'砂漠化' のアーカイブ

緑の長城がアフリカ横断

アフリカを横断する「万里の長城」が計画されている。

西のセネガルから東のジブチまで。
7000kmにも及ぶ距離を結ぶ大植林事業だ。
中国の「元祖」万里の長城は最近修正されて8851km(以前まで6352km)というから、
元祖に匹敵する長さの「長城」が築かれることになる。

もちろん、「蛮族」の侵入を防ぐ壁が築かれるわけではないが、
同じくらいタチの悪い「外敵」(すなわち「砂」)の侵入を防ぐ防護林だ。

以前内モンゴルに植林に行った際に目にしたものの巨大なものだろう。
その基本コンセプトも、内モンゴル同様、「砂の移動を防ぐ」というもの。

この壮大な事業はセネガル大統領のアブドゥライ・ワッド氏
プロジェクトリーダーを務めており、COP15でも報告された。

既に、周辺国の賛同は取り付けている。
貧困国にも分類される国々が、長城建設の費用負担を誓約しているのだ。

セネガルでは、1年のうち3ヶ月間集中して雨が降る時期がある。
その雨量があれば残り9ヶ月間は雨なしでも過ごせるのだが、
砂漠に覆われた無情な国土では、その雨は海に流れていってしまう。
森林はそういう水を蓄える機能がある。(林に沿って貯水池も作るらしいけど)
もちろん、生き物たちの住居であり憩いの場にもなる。

言うまでもなく、サハラの砂漠化は年を追うごとに一層深刻さを増している。
「緑の長城」の設営は、天然の風除け、天然のダム、
そして豊かな自然環境と土壌を取り戻そうとする動きだ。

当然、課題は多いし実現にはまだまだ困難な壁が待っている。
資金供与を誓約した国々は、セネガルほどにはまだ積極的ではない。
予定全長7000キロのうち、現在までに植林が済んでいるのは525キロであり、
それもすべてセネガル国内だ。

そして、これまた内モンゴル同様に、
土着種を注意深く選定する必要がある。
過酷な砂漠の環境で「壁」を構成できる力強さを備えるためには、
その土地に適した種を選ぶ必要がある。

植林は世界多くの場所で実施されている。
効果も着実にあるのだろうけど、失敗も多いと聞く。なかなか難しいのだ。
この緑の長城事業にも一部からは懐疑的な声が上がっている。

だけどね。こういう「本気」はエコを推進する大きなパワーになるよね。
続報・追報に期待!

沖ノ鳥島に星の砂

虫の力で海面侵食を防ぐ試み。これは面白い。

日本の領土として最南端の沖ノ鳥島。侵食される岩礁を守ろうと、生物の力を借りて島を復活させる実験が動き始めた。”星の砂”として知られる有孔虫やサンゴを利用する試みだ。海面上昇で水没の危機にある島しょ国を救う手段になるかもしれない。
[2009.08.23付 日本経済新聞特集「サイエンス」/強調Ekojin]


沖ノ鳥島
["Okinotorishima2"/Author:EVS-Islands /cc-by2.0]

・・・このホシズナは、有孔虫という原生生物。
直径は2ミリ程度。
星の形のようなその突起付きの石灰質の殻が特徴で、死ぬと堆積して砂になる。
死骸の堆積が砂浜を作る。
また、サンゴの環礁ができるときにも、
サンゴのスキマに入り込み充填材として大きな役割を担っている。


ホシズナ (バキュロジプシナ)
["Baculogypsina sphaerulata"/Author:NEON /cc-by-sa2.5]

このホシズナの人工増殖がうまくいけば、
それらを大量に使ってこの沈みゆく島に砂浜を甦らせることができるかもしれない。
島の形成の方法は火山によるものなどいろいろあるけれど、
こうやってサンゴなどの生物の堆積物がやがて島となるサンゴ礁の島も一般的だ。

・・・これが自然の島と呼べるのか? なかなか痛い問題ではあるけれど、
コンクリートで固めた護岸をせっせと作っている今の状態よりは、
国際社会に通用できるレベルにはなるだろう。

もちろんこの技術はツバルなどの島国にも応用できる。
うまくいくと良いと思う。

エチゼンクラゲのえくらちゃん

成りをひそめていた静かな海の猛者が、またぞろ出てきた。

 水産庁は(2009年7月)2日、長崎県対馬市で6月30日、深刻な漁業被害をもたらす大型クラゲ「エチゼンクラゲ」が定置網に混入したと発表した。東シナ海で実施した調査でも大群を確認。同庁は「3年ぶりに大発生する可能性がある」と警戒を強め、クラゲの混入を防ぐための漁具の改良に助成金を出すなどして被害を最小限に食い止める考えだ。
[2009.07.02付 毎日.jp/補足&強調Ekojin]

・・・ここ3年ばかり減っていたらしいけれど、どうやら今年は見逃してくれないようだ。
クラゲなのに体長2メートルにもなるのがこの大クラゲ。
泳いでて、こんなのが近づいてきたら心底恐ろしいだろうな、って思う。

⇒「エチゼンクラゲ」の画像検索結果

・・・このエチゼンクラゲをなんとか有効活用できないか、っていって、
関係者が知恵を絞っている。
その驚異的な保湿性を生かした土壌への応用による砂漠化対策については、
以前紹介した

やっぱり、食べちゃおう。

っていう話はいくつかあります。
最近の「ゆるかわ」ブームなのか、エチゼンクラゲの「えくらちゃん」とういキャラもいる。
⇒「越前本舗

・・・おいしいのかな。
コリコリしてそうなイメージがある・・・w
食べてみたい!

エコなプロモーション

企業のプロモーション用にオリジナルデザインのカードを配り、
そこに印字されているIDを使って
無料で着メロ・着うた・デコメをダウンロードさせる「メロプレDXオリジナル」。

その、「エコ」バージョンがこちら。

企業はプロモーション用に配布用オリジナルカードを作る。
100枚配るごとにバリ島・バトゥール山麓の荒廃地に1本植林される。
火山噴火跡地のこの場所は、溶岩石に覆われてしまって荒れてしまっている。
ここにユーカリなどの地元種を植林して、涵養機能を回復させる
植林を請け負うのは、NPO「アジア植林友好協会」だ。
植林証明書が発行されて、企業に贈られる。


大きな地図で見る

(下)裏はこう。

このカード自体も、サトウキビの残渣である「バガス」を使っている。

・・・企業が工夫を凝らしてエコの取り組みをアピールするご時世、
この取り組みのように、エコとプロモーションを組み合わせた手法も、実に多様だ。
リアルとバーチャル、企業とNPO、様々な組み合わせのビジネスが、
今後もいろいろ出てくるんだろうなあ。

グリムス6本並べてみます

今までより半月くらいかかったようだけど、
無事6本目のグリムスさんがオトナになってくれました。


左から、1本目~6本目。 

今回はサッカーボール(?)型。
いろいなな形があるなあ。全部で何種類あるんだろう。

個人的にはオレンジなどの別の色の樹が嬉しいのだけど、
これまでのところは全部緑色。 何か別の条件が必要なのかな。

そして実際に植樹される場所も順調に決まりつつある。

他の方のグリムス見ていると、どうやら7本目を育てるときから、
「名札」部分が少し変化するみたい。 楽しみだ。

エコ関連のブログパーツは、
面白そうなのを見つけてはちょくちょく変えたりしているのだけれど、
gremzは最初からずっと貼っているなあ。
アイデアが面白いもんなあ。

ガラスで土を育てる技術

タコとリシャット構造で有名なモーリタニア。
国土の90%以上がサハラの巨大な砂漠に属する。


モーリタニアの砂漠風景
["Mauritanie - Adrar2"/Author:Manu25 /cc-by-sa2.5]

