'代替エネルギー' のアーカイブ

生ごみのバイオガス化の課題

一般家庭から出される生ゴミは年間約1000万トン。 その生ゴミを微生物に分解させてメタンガスを生み出しエネルギー源とする、いわゆる「バイオガス」。 以前やっていた「ダンボールコンポスト」と原理は同じで、目的が堆肥づくりではなくガスづくり。

それがなかなか思うように普及しない。 普及しない原因はさまざまだけど、主なものは2つ:

  1. ガス分解の効率があまりよくない
  2. ゴミ回収のときのゴミ袋が邪魔

理念の段階ではなく、実践の段階になると、いろいろと想定外の細かい問題が出てくるのはよくあること(だからコンサル会社が存在してる)。 この実践的な課題についても業界一丸で取り組んでいるけれど、今般、「大阪ガス」がひとつのヒントに行き着いたみたい。

生ごみを微生物が分解すると、メタンガスが発生する。この工程を「メタン発酵」と呼ぶが、従来の方法だと、肉や野菜繊維などは分解しきれず、生ごみの約3割が残りかすになっていた。微生物は温度を高くすると活動が活発になるが、高すぎると死んでしまう。55度程度が限界とも言われるが、約10年前からメタン発酵の効率向上に取り組む同社エネルギー事業部の坪田潤さん(44)らは「より高温で活動する微生物を探せば、効率が上がるのでは」と考えた。
[2010.03.29付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

全国の温泉を巡り、高温でも生きられる6種類の微生物を見つけた。この6種類を抽出して溶解槽の温度を80度に挙げると、生ゴミは1日でどろどろに溶け、バイオガスへの発行量は2割増え、残滓(残りかす)は半分に減った

さらにゴミ袋問題については、トウモロコシ原料の「ポリ乳酸」のものが良さそう、という結論になった。上記の高温溶解槽で1日で完全に液状化した。すなわちゴミ袋は取り除くのではなく、これもバイオガスの燃料にする。

バイオガス化施設は全国に8ヵ所。合計で約5万2000トンを処理している。
上記のアイデアを実現する為には、溶解槽を高温対応のものに変え、ゴミ袋もトウモロコシ袋に変える必要がある。 どちらも地方自治体の協力あってのもの。 ゴミ焼却施設の更新を迎える自治体にこの溶解槽とゴミ袋を売り込んでいくのだという。仮に生ゴミのすべてがバイオガスになればそれだけで日本の都市ガスの数%分をまかなえる。

これは短期的な施策というより中長期的な取り組みだろう。 自治体がゴミ袋を売るわけじゃないからセールス先が違うのでは? という気がしないでもないけれど、生ゴミの再利用はリサイクル社会のシンボル。普及が早まればよい、と思う。

海岸線沿いの風車たち

意外にも国内初:

国内で初めて港湾の外に建設された洋上風力発電施設「ウインド・パワーかみす」(茨城県神栖市)の運用が始まった。
出力2000キロ・ワットの風車が7基、海岸線から約50メートルの海上に約2キロにわたって設置されている。施設を管理する「ウィンド・パワー・いばらき」によると、7基で約7000世帯の電力をまかなえるという。
[2010.03.26付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

日本はヨーロッパなどに比べ風力発電があまり進んでいない。  毎年やってくる台風に備えて頑丈に作ろうとするとコストが上がる。大量の風車を設置する広い場所が少ない、、、などの理由が挙げられている。 風そのものは「悪くない」らしい。 風は吹くが桶屋が儲かっていない。

洋上の風力発電のメリットは、陸上に比べて安定的な風が得られることのほかに、建築に係る環境への影響が少ないことも挙げられる。また、ビュンビュン唸るブレードの騒音問題も少ないだろう。また、景観や電波障害などへの懸念も少ない。 この茨城のケースは、「初の港湾外洋上風力発電施設」。

平地は少ないが海は豊富にある。 風車が日本の海岸線に沿って大量に設置された近未来、海洋国家というよりは「風の谷」と称されるようになる、、、 それも悪くない。

エネルギー自給率の新しい指標

国のエネルギーの形を改めて見直して次世代に引き継ぐ為の重要なプロセス:

