
さらに、廃止による急激な減収を心配する批判の声もある。もちろんその点はケアする必要がある。
それでも「暫定」という大義名分はやはりおかしい。

上記のふたつの批判に応えるのであれば、
暫定ではなく本税にするか、別の名目の税金とするのがスジであり、
鳩山内閣は後者を選んだということに過ぎない。良いアイデアではないか。
さらに目的税化することで、おかしな使われ方をする心配も(若干)減る。

天下り人事に関する「ダブルスタンダード」や首相の「故人献金」問題など、
現政権のハネムーン期間に既にニュースを賑わせている政治問題は確かにある。
だけど、それでもなお、少なくとも政権交代はあって良かった、と思う。
少なくとも、自民党には任せていた時代の
惰性という名の無為、あるいは前例踏襲という名の悪弊が、
いずれも払拭できそうなイメージがもてる。

見よ、あの鉄板の自民党集票マシンだった大企業や業界団体の方が、
今や民主党にすり寄っているのが現実ではないか。
自民党以外は政治家ではないとまで言い続けていた連中が。
自民党に添い遂げるのではなかったか。 実に情けない利権食み集団だ。

意義ある税制であれば大歓迎。
「道路族」なんてジャンル、、もう無意味なレッテルだと信じたい。
コンクリートから人へ。

省エネ計画請け負います

省エネ計画の代行:

省エネ支援サービスのイーキュービック(東京・千代田、長沼隆治社長)は(2009)年内に小売業や外食産業向けに中長期の省エネ計画の策定を代行するサービスを始める。照明・空調の運用改善によるエネルギー消費の削減量を試算し、報告書にまとめる。来春施行の改正省エネ法で省エネ計画の策定が義務づけられるチェーンストアに売り込む。初年度10~20社程度の利用を見込む。
[2009.10.08付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]

イーキュービック社
改正省エネ法の概要 (PDF/p6-7にフランチャイズについて)

・・・改正省エネルギー法では、既に規制対象である大手製造業に加え、
ひとつのグループ全体で一定以上のエネルギーを利用する事業者が、
エネルギーの管理と報告が義務づけられる。
具体的には外食やコンビニなどのチェーンストアが主な対象。

省エネ計画の策定という慣れぬ分野のプロジェクト推進を代行できる。
ニーズはあると思う。 企業はその分のリソースを他のことに振り向けられるわけだ。

イーキュービック社の着眼点は良いと思った。
ターゲットを絞り、チャンスを捉え、強みを生かしたビジネスだ。

一方で、企業側が自分で苦労しながら得るべきノウハウが
得られないところが若干気がかり。
最初は見よう見真似でも、全社が一丸となって省エネに取り組む動機づけがあれば、
次第に実績が積み上がり、ノウハウがたまる。
省エネは、「持続可能社会」(サステナビリティ社会)には欠かすことのできないもの。
企業自らがノウハウをためる必要がある。

・・・代行させてしまうことによるそのリスク。
どのように回避するのやら・・。

鹿島と海の生物多様性

意外なところでノウハウを溜めている:

鹿島は、海での生物多様性を保全するための技術を相次いで開発した。沖縄県で環境負荷の少ない網状の生分解性プラスチックを使ってサンゴを育てているほか、神奈川県では海藻の一種であるアマモをかつての繁殖地に定着させる方法を確立した。鹿島は陸上で野鳥や昆虫などを保全する手法の確立も急いでいるが、今後は海でも同様の関心が高まるとみており、技術の蓄積を急ぐ。
[2009.10.06付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]


サンゴの多様性
["Blue Linckia Starfish"/Author:Rling /cc-by-sa3.0]

鹿島、すなわち鹿島建設といえば老舗の大手ゼネコン5社の一社であり、
言うまでもなく業界トップクラスの建設会社。
お台場のフジテレビ本社も千代田区の最高裁判所も鹿島の施工だ。

一見、ゼネコンと環境保全は相反するようだけれど、
鹿島はこの分野でも業界のリーディングカンパニーを希求しており、
実践している。

2009年の「第1回 生物多様性日本アワード」(環境省等主催)では
生物多様性保全の積極的な試みが評価され、優秀賞を受賞している。

⇒鹿島のプレスリリース
⇒「第1回生物多様性日本アワード」受賞者一覧 (PDF)

・・・生分解性プラスチック、つまり微生物が分解できるプラスチックを使った
サンゴ礁の保全活動等に取り組みが上記記事。
鹿島関連のエコネタとしては、ユニークな工法を採り上げたこともありました