この砂漠でトマトを育てる実験を行っているのが、「鳥取再資源化研究所」と鳥取大学のチーム。
なんと、ガラス瓶のリサイクル技術を応用して、土壌改良剤を作ったのだという。
土壌改良剤の名前は「ポーラスアルファ」と名づけられた。
既に国内での実験では効果が出ており、野菜栽培実験では収量が3倍になった。

改良材は水を効率よく閉じこめるうえ、劣化しにくく、環境への影響もほとんどないのが特長。世界の乾燥地での活用が期待され、同センターは今月(2008年11月)から、アフリカ北西部のモーリタニアでトマトの栽培実験に入る。
改良材は、廃ガラスを約1000度で熱して発泡させ、特殊な固化剤で粒子状にした。粒子の微細な穴が水分を吸い込んで固まり、砂地で保水層として働く。
[2008.11.04付 読売新聞関西版(Web版)/補足&強調Ekojin]

しかも、塩分が高い土壌では水だけを吸収して塩を分離する性質もあるらしいので、
塩が強すぎて栽培に向かない土壌などへの応用も期待される。

・・・すごいなあ。
ガラスが土壌になるなら、多くの工業製品への応用が期待できるのではないか。
地デジへの切り替えのときには、大量のブラウン管の廃棄が予想される。

こういう新しい環境技術が生まれてくるのはいつでもワクワクする。
工業社会と持続型社会は両立する、、、と思うな。

5本目グリムス! サハラ植林

5本目グリムスさんが成長しました。

今回は大小の年輪を合わせたような形。
本当の樹にはありえない形だけど、グリムス的には地味なほうかも。

おなじみ、成長記録とキーワードたちも載せておきます。

1本目2本目は、ブルキナファソへの植林が完了している。
協力NGOのひとつ、「緑のサヘル」によるもの。

自分のブログで育てた苗木が、遠くサハラの地に植えられた。
そう考えて嬉しくも不思議な気分にさせてくれるあたり、
gremzがバランスの取れた良いプロジェクトであることの証左。

・・・植えられる樹の形も、グリムスと同じだったら面白いのに。

っていたずら半分に思いついたけどすぐに思い直した。
内モンゴルの植林活動の際、
生態系を乱さない土着種を植えることの重要性を学んだんだった。
いかんいかん。

実際には、ユーカリやミモザ・ピグラが植えられたみたいです。

・・・スペシャルブログパーツはまだかな。

エコプロダクツ2008 (4) ~新素材で砂漠緑化

<<PREV [エコプロダクツ2008 (3) ~ネコの使い捨てトイレ]

意外なところで意外なエコプロダクツ。
東レのブースにて:

エコディア サンドソーセージ(砂漠緑化資材)
気候変動や過放牧などの人的要因により、世界的に砂漠化が進行しています。東レは砂漠の拡大を防ぐために、中国内蒙古自治区で、砂漠の緑化と砂の飛散防止の実験を現地の大学、研究機関と共同で進めています。
サンドソーセージ工法は、中国の伝統的緑化工法である「草方格」をモデルとし、植物由来の「エコディア」(ポリ乳酸繊維)のチューブに砂漠の砂を充填し、格子状に敷設する事で砂の移動を止め、飛来した草の種子を根付かせ草地化(緑化)させるものです。サンドソーセージは将来的に微生物によってCO2と水に分解されます[傍線Ekojin]

なんと、以前に訪れた内モンゴルでの緑化活動で実際に作った草方格」を
こんなところで発見。

Ekojinが内モンゴルで実際に体験したときは「ワラ」を使って草方格を作った。
東レのこの資材(”エコディア”)は、非石油由来の素材を使った繊維素材であり、
微生物による分解が可能だ。
ワラを埋めていく作業は、確かにそれなりに時間と労力が必要だけど、
この素材を置くだけの作業であれば、ずいぶんとラクになるかも。

砂漠緑化の分野も、
伝統の良さを活かしつつ技術の粋を詰めこんだプロダクツ
と言えるものが出てきた。

NEXT>> [エコプロダクツ2008 (5) ~生まれ変わって再び光る]

科学がたどる道筋としては、王道と言えるのではないだろうか。
大きな東レのブースの中では、比較的地味な感じで展示されていたけれど、
個人的にはちょっと嬉しくなったよ。

無自覚な緑化活動への警鐘

長らく砂漠緑化の現場にいた人にしか到達し得ない「現場感覚」というものだろう。

「私たちも最初は、木を植えれば砂漠化が止められると思って中国に行きましたが、そんな単純なことではなかった。北京の実例からしても、近年の降水量は劇的に減り、緑化によって雨が増えることはない。むしろ、木を植えて森林をつくることは、水収支ではマイナスになることの方が多いようです」(NPO法人「緑の地球ネットワーク」事務局長・高見邦雄氏)
[2008.07.15付 ビッグイシュー日本版 99号/強調Ekojin]

なるほど・・・、「水収支」。
それは新しい視点だ。
「CO2収支」の方に注意が行きがちだけど、
砂漠化ということは水の問題でもあるわけだから、非常に的を得た視点だと思う。

高見氏は、中国の黄河高原で17年以上も植林を続けてきた方。
そのベテラン中のベテランが、単純に木を植えるだけの砂漠緑化に警鐘を鳴らす。

砂漠を森林にすることで水の蒸散量が増えるのは確か。
だけど、地球は自転しており、蒸散して雲になった水は東の方で雨を降らす。
もともと砂漠になるくらい水が少ない土地から水をくみ上げて、東に移動させる、
というだけになりはしないか。
何も考えずに砂漠への植林を行うということは、
かえって地域の水格差を拡大させることもある。

「水の必要量が少ない樹種の選択や、現地に合った適切な技術導入こそが重要だった」(高見氏)
[2008.07.15付 ビッグイシュー日本版 99号/強調Ekojin]

例えば・・・
植樹では3種類の松に潅木を混ぜるという「混植」を行う。
また、その松の活着率を高めるために菌根菌を使った育苗を導入する。。。

要するに、植林ひとつとっても、無邪気に無自覚に行うのではなく、
しっかり考えて行うことが重要、ということだ。

イノセントなボランティアの無邪気さが、本当に苦しむ人の苦しみを増長させることもある。

適地適作と適切な技術
肝に銘じないと。

中国の環境問題

北京オリンピックが佳境を迎えている。

選手たちの美しい汗と栄光と涙の裏で、
こういう場だからこそ世界に晒されている暗部も多い。

そのほとんどが、かの国の共産党一党独裁の弊害と言えるものばかり。
例の口パクやCG花火もそうだけど、もっと重い問題としては、
人権問題、報道規制、貧困問題、根強い中華思想などがキーワードになってくる。

フー・チンタオ(胡錦濤)主席と「記念撮影」させるために、
ブッシュ米大統領や日本の福田首相を含めた各国首脳を一列に順番待ちさせる、
という露骨な「朝貢外交」の演出も、正直言って不快感しか持てない。

・・・そしてもうひとつの中国の暗部といえば、環境問題。

Beijing_Pollution
ある日の北京の大気
["World's most polluted city"/Author:Princess Pie! /cc-by-nc-nd2.0]

河川や湖の6割が深刻な汚染にさらされ、
土壌が重金属にまみれた地域が何の対策もされずに放置され、
「光化学スモッグを霧と呼ぶらしい」
などと欧米のメディアに揶揄されるほど深刻な都市部の大気汚染

細かい原因はさまざまだろうが、主因は明らかだ。
つまり、経済発展に伴う急激な開発に環境対策が追いついていないこと
日本が高度成長期に各地で起こした深刻な公害問題と全く同じ構図だ。
企業(あるいは国家)が、
経済的な果実を得るために取り返しのつかない被害を垂れ流しているという点でも、
肝心の地元の人たちに環境教育が行き届いていないという点においても。