経済産業省は(2010年3月)24日、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の骨子案を公表した。2030年までに海外の資源権益を含めたエネルギー自給率を現在のほぼ2倍にあたる7割に高めるとともに、家庭や運輸など「くらし部門」の二酸化炭素(CO2)の排出を半減することなどを明記。原子力発電所は20年までに8基増設し、稼働率を85%に引き上げる目標を盛り込んだ。
同日開いた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本計画委員会に提示した。直嶋正行経産相は冒頭、「日本の中長期の針路を定める重要な計画だ」と述べた。経産省は5月ごろの取りまとめを目指し、政府が6月にまとめる新成長戦略に反映させる。
[2010.03.24付 日本経済新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

現状の日本のエネルギーの実態の現状認識を行ったうえで課題を抽出。その上で「エネルギーの安全保障」を重要課題と位置づける。 エネルギーの安全保障、すなわち資源の少ない日本にとって「何かあったときに」海外にエネルギーを依存している現状はマズい。そのことを軍事的な言い方になぞらえて「安全保障」と呼んでいる。資源の生産地からその資源を最終的に消費する国民ひとりひとりに至るエネルギーフローの各過程で、安定的なエネルギーが確保されることを目指す。 フローの途中に安定性に懸念があるようなら、それをリスクと見なし、対策を練る。

具体的には以下の5つ:

  1. 自給率の向上(国産・準国産エネルギー・自主開発資源の拡大)
  2. 省エネルギー
  3. エネルギー源多様化/供給源の多様化
  4. サプライチェーンの維持・強化
  5. 緊急時対応力の確保

・・・このうち、自給率がクローズアップされている。
現在、日本のエネルギー自給率は18%ほど。これは諸外国に比べて著しく低い。


[2010.03.24付 経済産業省/資源エネルギー庁 「エネルギー基本計画」見直し骨子(案)より]

提言では、この「自給率」の考え方について、従来のエネルギー自給率(国産+原子力)に加え、自主開発資源も勘案する指標を使うべき、としている。 自主開発資源とは、政府や企業が海外で持つ資源権益のこと。

これを含めた場合、日本のエネルギー自給率は、38%となる。 この数字の目標を「70%」にセットしてはどうか、という案だ。期限は2030年まで。あと20年弱。

・・・天然資源は、どうひっくり返してもないものはない。 ここに悲観せずに、グローバル企業が血眼になって海外で獲得競争をしている資源も含めた「日本の総リソース」も指標化しようということだ。 そしてそこに数値目標を設定する。
70%の妥当性、2030年の妥当性、というものは検証しなければならないけど、こういう課題設定とそれに対する独創的なソリューションは、とても良いと思う。官民上げて、目標を達成しよう。

圧縮空気でエネルギーを貯める

風力発電や太陽光発電につきまとう「自然の気まぐれ」の影響をなるべく最小限にして、安定した発電効率を得るための工夫がある。その一つが、「圧縮空気エネルギー貯蔵」(Comressed Air Energy Storage:CAES)。

Southwest Solar Tech Demo from Russell Perry on Vimeo.

原理としては、エアコンと同じ。 空気を圧縮したときに発生する熱を外気に逃がした上で圧縮を解くと温度が下がる、、、という原理を利用したのがエアコンだけど、それをエネルギー貯蔵に応用する。

機密性・耐圧性の点で優れた地下の貯蔵スペースに、圧縮した空気を溜めておく。勿論、圧縮そのものに使うエネルギーは、夜間や休日などのオフピークの電力を利用する。 圧縮するときに熱が発生するけど、その熱は放熱される。 そうやって放熱後の圧縮空気を少しずつ取り出すと、温度が下がって空気は膨張する。 そのエネルギーでタービンを回して発電に使うのだ。

一時的に地下に貯蔵しておいた圧縮空気を解き放ち、安定したエネルギーを得る工夫。 自然とうまく付き合う為には、この手のアイデアが必須なんだろうな。 ヒトは今まであまりにもそういうことを無視しすぎてきたので、いい機会なのかも。

ミドリムシクッキーにミドリムシ佃煮

和名:ミドリムシ  学名:ユーグレナ

この学名を社名に据えたベンチャー企業については以前紹介した。 このミドリムシ産業、だんだん注目されてきている。 ミドリムシが世界の食糧問題に一石を投じるかも。

日本科学未来館(東京都江東区青海2丁目)(2010年3月)で22日まで開かれている「“おいしく、食べる”の科学展」で、東京大学発のベンチャー企業がお土産用に開発した菓子「ミドリムシクッキー」が人気だ。地域振興も視野に入れ、石垣島に培養装置をつくって大量生産しているクッキーで、1枚に2億匹のミドリムシが入っている。味もさることながら、「健康と環境にいい未来の食品」として注目されているようだ。
「ミドリムシクッキー」は、ベンチャー企業「ユーグレナ」(文京区)と日本科学未来館が共同開発。昨年(2009年)11月から同館で5枚入りの箱(450円)を販売している。1日平均約120箱と、同館の定番「宇宙食」を上回る売れ筋商品だという。
[2010.03.21付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