海の生物多様性。
これから間違いなく今まで以上に注目されると思う。

カフェのエコ競争

ランチのあとの読書の時間として、
あるいは少し半端な時間ができたときの居場所として、
いわゆる「カフェ(テリア)」をよく利用する。

なるべく自分のタンブラーを持参するようにしているけど、
持っていないときは店内用のマグカップでオーダーするようにしている。

良く利用するのはスターバックスとタリーズ。
両方ともコーヒー自体にこだわりを持っていて、おいしい。
フェアトレードにも力を入れているので、安心でもある。
原則禁煙、というスタンスがとても嬉しい。
タバコくさいカフェはどうしても敬遠してしまう。

そのスタバとタリーズが、顧客囲い込みのエコ競争。

(下)スターバックス。タンブラー持参で通常20円引きのところ、期間限定で50円引き。

(下)タリーズ。タンブラーの「お取り置き」サービス。

イイネ!
タリーズのタンブラーお取り置きなんてとても良いアイデアだと思う。
ちなみにタリーズはタンブラー持参は30円引き。

・・・これって洗ってくれるのかな。。。

サイクル・シェアリング「ポロクル」

これは期待:

どこでも借りたり、返却できたりする”乗り捨て”自由の自転車レンタル制度「コミュニティーサイクル」が日本でもお目見えした。市街地を手軽に移動でき都心への車の乗り入れを減らす効果が期待されている。環境意識や健康志向の高まりを追い風に新しい交通手段として街中を快走する。
[2009.09.30付 日経MJ/補足&強調Ekojin]

ポロクル

札幌+サイクルで、「ポロクル」だって。

札幌の街中にいくつかある駐輪場にある自転車を借りて、
返すときもどこかの駐輪場で返す。
おサイフケータイで支払うので人を配置する必要もない。
さらに、GPS付きなので盗難のリスクも少ない。

まだ実証実験中、とのことだけれど是非全国に広まって欲しい。
カーシェアリングもだんだんとインフラが整ってきて
参入する企業も増えてきているけれど、それ以上に手軽で健康的、
何より環境に良い。

必要なスペースはカーシェアリングに比べれば狭くてよいだろうけど、
地域の協力は欠かせないだろね。

値段設定は不明。
ただ、おサイフケータイと連動できるのはさりげなく良いポイントだと思う。
自分はもうおサイフケータイがないと生活できないくらいのヘビーユーザーだけど、
そこまでではない人にとっても便利だろう。

所有からシェアへ」「保有からサービスの享受へ
の流れは着実に進んでいるね。

農作物カスからバイオエタノール

コスト削減はイノベーションには欠かせない:

アサヒビールは(2009年9月)25日、稲わらや麦わらなどの農作物のかすからバイオエタノールを生産する際に必要な酵素「セルラーゼ」を、低コストで製造する技術を世界で初めて開発し、特許を取得したと発表した。
農作物かすからのバイオエタノールの製造コストを、これまでの10分の1程度に抑えることができるという。
セルラーゼは、植物繊維を糖に分解してバイオエタノールを生み出す重要な酵素だ。アサヒは、古紙に水と硫酸アンモニウムを加えてカビを植えつけることで多量のセルラーゼを作ることに成功した。1リットルのバイオエタノールを生産するのに必要なセルラーゼの製造コストは10円以下で済むという。
[2009.09.25付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

・・・セルラーゼの製造コストを下げた、、、というヒジョーーーに地味なニュース(失礼)。

バイオエタノールは最近注目されているけれど、
その原料ですらなく、製造する際の酵素。 

こういっちゃうと難しいけれど、要は細胞壁のみをピンポイントで壊す酵素。
動物は普通体内にはもっていないので、人間は木を食べることはできない。
だけどシロアリとかが腸内に飼ってる細菌たちはこれをもっており、
木造建築がガシガシ消化されてしまう。
例の黒くて平べったいGさんも持ってるよ。
食物繊維の分解にも欠かせないから、
ウシとかヒツジとかも、消化器のなかで飼ってます。

そういう酵素を大量に使って植物を分解し、バイオエタノールを作る。
逆にセルラーゼがないと作れない。
なので、農作物からのバイオエタノール製造には必須というわけ。

そのバイオエタノールは、ブラジルなんかでは自動車への利用がかなり進んでいるけれど、
食べ物と競合しちゃっていろいろな問題を生んでいる。
だけど、トウモロコシなどの穀物ではなく、
農作物を作る際にどうしても発生する麦わらや稲わらなどの残りかすが有効利用されれば、
食料の価格も安定するかもしれない。