大きく違う点は、中国は情報統制国家ということだ。
簡単に言うと、中国共産党に都合の悪いことは、国民の耳には入らない仕組みになっている。
インターネットはそもそも普及率自体が低いけれど、もちろん情報統制の網はかかっている。
検索エンジン対策(いわば”逆SEO“)はバッチリだ。

だから、水俣病などのように、原因企業や、ましてや国が被害者から告発される、
などということは基本的にあり得ない。
仮にそういうことがあっても握りつぶされるか、却下される。
万が一法廷で争う、などという奇跡が起こったとしても、ほぼ100%国が勝訴する。
(そしてもちろん報道されない)

一党独裁国家、ということは基本的にそういうことだ。
毒ギョーザの対応に驚いても仕方ない。
オリンピックという国家威信の絶好のアピールの場で、
地球上の5分の1の人々を擁する前近代国家が
残る5分の4の人々に見せつけたのは、そういう体制の明らかな矛盾の数々だ。
非政治的な祭典の場なので非常に残念なことだけど!

声を上げなくてはいけない。
奇病で苦しむ汚染地域の人々の為に。
水が足りない農村部の人々の為に。

そして、黄砂や汚染クラゲが国境を越えて被害をもたらす「周辺国」の人々の為に。

gremzすくすく

サイドバーで育てている「gremz(グリムス)」。
2本目の苗木がオトナになりました。

2nd-gremz 1st-gremz
2本目 1本目

※1本目のときの報告はコチラ

登録のブログの数も順調に増えているみたいで、いろんなところで良く見るようになった。
どうも今回の樹のカタチはちょっとかわっているらしく、
ももきゅうさんで取り上げてもらいました

gremzがオトナになると、gremzが提携しているNGOなどを通じて
実際の植林を行われるわけだけど、その提携先NGOのひとつが、
先日参加した「内モンゴル植林ツアー」を主催するFoE Japan

・・・つまり、
ブログパーツ育てて実際に植林するところまで自分でやっちゃいました。図らずもw

FoE Japanのスタッフの方に聞いたら、
このgremz運営チームって普通のサラリーマンの方々が片手間でやりくりしてるみたい。
それがこういう面白くて気持ちの良いエコアクションを企画して運営されている、
という話を聞くと自分もがんばんなきゃいかんね、って思うな。
ガンバレー。

内モンゴル砂漠緑化隊 (15) ~その他エコもろもろ

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (14) ~他の「砂漠化」]

さて、内モンゴルレポートの最終回は、
植林とは別に、現地で見つけたエコ的なものを簡単に紹介していきます。

(下)森林を大事に、という政府広報。 「森林是人類生存之本」。 そのとおり。
その他1
 
(下)大青溝のゴミ箱。一番右は電池用回収ボックス。 観光地ならでは。
その他2
 
(下)他の札に比べて1元札の消耗が激しい。日本はお札の「物持ち」があまり良くない。
その他3
 
(下)ゴミが散乱。。。 埋めたのがハゲたのか、ただ単にみんなが捨てたのか。。
その他4
 
(下)同じ銘柄でビンの色が違う。リターナブル瓶だ。ラベルも取れかけ。これはいいね。
その他5
 

・・・中国政府は、国際環境会議の場では「発展途上国」の立場を利用して
「先進国」に課せられるべき義務を回避しようとしているなど、
何かと発展優先のエゴイスト国家の側面ばかりが強調されるけれど、
こういう市井のレベルでの環境活動は、他とそれほど変わらない。

今回の内モンゴルへの緑化活動の旅では、
多くの「気づき」を得ることができたけど、
エコに限らず政治や格差などの実態の「匙加減」に
触れることができたのが最大の「収穫」だった。
・・・やっぱり肌で感じないとつかめないことがあるっていう、
当たり前のこと。

機会があればこの地にまた来たいし、
その他の活動についても、できるだけ現場に「近づいて」みたいと思う。

・・・
さて、全15回の長きにわたってだらだらと続けてきた
今回の内モンゴルの緑化活動のレポートを、以上でいったん終わりたいと思います。

引き続き、よろしく!!

その他6

内モンゴル砂漠緑化隊 (14) ~他の「砂漠化」

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (13) ~NGOのノウハウ]

ところで砂漠化は、あたりまえだけど内モンゴルだけの問題ではない。

地球温暖化はもとより、大規模な灌漑によっても、湖は干上がる。

LakeChad
中央アフリカのチャド湖(1973年-2001年) ※NASA撮影
[PD/Wikimedia Commons]

Nouakchott
国土の砂漠化に直面するモーリタニアの首都ヌアクショット
[PD/Wikimedia Commons]

中央アジアのアラル海については、以前紹介済み。

AralSea
水が干上がって船が打ち捨てられたアラル海
[PD/Wikimedia Commons]

砂漠化は、気候的な要因と人為的な要因に大別される。
現在、地球上の陸地の約1/4(36億ヘクタール)が砂漠化の影響を受けている。
これは、日本の面積の約95倍に相当する。

さらに悪いことに、この砂漠が毎年6万平方キロメートルほど増えている。
これは、九州と四国をあわせたくらいの面積だ。

こんなカウンターがあった。
⇒「砂漠化リアルタイムカウンター

こういう現実を目の当たりにして、何かできることはないだろうかと考える。

これなんか結構面白い:

日本海などで深刻な漁業被害をもたらしているエチゼンクラゲを、砂漠の緑化に役立てようと、愛媛大(松山市)と伊予市の食品製造会社が共同研究を進めている。保水性が高く栄養分が豊富なクラゲを乾燥し、肥料にする技術で、大型のエチゼンクラゲを使えば、大量に安価な肥料が調達できるというアイデア。同社は肥料化技術の特許を出願しており、漁業関係者は「海の厄介者が砂漠の救世主になる日が来るかも」と期待している。
[2006.12.12付 読売新聞(Web版)/強調Ekojin]

日本海で大量発生して(原因はこれまた人為的な環境破壊だったりする)、
日本海の漁業に甚大な被害を与えているこの巨大クラゲが、
砂漠化を食い止めるかもしれないという。
体の99%以上が水と塩分で、残り1%が窒素、リン酸、コラーゲンなどの栄養分。
分子が大きいので、大量の水を吸収できる特徴がある。
これを肥料にして土に混ぜる、という試みだ。

これは期待できるプロジェクトだ。
是非成功してほしいと思う。

・・・というように、砂漠化の進行はあまりにも早くて破壊的なので、
打つ手がないようにも思うけれど、ここが人間の知恵の出しどころだと思う。
逆転の発想でもパラダイムシフトでもなんでもいいけれど、
エゴとエコなんて、点々だけの差しかないわけで。
ちょっとした意識の改革でよいのだと思うよ。

世界に目を向け、自分以外の存在にも思いを馳せる
・・・何より重要なことだと思います。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (15) ~その他エコもろもろ]

内モンゴル砂漠緑化隊 (13) ~NGOのノウハウ

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (12) ~大青溝自然保護区]

 
FoE Japan」の緑化活動は、
今回で18次を数える。
⇒FoE Japanの緑化活動
FoE
FoE Japan ロゴ

当然ノウハウもたまっており、活動方法、植種、タイミングなどの方法論が確立されつつある。
目に見える実績があがっていることで現地からの信頼も得ており、
緑化活動は、基本的に現地の行政側からの要請に基づいて計画を立てるとのこと。