動物・植物両方の性質を持ち、栄養価の高いユーグレナ。 試験管のなかで10ミリリットル分、約5000万匹の量だったユーグレナを攪拌し光合成を促進する。 驚異的なスピードで培養が進み、1ヵ月後にはなんと14万リットルの量に増える。 これは700兆匹、というまさに天文学的な数字。 これを乾燥させて、クッキーやら佃煮やらサプリメントにする、、、。 

地球上のヒトの数がいくら増えたって言ってもたかだか100億弱。 それを考えるとこの地球がいかに彼ら微生物が支配する星かということがわかる。 そりゃそうだ、彼ら微生物は個々の動物の体内にすら無数に存在する。 共生、という言葉が実にしっくりくる関係値だ。体内レベルでも、惑星レベルでも

このミドリムシフーズたち。確かに有望だ。食料として、あるいは燃料して、研究が進む。 世界の食糧問題を解決できる段階ではないけれど、生物学・化学から社会学・政治学まであらゆる学術範囲の知見が求められる分野がこの「」の問題。 製品化のところでは「ものづくり」や「応用力」「発想力」といったビジネススキルも求められるだろう。 産学協力して知恵を絞る良いチャンス。ベンチャーの出番。

宇宙帆船イカロス、金星へ

光を浴びて宇宙を航海する船。

太陽の光を帆に受けて、光の圧力でヨットのように航行する世界初の宇宙帆船「IKAROS(イカロス)」の機体が完成した。宇宙航空研究開発機構が(2010年)5月18日に打ち上げるH2Aロケットで、金星探査機「あかつき」とともに金星の方向へ向かう。
[2010.03.13付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

14メートル四方の正方形の帆帆の厚さは髪の毛の10分の1。 ピンポン玉をぶつけても突き破ってしまいそうなそんな薄っぺらい帆で宇宙空間を航海するのだから驚く。 その極薄の帆に太陽光を受けると、0.5グラムの重りをぶら下げたのと同じ圧力を得られる。 つまり1円玉よりも軽いってことか。 慣性よ恐るべし。

ネーミングがいいよね。イカロスって。 世界初の宇宙帆船にふさわしいJAXAのセンスだけど、ギリシャからチクリとされないのかな(まあそれどころじゃないかあの国は)。 ロシアの宇宙船に「桃太郎」って名づけるようなものでしょ。

で、そのイカロスは太陽ならぬ金星へ。 宇宙帆船の性能を確かめるために、まずは「近場」にいくってことみたい。将来的には帆を大きくして、木星を目指すらしい。 太平洋横断を目指すイカダがまずは東京湾横断をやってみるみたいなものかなw
響きだけ聞くと優雅だよね。燦燦と太陽を浴びて一路ヴィーナスの星へ

素朴な疑問なんだが、四角帆はスピードは出るが向かい風には使えず、三角帆はスピードは遅いが向かい風にも対抗して進める、って何かの本で読んだことがあるけれど、この宇宙の帆船ではどうなんだろう。同じ原理が通用するのかな・・・。

(下)これはNASAの光圧帆船のニュース。仕組みなどがわかりやすい。
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隠れた滝

教科書最大手の東京書籍の関連会社リーブルテック社(旧東京書籍印刷)。

年間3300万冊の教科書を印刷する工場では、印刷時に発生する摩擦熱を落とすため、大量の冷却水を常に循環させている。その量、1分間に2800リットル。 この水の流れが持つ大きな可能性に、これまで誰も気づかなかった。

水は地下の水槽からポンプで12メートル引き上げられ、熱を奪うと、再び12メートル下の水槽に落ちる。冷却水の流れが持つエネルギーに着目したのが日立産機システム。「これだけの落差と、水量があれば、十分に水力発電が可能」とする同社の提案に、工場内に隠れていた滝の姿が浮かんだ。
[2010.03.04付 日経産業新聞「水の世紀」/補足&強調Ekojin]