大きなイノベーションの裏にはこういう地道な技術革新の積み重ね。

ペットボトル飲料水全面禁止の町

環境配慮には時にはドラスティックなアプローチ:

オーストラリア東部にあるシドニー近郊の町バンダヌーンは(2009年9月)26日、町内でのペットボトル入り飲料水販売を全面的に禁止する措置に踏み切った。温室効果ガス削減など環境負荷の軽減が目的で、シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)は「恐らく世界初の試み」と伝えている。

バンダヌーンの人口は約2000人。同紙によると、ペットボトルの製造や輸送で石油が消費され、使い終わったボトルがごみ問題の原因にもなるとして、7月に同町の住民の投票でペットボトル禁止を決めていた。代わりに町内の数カ所に水道水を供給する施設を開設したほか、繰り返し使える飲料水用ボトルが販売されている。
[2009.09.27付 毎日.jp/補足&強調Ekojin]


ペットボトル
[PD/Wikimedia Commons]

⇒Sydney Morning Herald紙の記事

・・・人口2000人と決して大きくはない街だけれど、
こうやって環境面で世界にパブリシティできる実績を作ったことは、
実際の効果以上に街を盛り上げているのではないか、と推察。
実際、メディアの取材依頼が殺到しているらしい。

大抵この手の「販売規制モノ」は既得権益サイドやら業界団体やらの反発によって、
頓挫するか、骨抜きになるのが相場。
バンダヌーンの場合、住民投票での賛成を経てからの措置だから、
その手の反対が起こりにくい状況だったのかもしれない。

そして、代替措置として町のあちこちに飲料用の浄水器を設置する
というから町も本気だね。

1点気になるのだけれど、禁止されているのは「水」だけ??
そうか、なるほど。
でも、「水滴、岩をも穿つ」とでも捉えておこう。

どっちやねん

昨日の続き:

小沢鋭仁環境相は(2009年9月)19日夜のNHK番組で、高速道路無料化を実施した場合の二酸化炭素(CO2)排出量に関する調査を始めたことを明らかにした。
小沢環境相は「国土交通省は無料化によってCO2排出量は減るとし、NGO(非政府組織)は増えるとしている。環境省としてできるだけ公平公正に(データを)持っておきたい」と話した。18日に同省に調査を命じたという。
無料化をめぐっては、シンクタンク「環境自治体会議環境政策研究所」(東京)が、自動車の利用が増える一方、鉄道や航空機の利用が減少し、CO2排出量は年835万トン増加すると試算。国土交通省も実施前の33%にあたる年364万トン増えると推計した。いずれも、長距離での移動を対象とし、短距離は考慮していない。
同省と国土技術政策総合研究所の別の試算では、一般道の渋滞が解消し、CO2排出量は年310万トン減るとしている。鉄道などからの振り替えは加味していない。
[2009.09.20付 毎日.jp/補足&強調Ekojin]

個人的には、高速道路が無料化することによって
一般道から振り替えられる分なんて大したこと無いのではないか、という印象がある。
こういうのは専門家にお任せするしかない。

こういう専門家でも意見が分かれているのはシロウト的にはとても厄介だ。
どちらの言葉を信じればいいのやら。

今のところ環境大臣は「中立派」で、
経済産業大臣は「CO2減少派」なわけだけど、経産相には根拠を聞きたいところ。

結局のところ、どっちなんすか。
そして、そのどっちかが分からないうちに断言しちゃうのはまずいのではないかね・・・。

エコ海運

海の輸送にエコの工夫。

商船三井は(2009年9月)10日、航行中に二酸化炭素(CO2)を排出を最大で5割削減する次世代自動車船の開発に乗りだすと発表した。新技術を複合的に採用し、大容量の太陽光パネルや蓄電池を導入する。同時に港内航行や荷役中には排ガスを排出しないゼロエミッションも実現する。海運業界は世界のCO2排出量の3%弱を占めており、世界的な環境負荷軽減の動きに対応する。
[2009.09.11付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]


[株式会社商船三井 2009.09.10プレスリリースより]