内モンゴルの砂漠化は、既に1960年ころから急速に広がっており、
日本を含む各国のNGO等の団体がさまざまな活動をしてきた。

こういう活動は、政治や外交とは別の力学で動く。
といっても、ビジネスの進め方とも全然違う。
「損得」が行動のガイドラインにならない分、
政治や経済活動でカバーできない広い分野の公益活動を担うことができる。
こういうきめ細かさがNGOならではの特長と言えるのだろう。

日本の環境系のNGOのうち、「砂漠化(の防止)」をキーワードにしている数は
100を超える。
日本での活動はないわけだから、ほとんどは国外での活動がメインだと予想できる。

こういうのって好きだ。
市場至上主義」とか「グローバリズム」がだんだん価値観として見直されつつあるなか、
ますますNGOの役割は大きくなっていくのだと思う。
・・・というよりそうなってほしい。
ヒトはあくまで社会的な動物であってマーケット的な動物ではない。

大企業が乱立する社会よりも、NGOの活動がお互いに支え合う姿のほうが、
あるべき姿のような気がする。

今後もさまざまな活動を通して、こうした考えを自分なりに煮詰めていきたいと思う。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (14) ~他の「砂漠化」]

内モンゴル砂漠緑化隊 (12) ~大青溝自然保護区

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (11) ~砂漠宿舎]

内モンゴル自治区の東部から遼寧省にかけて、
全長20kmにも達する原生林の自然保護区がある。
それが「大青溝」(ダイセイコウ)。

地域一帯が砂漠であることを考えると、
この原生林の出現は唐突な印象を受ける。

(下)「原始森林景区」。
daisei1

(下)ほほう。フォースA。なんか仰々しい。「国家級」、つまり国を挙げて守ってる、ってことだ。
daisei2

(下)「名前の由来」。昔の女帝関連の小話が色々。でも結局は名前がなくてこう名づけた、って話。
daisei6

(下)「溝」の名のとおり、巨大な溝がある。そこに降りていく階段。
daisei7

(下)靄がかかって、ある種幻想的。 まわりは砂漠なんだけどね。。。
daisei4
daisei5

(下)この手の説明看板がここかしこにある。緑化でたくさん植えた、「ショウジマツ(樟子松)」。
daisei3

(下)そして、こういう注意喚起の看板も。英語が怪しいのはご愛嬌ww。”greer”??
daisei8
daisei10
daisei14
daisei16

(下)これなんか、漢字と読みが韻を踏んでて良い感じ。(発音はわからないけれど)
daisei17

(下)う~ん、キレイだ。。。
daisei9
daisei19
daisei20
daisei13

(下)これは、ガーダーメイリン(Gadameilin)の小路。
daisei11

ガーダーは、内モンゴルの英雄で、
漢族の領主が決定した農地開墾に反対する武装蜂起をした人物。(※メイリンは官職名)
1929年のことであり、漢族の領主が開墾して売ろうした相手は、
当時の満州にいた日本の陸軍、つまり関東軍だ。
ガーダーは、日本の間接的な侵略に立ち上がった英雄、ということだ。
脱獄後、この小路を使って逃げたが、1931年に中国軍に捕まって戦死。
・・・まさかこんな形で関東軍が登場するは思ってもいなかった。 唸った。

 
(下)年を経り、カタツムリが絡まったような複雑な様相になったカエデの根。「蝸角楓」。
daisei12

(下)遊歩道の途中にこんなものが。どうやら願い事を書いて結び付けておくらしい。短冊だね。
daisei15

(下)その名も「五兄弟」の樹。「蒙」「漢」「満」「回」「朝鮮」の5民族の結束を表すもの。
daisei18

・・・自然公園ひとつにしても、そのアピールの仕方は特色があって面白い。
自然林ではなく原生林であるこの大青溝。
ホルチン砂漠の過去の植生の参考になる、ということで、
この地の植林に携わるチームは研究をしている、とのこと。

確かに、砂漠の中でもこういうところが維持できる、
となれば、砂漠緑化の将来像としてはあながち夢物語でもないのだと思う。

注意したいのは、
この地が「国家的なフォースA」でもって強力に守られている、という事実。

いかに砂漠化が人為的なものか、ということを改めて思い知らされる。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (13) ~NGOのノウハウ]

内モンゴル砂漠緑化隊 (11) ~砂漠宿舎

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (10) ~インフラの整備]

ところで砂漠緑化活動を行う拠点となった宿舎について紹介。

ダチンノール村が属するウルスン(額勒順)鎮にある、通称「砂漠宿舎」。
※「鎮」は、自治区の行政区分のひとつで、日本で言えば「町」くらいに相当。

(下)こういう宿舎。レンガの建物は「定住」の証。
砂漠宿舎

(下)これは、水洗ならぬ「砂洗+青空」トイレ。砂をかけるだけ。結構クセになる(?)
砂漠宿舎2

(下)モンゴル民族特有の移動用の家(ゲル)を模した建物。中国式にパオ(包)と呼ぶようだ。
砂漠宿舎3

(下)宿舎の外には農場が広がっている。朝早くから農作業をする住民の姿もあった。
砂漠宿舎4

(下)水はこの井戸で汲む。「呼び水」のそもそもの意味を改めて認識。
砂漠宿舎6

(下)洗面場。冷たい井戸水で顔を洗うとスカッとする。
砂漠宿舎7

(下)夕陽。趣がある構図だ。
砂漠宿舎5
砂漠宿舎8

・・・この砂漠宿舎は、FoEが所有しているわけではなく、
もともとは、NPO法人「沙漠植林ボランティア協会」が
1994年から行っているホルチン緑化の活動拠点の場所。

同協会は、中国残留孤児の一人である烏雲(ウユン)さんが
「育ちの故郷」である内モンゴルに対する恩返しと言って現地に残って
教育・社会活動に従事していることに共鳴し、この地での緑化活動を始めるに至った。

同協会が活動の重点をより西の中央アジアやモンゴル国にシフトするなか、
FoE Japanは、そういう経緯で始まったホルチン緑化の灯火を消すまいと、
同協会のノウハウとインフラを受け継ぎ、これまで計18次にわたる緑化隊が必ず一度は
活動拠点とする場所として、この砂漠宿舎(正式には「烏雲農場」)を
ベースに活動を続けている。

・・・そう、こういうことなのだ。
見ようとしなければ見えない利他の活動があり意志がある
NGOやNPOの精神はまさにここにあると思う。
経済的な成功が人生の成功ではない、と強く思う根拠がここにある。

溜め込まれた資本がこういう活動なり精神に自動的に流れていかない今の世の中の仕組み、
やっぱり違和感を感じるな。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (12) ~大青溝自然保護区]

内モンゴル砂漠緑化隊 (10) ~インフラの整備

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (9) ~砂漠から土壌へ]

今回の旅で改めて認識したことのひとつは、インフラの重要性

インフラストラクチャー」(infrastructure: 社会資本)とは言うまでもなく、
病院、道路、上下水道、電気、ガス、ゴミ処理施設などの公共的な施設。
infra- (下の、下部の)のstructure(構造)、の名のとおり、
社会の基盤をなす諸設備を言い、国家が何より優先して考えるべき公共物だ。

(下)代表的なインフラである鉄道駅と道路。 この瀋陽駅は、東京駅を模したものだという。
インフラ9

(下)高速道路の料金所。
インフラ10

 
中国政府が北京オリンピックを、経済発展が約束されている市場として、
一人前の国家として、国際社会にアピールする絶好の機会にしたいということは自明だ。
上海や広州などの大都市を中心に、インフラ整備はものすごい勢いで進んでいるという。

・・・だけど、よく指摘されることだけれど、
儒教に基づく中国の共産主義には、万人平等という考え方はない
ましてや近代的な民主主義なんてものは絶無。
少数のエリートが庶民を治めるという基本構造は、科挙の昔も今も変わらない中国のDNAだ。
そもそもよく誤解されるけど、
中国の13億人の人口のうち共産党員は8000万人弱(2006年)で、6%にも満たない。
(※それでも世界一の党員数の政党なんだけどね)
つまり、ほとんどの中国人は、共産主義者ではない
にもかかわらず、「共産党が国を治める」と憲法前文に書いてある国、それが中国だ。

だから、地方のインフラ整備が整わないのも、貧富の差が拡大するのも、
当然の帰結と言える。
中国では、宗教の自由は最もあり得ない概念であり、報道の自由は皆無で、
それらの台頭は絶対に容認されず徹底的に弾圧される。
貧民が団結する術は残念ながらあまりない、と言える。

(下)手作りのTVアンテナ。情報統制された番組を楽しむのだろう。
インフラ11

・・・緑化活動の場はエリートの住まう大都市ではなく地方である為、
そういったことがわずかながら実感できた。
中国の貧富の差は本物だ
毎年2ケタのGDP成長率を誇るこの国の隠れた弱者の声は、あまりにも小さい。

 
(下)砂漠宿舎から砂漠への移動は、こういうジープ。
インフラ2

(下)あって無きがごとし、道路。
インフラ3
インフラ7

(下)ぎりぎり舗装されている道路。振動はハンパじゃない。
インフラ4
インフラ5

(下)ホテルは強風の為停電中。 シャワーは「お湯のみ」、という変わった仕様。
インフラ6

(下)トイレ。水が出ない、「水洗」。
インフラ8

(下)飲料水は、ミネラルウォーター。水道の水なんて飲めるわけがない。
インフラ1

・・・華やかな経済成長の裏に隠れた暗部。
いくら隠しても蓋をしても情報統制しても、漏れるものは漏れる。
この国のほころびを予感する

千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を以って潰え、
百尺(ひゃくせき)の室も突隙(とつげき)の烟(けむり)をもって焚(や)かる

(千丈もある長大な堤防でも、ケラやアリが空ける小さな穴から崩れることもあり、
 百尺の高さの家屋も、煙突の隙間まら漏れる煙がもとで焼けることもある)
[「韓非子・喩老篇」(中国戦国時代)より]

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (11) ~砂漠宿舎]

内モンゴル砂漠緑化隊 (9) ~砂漠から土壌へ

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (8) ~ポット苗づくり]

どじょう(‥ジャウ)【土壌】
陸地の最上層を構成する部分。岩石が砕けて細粒となったものに、地球表面の生物遺体またはその分解物などが混じったもの。つち。
[国語大辞典 /小学館 1988]

(下)砂漠っていうくらいだから、そりゃ砂だ。
土壌1

砂漠は土に戻るだろうか。
もちろん戻る。

植林の結果、植生が戻り、林や森になる。
葉が落ちて、微生物が分解し、土が肥える。
しっかり根を張った植物のもとで、土壌の層ができ、土壌生物が復活する。

(下)キノコ。いい形だ。
土壌2
土壌3

土壌生物たちは、生物の死骸などを使って、土を耕す。
そうして、スポンジのように水が染み込みやすくなり、養分が蓄えられる。
そして、それがまた植物を育てる。
大自然の壮大なリサイクル技術だ。

よく言われることだけれど、元々自然界にゴミなど存在しない
でもそれでも当初は、「ゴミ」とは人間が作り出した抽象的な概念だったはず。
単に「人間に不要なモノ」をあらわす言葉だったに違いない。

なのに人間は、産業廃棄物や放射性物質や非自然の化学物質など、
自然界では分解できない本当のゴミ(=自然にとって不要なモノ)をも
作り出してしまった。

土壌4

・・・それだけでも罪深いのに、
追い討ちをかけるように人為的な環境破壊を進めてしまっているのが今の人間だ。
自然にとって本当のゴミはむしろ、、、とすら思ってしまう。

自然から大きなしっぺ返しを食らう前に、
せめて自然の循環メカニズムが戻せるところは戻しておかないと。

緑化の最大の意義でありミッションだと思う。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (10) ~インフラの整備]

内モンゴル砂漠緑化隊 (8) ~ポット苗づくり

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (7) ~草方格づくり]

緑化隊は一度に何百本もの「苗」を植える。
それを実現するため、あらかじめ「苗木」の状態でスタンバイさせておく必要がある。

そういう苗木として緑化活動で一般的な「ポット苗」を、みんなで作った。
園芸屋でよく見る下に穴が開いた黒いポットと同じ。

(下)ポット苗のニレ(楡)
ポット13

  
(下)今回使うのは、サジー(沙棘)。
ポット3

(下)ビニールで代用したポットに土を入れていく。
ポット4
ポット8

(下)刺さってるペットボトルは、実はスコップの代用。リユースだね。
ポット2
 
(下)ブスッブスッ、っと穴を刺す。
ポット5
ポット6

(下)それをバケツに浸す。浸すというか漬ける、というか。
ポット7
ポット10
 
(下)水はたっぷりと。乾いてしまわぬように。でも根腐れさせないように。
ポット9
 
(下)そんで、それを地中に埋めておく。
ポット11

(下)最後に水をかけておく。出番を待つ。
ポット12

・・・こういうことのひとつひとつが緑化を支えているのだなあ。
改めて、緑化「活動」という意味を実感。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (9) ~砂漠から土壌へ]

内モンゴル砂漠緑化隊 (7) ~草方格づくり

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (6) ~言語の壁]

砂漠緑化を達成するためには、「砂の固定」が欠かせない。
「砂(または砂丘)の固定」というのは、風による砂の流出を防ぎ地形を固定させることで、
安定した植生を根付かせようとする試み。

飛んできた種が根を張れるように、
根を張った苗がしっかりと地面をつかめるようにすること。
一旦植物が根付いてしまえば、それ以上の砂の流出は起こりにくくなる。

緑化にあたっては、苗木を植樹することそのもののほかに、
こういう「砂の流出を止める」為の手法がいくつかある。
「防風林」や「草方格(そうほうかく)」が代表的。

この草方格(または草方格沙障)というのは、
ワラやイネなどを格子状に埋めて砂の移動を防ぐ手法。

・・・今回の緑化隊では、この草方格づくりを体験することができた。
家畜用の柵がしっかりと固定するように、柵の周りに草方格を施す。

(下)まずは作り方のレクチャー。スコップを柵に見立てて。
草方格1
草方格2

(下)実際に柵のまわりにラインを引いていく。
草方格3

(下)そうこうしてるうちにワラが届きましたよ。馬が運んでくるのがどこか牧歌的。
草方格4
草方格5

(下)さっき引いたラインに沿って、スコップを使ってワラを埋めていく。
草方格6
草方格7

(下)だんだん作られていく草方格。 なかなか壮観だ。
草方格8

(下)最後にポプラを植えておく。これでひとまず完成。
草方格9

(下)別の場所で。草方格が根付いて、地形が固定化されている例。
草方格10
草方格11

・・・草の代わりに粘土を使うこともあるみたいで、その場合は「粘土方格」と言うそうな。

この草方格は、砂漠化した土地の緑化の手段としては伝統的なやりかた。
かつ効果が高いらしい。
そもそも水脈はあるので、砂の移動さえ止まれば植生が戻る可能性が高い。

・・・全然知らなかったので、感心してしまった。
シンプルだけど効果的、って緑化に限らず大事な考え方。
(オッカムのカミソリだっけ?)