商船三井の次世代船構想には、「ISHIN」という名前が付いている。
フェリーやコンテナ船などに、
この「船舶維新」をキーワードにした戦略的な船の設計を順次行うのだそうだ。
その第一弾が、この「ISHIN-I(イシン・ワン)」と名づけられた環境負荷低減型の自動車船。

クルマ作りもそうだけど、船作りもまた、様々な業界技術の結集だ。
太陽光や蓄電池、航行モニタリングシステム、機関システムといった各分野において、
テクノロジーの粋が集結。
その成果が「CO2の50%削減」という数字なのだろう。
チリツモだね。

さらに、2014年に予定されているパナマ運河の拡張後は、
それに合わせた船舶の大型化が可能になる。
輸送効率も上がり、CO2削減効果も大きくなるというわけだ。
このあたり、船ならではの事情ってやつで、掘り下げると面白そう。

モノが作られる限り、輸送手段の問題は常に付きまとう。
こういう老舗の大会社が業界をどんどんリードしていって欲しいね。

空からエコアピール

JAL(日本航空インターナショナル)の「空のエコ」機。
高度1万メートルからのエコ。

⇒JALの環境への取り組み

この「空のエコ」機そのものが何かの環境配慮している機体、、、
というわけではないのかな?
JALの環境配慮の取り組みについてのアピールをすることがお役目ってことらしい。
2008年6月からの就航。

環境配慮の取り組み」。 具体的には、
・観測装置を取り付け機体による上空大気の定点観測
・シベリアのタイガ地域やアラスカなどで頻発する森林火災の早期発見
などに実績があるみたい。

ただでさえ燃料をガブ飲みする航空機は、なにかとエコ界からの逆風を受けやすい。
アル・ゴア氏がジェット機で世界を飛び回っていることも批判された。
(サー・)ポール・マッカートニー氏は注文した車が「空輸された」と怒っていた

そのCO2の大量排出についても、航空会社なりの責任の表明をしている。

【航空機から排出される二酸化炭素量の削減】
JALの航空機が排出する二酸化炭素量を、2010年度までに1990年対比で有効トンキロ輸送量あたり20%削減いたします。
・機材更新による燃費効率の向上。
・適正高度の選択や新着陸方式(テイラード アライバル)など、地球環境に配慮した運航の実施。
・航空機エンジン水洗いによる燃料効率の改善。
・軽量機内食器や軽量貨物コンテナーなど、航空機軽量化による燃料使用量の削減。
[日本航空インターナショナル社 2008.04.22付プレスリリースより]

経営状況や労使問題で何かと話題になるこの会社。
ナショナル・フラッグ・キャリアとしての社会的責任も負うべき立場なのは間違いない。

現実的に航空機に大きく依存する世の中だからこそ、CSRが重要。
頑張って欲しいもの。

排ガスでミドリムシ増殖

これは面白い:

動物と植物の中間的性質を持つ単細胞生物「ミドリムシ」を、多量の二酸化炭素(CO2)を含む火力発電所の排ガスを使って培養することにバイオベンチャー企業「ユーグレナ」(東京都)が成功した。同社はミドリムシからバイオ燃料を作る技術も開発中で、排ガスのCO2を減らしたうえ、代替燃料を作る新たな温暖化対策として注目されそうだ。
[2009.08.30付 毎日.jp/補足&強調Ekojin]

あの理科の時間にならったミドリムシの意外な活用法。
光合成をカラダ全体でやってます的な緑色の生き物なのに、
顕微鏡で見るとちょこまか動いていたアレだ。
単位面積あたりで見れば、その光合成能力は、熱帯雨林の数十倍とのこと。


ミドリムシ
[PD/Wikimedia Commons]

ユーグレナ社は、東大発のバイオベンチャー企業。
その名も「ユーグレナ」(euglena)とは、ミドリムシの英名だ。

このユーグレナを使って何かできないか、という企業だ。
既にミドリムシのクッキーや健康補助食品を製造したりしている。
脂質の高さから、バイオディーゼルなどにも活用されている。

で、火力発電所から出る排気ガスをミドリムシの培養槽に吹き込んだ。
CO2濃度が大気の400倍という高濃度CO2だ。
大半の生物にとっては生育できる代物じゃないが、ミドリムシは生き残った。
それどころか、豊富なCO2で光合成が促進され普段の20倍の速度で増殖したらしい。

排ガスの有効利用、光合成の促進。
さらに燃料や食品などへの二次利用。
なかなか、スグレモノのプロジェクトと見た。

割と身近な生き物というのも嬉しい。