FoE Japanによれば、「ワラ」を使うことひとつにしても、
過去の試行錯誤からたどり着いたものなのだという。

草方格、好きだな
おばあちゃんの知恵袋のような趣きを感じる。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (8) ~ポット苗づくり]

内モンゴル砂漠緑化隊 (6) ~言語の壁

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (5) ~トップダウンの重要性]

地元の人たちとの交流、緑化のメリットの周知・定着、
という重要なミッションがある以上、
コミュニケーション手段としての「言葉」は重要なファクターになる。

言葉6
モンゴル文字で表記した「内モンゴル自治区」
[PD/Wikimedia Commons]

・・・内モンゴル自治区で使われている言語は、モンゴル語と北京語。
モンゴル語というのは馴染みのない言語だけど、
モンゴル国のほかこの内モンゴル自治区でも公用語となっている。
話者は合わせて約570万人(2006)で、中堅どころの言語、と言えるだろう。

(下)街の看板も北京語とモンゴル文字の併記。
言葉2
言葉4

・・・このモンゴル文字というのは、モンゴル国ですら既に使われていない文字
モンゴル国は同じモンゴル語だけど、
社会主義国だった影響もあって1941年からキリル文字が公用文字となっている。
なので、このモンゴル文字は、中国の内モンゴル地方でしか見られない文字となってしまった。

(下)英語も入れて3ヶ国語表記。ごちゃごちゃしてるw
言葉3
言葉5

・・・現地の小学生との共同作業では、最初はボディランゲージがメイン。
だけど、意外にも英語でのコミュニケーションがそこそこできることが分かり、嬉しかった。

(下)ペアを組んだ「アーチン」少年 (・・・そう聴こえた)
言葉7

(下)屈託がないなあ。
言葉8
※上記2枚「肖像権クリア」してないねー、と野暮なこと思ったりしたけど見切り発車。

英語は小学校3年生から習っているみたいで、
英語早期学習推進派の自分としては(※)我が意を得たり。
ただし、他の参加者の中には、ペアを組んだ小学生は英語通じなかった、
と言っている人もいたので、アーチン君、そこそこ優秀と見た! やるね!w
(※簡単に言えば「母国語を学ぶためにこそ外国語が必要」という理由)

・・・この言葉の壁は、緑化活動の目的のなかに「教育・啓蒙」というファクターがある以上、
絶対に避けて通れず、克服しなければいけないことだと思う。。
たまに耳にする「コミュニケーションに言語の制約は関係ない。伝えようとする気持ちがあれば。
というフレーズは、現実には、ものすごく限られた場合にしか通用しない絵空事だと思う。
(例えば、「隣町のディスカウントショップに電車を3本乗り継いで、
 グアテマラ産のコーヒー豆とガラスの曇り止めと老酒2本を買ってきて。
 お釣りでゲームセンター寄ってきてもいいよ。でも5時までには帰ってきてね。あ、オレオもよろしく」
 っていう日常会話を共通言語無しにスムーズに伝えられるだろうか)

言葉を学ぶことは文化や歴史を学ぶことだ、という。
Ekojinは、大学ではある語学を専門にしていたこともあり、そのことは良く理解できる。
文化や歴史の理解がないままにある国の言葉を学ぶことはできない。

・・・だけど、逆も成り立つのではないか、とも思う。つまり、
文化や歴史を学ぶことは言葉を学ぶことだ、ということ。

この地で緑化活動を進めるのであれば、モンゴル語か北京語の知識は必須だと思う。

・・・今回唯一覚えたモンゴル語は、「オス」。 、という意味。

オス・フルグルレイ! (水をかけてください!)
言葉6

せめてもうちょっとがんばろっと!

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (7) ~草方格づくり]

内モンゴル砂漠緑化隊 (5) ~トップダウンの重要性

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (4) ~地元民とのギャップ]

言うまでもないけれど、中国はバカでかい

人口は公の数字でも13億人(実際はもっとはるかに多いんだって。ひえー)。
面積は日本の25.7倍。
GDPは3兆2508億ドルで米日独に次ぐ第4位(2007年,IMF発表)。
92%を占める漢民族のほかに、中央政府に識別されているものだけでも55の民族が居住。
モンゴル族もその一つだ。

・・・内モンゴル(内蒙古)自治区は中国北方にあって、
中国に5つ存在する自治区のひとつ。
自治区の人口区分では15%(約600万人)のモンゴル族が居住するが、
これは、国家としてのお隣モンゴル国の約280万人より多い。
つまり内モンゴルは、世界で最もモンゴル族が住む地区、ということになる。

これだけ巨大だと、政治や行政の統治機構もすごい。

PRC_governance
中国の統治機構
[(財)自治体国際化協会「中国の地方行財政制度」より]

・・・日本が、国⇒県⇒市・・・ と立法+行政組織が降りていくシンプルな構図であるのに対して、
中国は、立法側と行政側が独自に階層をなし、
さらに軍や共産党の組織も加わる非常に複雑な統治機構だ。

地方自治レベルの区分でみるとこうなる(下):


行政区 基本 人口集中地区 上位自治体の直轄 定住民族 非定住民族
省級 直轄市 特別行政区 自治区 内蒙古自治区
地級 副省級市
地区 地級市 省都 自治州 盟、市
県級 県級市 市轄区 自治県 旗、県、区
郷級 県轄区、街道 民族郷 鎮、郷、ソム
村級 行政村

一番左の「行政区」の省級|県級|郷級|村級が、日本でいうところの、|||に相当。

・・・緑化隊が今回訪れた場所は、内モンゴル(蒙古)自治区の通遼(ツウリョウ|トンリャオ)市。
その中でも、庫倫(クリン|フレー)旗 と 科爾沁(ホルチン)左翼後旗 にある各村を訪れた。

(下)通遼市の位置。

top2
黄色いところが、内モンゴル自治区での通遼市の位置。
["Location of Tongliao Prefecture within Inner Mongolia (China)" / Author:Croquant / cc-by3.0]

 
(下)上記ふたつの旗の位置。
top1
右下の「沈阳市」は「瀋陽市」の簡体字。 「通遼市」もある。
同じく、緑ラインを引いたふたつの旗が、それぞれ「庫倫旗」と「科爾沁左翼後旗」。

・・・で、何が言いたいのかというと、
これだけの巨大組織に入り込んで何かを動かすのは大変だ、ということ。

だって、緑化ってやろうとしていることは素晴らしいんだけど、
彼らだって彼らなりのやり方があり主権がある、ってことだ。
隣の家で草むしりをするようなもの。(・・・逆だけど)

当然、緑化をやるからには許可をとっている。
では誰にとっているかというと、上のような政府組織のお役人だ。

現地で継続した活動を進めているFoE Japanの成田さんによれば、
今回は地元の「鎮」長の協力を得られたことが大きいと言う。

鎮長は、自分が管轄にしている土地が砂漠化していく現状を憂い、
緑化のノウハウがあるFoE Japanに声をかけたのだそうだ。
それからの資金面や緑化手法や活動協力等々についての諸々の交渉を経て、
今回の緑化活動につながっている。

やはり、こういうのはトップダウンだ。
地元民の協力が得たいと思っていても、
こういう統治機構の国だからこそ、上の理解と協力がなければ何も動かない。

さらに党組織との関係もあってややこしい。
行政側のトップに加え、共産党組織の重鎮とも話をつける必要がある。

郷に入っては郷に従え
という諺の「郷」とは、もともと地方行政組織の名前としての「」。

・・・その地ではどんなやりかたが最も有効なアプローチか。
なんであれ計画の実践には欠かせない要素だと思う。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (6) ~言語の壁]

内モンゴル砂漠緑化隊 (4) ~地元民とのギャップ

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (3) ~緑化の効果]

NGOのようにノウハウをもった団体が内モンゴルに限らず外国で、
別の言い方をすれば「人の家で」緑化活動を行うにあたって必ず考えなければいけないのが、
地元民との意識合わせだ。

FoE Japanの緑化隊は、早期からこの重要性を認識し、
緑化活動は、原則として、地元民との共同作業で行っている。
住民主体の自発的な活動が、緑化の普及・定着につながると考えている。

今回緑化隊が訪れた砂漠はホルチン砂漠(沙地)
そのなかで何箇所かを回り、それぞれ地元の村民との協力で活動を行った。

共同作業を行った村は以下のとおり:
ダチンノール村 /庫倫(クリン|フレー)旗
南ガラタシ村 /科爾沁(ホルチン)左翼後旗 ※略して科左後旗(カサコウき)
ウリゴンボトグ村 /同上
西ハイスカイ村 /同上

いずれも内モンゴル自治区の「通遼(ツウリョウ|トンリャオ)市」に属する。

(下)ダチンノール村の小学生たち
地元1

(下)共同作業にあたって、植樹の方法を教える。
地元2
地元3

(下)共同作業開始!
地元4

(下)南ガラタシ村の皆様。 ※このときは砂嵐がヒドくて、ビニールに包んで撮影してます。
地元6
地元12
地元7
地元8
地元10

(下)作業を終えて引き揚げる緑化隊+南ガラタシ村民。
地元11

 
(下)ウリゴンボトグ村の皆様との共同作業。 ※同上
地元5

 
・・・実はこの緑化活動において、緑化隊と地元民の間には、あるギャップが存在している。
それは、「緑化の目的」に関わることだ。

緑化隊は、というより国際環境NGOとしては当然、
砂漠化を食い止め、荒廃した土地を回復させ、地球温暖化を防ぐ
ということが活動の目的だ。
地球温暖化がもたらすグローバルな影響を考えれば、当たり前といえば当たり前。

でも、地元民は必ずしもそれだけではない。
樹木を育て、木材を売り、経済的利益を得る
早い話が、「林業」。 これも重要な目的なのだ。

・・・このギャップは言い換えれば、「グローバルとローカル」のズレ、とも言える。
地球温暖化問題は彼らにとっては、あまりにも遠い
それよりも、生活に直結する利益の確保が優先される。

もちろん、遊牧民族であった彼らが林業を志向することがもともとあったわけでも、
共産党国家での「私有権」、という一見矛盾した意識がもともと彼らにあったわけでもない。

戦後の漢民族による「定住化政策」の推進、
そして近年の”政治は社会主義、経済は中国独自の(そして現時点では成功している)市場主義
という、「政経分離」政策がもたらした「権利の目覚め」だ。

・・・FoE Japanの成田さんによれば、
できればニレやマツやヤマアンズなど多様な植生を植えて欲しいし、
植えるにしても、ちゃんと防風林をつくって、その内部に畑を作って、
という形で着実に緑化を進めたいのだが、地元民はどうしても、
すぐに立派な成木になるポプラを植えたがる、とのこと。

地元9
ポプラの樹

・・・このギャップはそうそう埋まりそうにない。
植樹の場所、方法、種類等々において、地元民との交渉ではいつも苦労する、
という成田さんの弁。

Think globally, act locally.
がいかに一筋縄ではいかないか、という好例ではあるが、
成田さんはこうも言う:
たとえ目的が経済林であっても、いったん生えればそうは簡単に砂漠に戻らない

・・・とても印象的。
そうなのだ。
目的において、あるいは手法において多少のギャップがあっても、
結果的に効果が得られる方向性であれば、まずはそれで進めよう、ということ。

彼らの権利意識を尊重しつつ、
グローバルな視点でより効果的な近道を探しながら折り合いを付けていく

というアプローチ。

これも、現地で緑化活動に参加して得られたことの一つです。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (5) ~トップダウンの重要性]

内モンゴル砂漠緑化隊 (3) ~緑化の効果

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (2) ~植樹の手法]

もともと草原だったホルチン砂漠(沙地)。

戦後に成立した新体制の漢民族の共産党国家は、
爆発する人口増に対応するため、内モンゴルを含む「辺境」の土地への移住・定住を進めた。
もともとモンゴル民族は遊牧民族なんだけど、
漢民族の大量移入によって、生活スタイルが大きく変わってしまった。

土地の再生能力を超えた開墾・放牧が行われた結果、、、、
あとは予想通り、、、というか。
植生が破壊され、砂の流動がおこり、砂漠化してしまった。

・・・結果論だけど、はっきりと強く、「愚かな所業だった」と言える一連のプロセス。
何も考えてなかったってことだ。
ホモ・サピエンス(知恵ある人)なのに。

だけど希望がなくなってしまったわけではない。

(下)緑化活動によって植生が復活しつつある砂漠
効果6
効果7

・・・いったん一面の砂丘になってしまったことを考えると、見事な復活っぷり!

 
(下)植林の効果は着実に現れている。数年前に植えたポプラやニレの樹が育っている。
効果8
効果9

 
(下)これは、緑化隊の1次隊(2001年)のものだという。7~8年でポプラはここまで生長する。
効果1

(下)そのポプラの樹々には、カササギの巣が! 動物たちも戻ってきた。
効果11
 
 
・・・こういう植林をしないままで放置するとどうなるのか。

(下)緑化隊の活動地域と、未着手区間の差。柵で囲われている。
効果4
効果5
・・・上の写真は右側、下の写真は奥側がそれぞれ未着手の区画。 差は歴然としている。

村民の希望で、家畜の放牧地として今のところあえて残している、ということだけど、
草が本当になくなってしまったら放牧の意味もないような。。。

 
(下)道に沿って植樹するのは、防風林としての役目。
効果10
効果12

(下)その防風林がないと、こうなってしまう恐れが。
効果13
・・・砂漠の力、意外と侮れない。 このときは、スコップ使って「砂かき」をするハメに。

 
(下)随分と生長した「ポプラ並木」。 気持ちの良い景色だ。
効果3

 
(下)こういう植林活動が決してムダにはならないことを信じて。
効果2
・・・いつかここが濃い緑の松林になるように。

ちゃんとした効果があると信じられれば、
活動のモチベーションもそれは上がるというもの。

緑化活動では、
こういう目に見える効果のこともちゃんと訴えていかなければいけないね。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (4) ~地元民とのギャップ]

内モンゴル砂漠緑化隊 (2) ~植樹の手法

<<PREV [内モンゴル砂漠緑化隊 (1) ~砂漠化ということ]

一口に植樹、と言ってもただ掘って苗を植える、というわけではないようだ。
苗木と苗木の間隔や植えるべき種や場所などにきめ細かい配慮が必要だ。

以下、植樹の方法を解説。

※写真は、それぞれ同一の場所で撮ったものではないことがあります。

ショウジマツ(樟子松) ※別名モンゴルマツ
(下)これが、「ポット苗」。
植樹10
植樹1

(下)直径1メートルくらいの円形に草を刈り乾いた砂を削る。
植樹2

(下)苗が埋まる深さに掘り、苗を置き袋を外す。このとき、マツは枝葉が地面上に出るように。
植樹3
植樹4

(下)穴の下1/3、根土周りに砂を戻し、根土周りにバケツの水を入れる。
植樹9
植樹5

(下)水が吸い込まれるのを待って、砂を戻し、まわりを踏み固める。
植樹6
植樹7

(下)大きく育て、と祈る。 (・・・ともらったマニュアルに書いてあったw)
植樹8

(下)ちなみに、水はこういう砂漠に設置された水汲み場から。井戸を掘れば水脈があるのだ。
植樹11

ニレ(楡)
(下)ニレも基本手順は同じ。マツと比べて深く掘る。ほとんど埋まってる状態でも大丈夫。
植樹12
植樹13
植樹14
植樹15
ニレは、風砂を受ける丘の中腹あたりがベストポジション、とのこと。

サジー(沙棘) ※別名シーベリー
(下)砂漠に強いグミ科の果物。
植樹16
植樹17
植樹18

Hippophae rhamnoides
(参考)成長したサジーと果実。
[GFDL ver.1.2/Svdmolen, 2005]

上記以外にもポプラやヤマアンズなどの種を植えることが多いようだ。
大事なことは、「土着の種」を「多様性のバランス」を考えて植えること。
植樹の結果生態系を乱しては本末転倒だ。
緑ならなんでも良いわけではない。

また、植樹前の実際の下準備として、
・放牧家畜が入り込まないように柵で囲う
・低地を選んで井戸を掘る

という作業がある。

・・・上記の一連のことが、いわば植樹の「ノウハウ」だ。
そのノウハウを伝え、定着させること。

そういうことが、植樹を考える上で重要なポイントと言えると思う。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (3) ~緑化の効果]

内モンゴル砂漠緑化隊 (1) ~砂漠化ということ

今年(2008年)のゴールデンウィーク前半の4月27日(日)~5月1日(木)の期間、
国際環境NGO「FoEジャパン」主催の「内モンゴル砂漠緑化ツアー」に参加した。

緑化ツアー
南ガラタシ村近くの砂漠で緑化作業を行う18次隊

FoEジャパンが2001年から年2~3回のペースで主催しているこのツアー。
今回は「第18次隊」。

大変有意義な活動でした。
もちろん当ブログで詳細に報告します。

・・・だけど、初回は背景の説明から。

砂漠化」について。
「砂漠化(desertification)」の定義は何度か変わってきているが、現在は以下のとおり:

land degradation in arid, semi-arid and dry sub-humid areas resulting from various factors, including climatic variations and human activities
= 乾燥地域、半乾燥地域及び乾燥半湿潤地域における種々の要素(気候の変動及び人間活動を含む)に起因する土地の劣化
[1994.06.17付締結 国連砂漠化対処条約 第1条より /強調Ekojin]

・・・つまり、原因はともかく広く土地の劣化を指して砂漠化、という。

砂漠化
ダチンノール村近くの砂漠化された地域(ホルチン沙地「第2期地区」)

現在、砂漠化の影響を受けている土地は、約36億ヘクタールで、
これはなんと地球の全陸地の4分の1に相当する。
影響を受けている人口でいえば、約9億人でこれは地球全人口の6分の1だ。

砂漠化の原因は、大きく分けて2つ。

まずは、自然現象としての気候変動
地球が何千年という大きなスパンで乾燥期と湿潤期を繰り返す過程で、
長期にわたって少ない降雨量が続いた結果、蒸発量との臨界点を超えると、
植物の生育が難しくなって砂漠化する。
サハラ砂漠も5000年ほど前までは雨の豊富な地域だった。

2つ目の理由は、やっぱりというか、人為的な理由だ。
1. 熱帯雨林の過剰伐採
2. 過放牧
3. 過剰な焼畑農業

などが現代の砂漠化を加速させている大きな要因だ。
簡単に言うと、
後先考えずに目先の利益を追ってしまった人類の愚かなツケ、ということ。

日本には砂漠と呼べる地域はない
鳥取砂丘は、砂漠のような様相だけど、普通に雨が降る地域であり、
砂丘ではあるが決して砂漠ではない。

・・・今回緑化隊が訪れたのは、「日本に一番近い砂漠」といえる、ホルチン砂漠

ホルチン沙地
中国北部の砂漠の位置。ホルチン砂漠(沙地)は右側。

この地域は、かつては砂漠ではなかった
確実に人為的な理由で砂漠化が進んでいる地域のひとつ。

だけど逆に言えば、手遅れになる前に手を施せる地域、とも言える。
砂漠の緑化、ということはそういうことだ。
人間の過ちを人間の手で快復しようとする試み。

・・・この緑化、といういわば地球への贖罪の行為に参加できた意義は大きい。
現場で見たことや感じたことを報告したいと思う。

NEXT>> [内モンゴル砂漠緑化隊 (2) ~植樹の手法]

エサまで日本産

農林水産省は、コンビニエンスストアなどから廃棄される食品の残りかすを家畜飼料に加工した「エコフィード」の普及に向け、新たな認証制度を4月にも設ける。コンビニなどが構築している回収、加工のネットワークが成功しており、農水省の策定した基準を満たしていることが認証の条件。エコフィードの認知度を高め、全国約170のエコフィード加工業者が畜産農家に販売しやすくするのが狙い。
[2008.01.27付 MSN産経ニュース/強調Ekojin]

Livestock
養豚場。
["Livestock_By Danna"/Author:podchef /cc-by-nc-sa2.0]

・・・なるほど。
コンビニの残飯などを家畜のエサとして再加工することを、元々「エコフィード」という。
今回農水省は、その認証制度を作ろう、ってことだ。
認証基準、認証機関、認証マークなどを決めて、「エコフィード認証制度」を作ろう、というわけ。

いいじゃんいいじゃん。賛成。
こういうのは、理念は良いのだ。
このあと、官民の妙な癒着が始まらなければ、ね。
「天下りの温床」とかだけは勘弁して欲しい。頼むぜい。

・・・既にセブンイレブンは加工業者「アグリガイアシステム社」と提携して、
東京23区内の約1000店から排出される弁当や総菜を1日15トン分の飼料に加工し、
畜産農家に販売している。

飼料化
[アグリガイアシステム社Webサイト /「飼料化センターのしくみ」より]

その他、ローソンやミニストップなども、廃棄物処理業者との提携を始めている。
また、コンビニだけではなく、デパートなども独自の取り組みを始めている。

今回の農水省の認証制度は、それらに弾みをつけてエコフィードを普及させるとともに、
飼料の「自給率」の向上にも繋げたい考えだ。
いまは、飼料になる穀物は、ほとんどが輸入に頼っているのに、
トウモロコシの価格は、どんどん騰がっている。

・・・「家畜にも地産地消」ってわけだ。
どうせなら、エサまで日本産でブランド力が高まるかもしれないし。

エコフィード、盛り上がって欲しい。

横綱の大地の危機

朝青龍がついついハメを外してサッカーをしてしまった故郷の大地が、
いま危機に瀕している。

(下)モンゴル国。

Mongolia
[PD/Wikimedia Commons]

地球温暖化が進む中、モンゴルの永久凍土の厚さが7年間で1-2メートルも減少していたことが、国立環境研究所と慶応大の共同研究で24日、明らかになった。20年後には観測地付近の永久凍土は完全に消失すると予測され、このままでは土地の乾燥化が進んで草原がなくなり、住民の遊牧活動に大きな影響を与える懸念があるという。今後、さらに詳しい調査が必要になりそうだ。
[2007.11.24付 共同通信]

高原と遊牧の国モンゴルは、かなり寒い国。
冬にはセ氏マイナス30度になることもあるらしい。
(そのかわり夏はセ氏40度になることもあるというから、寒暖の差がハンパじゃない!)

首都ウランバートルは、「世界で最も寒い首都」のひとつだそうだ。

その寒い国の大地の内部は、
夏の地中の温度がセ氏0度以上にならず、水が氷になったまま残っている、
いわゆる「永久凍土」となっているところが、国土の3分の2を占めているとのこと。
国全体で、「床冷房」してるようなもんでしょうか。

永久凍土は草原に水分を補給する役割がある。
その永久凍土がなくなれば、砂漠化の危険が。

過去60年間でのウランバートルの平均気温上昇は、セ氏2.3度。
冬に限れば、セ氏3.4度の上昇。

地球温暖化の影響は顕著。
こうやって、寒冷地方までが砂漠になる危険をはらんでいく。

日本の環境省もモンゴル政府と協力し、この問題の打開策に乗り出した模様。
遅すぎなければいいけど。。