原理的には、落ちてくる水の流れの途中に水車を設置するだけ。それで発電機を回す。非常に原始的と言えるエネルギー源であり、位置エネルギーの転換であり、物理用語でいうところの「ポテンシャル」だ。こんなシンプルなものはあまりない。
ただ、当然というか、この水車のエネルギーだけでは費用回収に時間がかかってしまうけれど、日立産機は汲み上げるポンプの効率改善も合わせたソリューションを提案し、回収期間の大幅な短縮に成功した。 地味な合わせ技だが、差別化のできた良い提案だと思う。

リーブルテックに限らず、それなりの規模の工場内では、主に冷却の目的で大量の水を恒常的に循環させていることが多い。伝統的に当たり前のように存在していた水だけれど、実はこれが隠れた滝になる、という気づきはなかなか面白い。潜在的な需要は高そうだ。
勿論コストとのトレードオフ。 国もこの「小さな水力」には注目しており、2008年4月に新エネルギー施行令が改正され、出力1000ワット以下の「小水力」が新エネルギーとして認定された。 補助金の対象になった。

そういう視点で見ると、意外と使われていない水の流れってあるような気がする。 この滝の活用はビジネスにもなるし、エコにもなる。

(下)こんな感じ?

電気も水も同時に作る総合商社の強み

UAE(アラブ首長国連邦)東部フジャイラの海岸地帯に今年(2010年)8月、汲めども尽きぬ泉が湧き出す。丸紅がアブダビ水電力庁や英インターナショナル・パワー(IP)などと2007年から組んで建設するのは、出力200万キロワットの天然ガス火力発電所の余熱で海水を蒸発させ、日量59万トンの淡水を生み出す造水発電プラントだ。
[2010.03.02付 日経産業新聞「水の世紀」/補足&強調Ekojin]

・・・今後20年間、現地に電力と淡水を供給する巨大プロジェクト。事業費は28億ドルに上るというからすごい。

⇒丸紅のプレスリリース (2007.08.02付)

成長著しい中東諸国で、発電インフラの整備が進む。発電所建設と併設して海水淡水化プラントを作る。 電力を作る際に水を作る、というわけだ。 火力発電の蒸気タービンの排熱を利用して海水を熱して蒸気、そして淡水を生成する。 水を作る際に電力を作る、と言い換えても良いのかもしれない。 電力も淡水も、どちらもエネルギーの需要があるところには欠かせない。

プラント建設にかかる莫大なお金は、アブダビ水電力庁への売電収入で回収する。20-30年の回収期間を見込んでいる。 この、大型プラント設備にかかる資金や部材の調達、長期の回収ノウハウなどは、長年海外で発電事業を営んできた丸紅の強さであり、淡水化技術なども加えた総合的な日本勢の競争力を形成している。 日本の総合商社ならでは事業シナジーと言えると思う。

同様の計画が中東でいくつか進行中。 丸紅の中東・北アフリカ戦略にもそのことが謳われている。

実に日本らしい、というか。イイネ。

ENEX 2010 (5) ~光のリサイクル

<<PREV [ENEX 2010 (4) ~駅の案内サインを手がける会社]

引き続き「駅で見かけるモノ」シリーズ。
コドモエナジー(株)のブース:

これは、「蓄光」の応用製品。
明るいときに光と溜めて、暗くなると自ら発光するのが蓄光。
捨てていた光エネルギーのリサイクルなので発光に電気が不要

同社の製品は床設置用の加工、
具体的には耐熱、耐水、耐薬品、耐衝撃、耐磨耗が強化されている。
半永久的に蓄光・発光のサイクルが可能らしい。
多くの人が行き交う駅の誘導標識に最適なのがうなずける。

元々は有田焼の技術を使っているらしい。
磁器に蓄光の技術を埋め込んで完成したユニークなエコプロダクツだ。

・・・光のリサイクル、という発想は素晴らしいね。
有田焼の伝統技術と言われてもシロウト的にはピンとこないけれど、
新旧技術の融合はなんであれ、楽しい。

建物の壁面がこういう蓄光素材で作られたら、
その夜の「無電源」イルミネーションはちょっと幻想的かもしれない。

帰りの国際展示場駅にて:

モノの来歴を知ると視点が変わるね。

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ENEX 2010 (2) ~ブリヂストンの電子ペーパー

<<PREV [ENEX 2010 (1) ~丸の内のエコ結び]

ちょっと嬉しかったエコプロダクツ:

世界最大のタイヤメーカー・ブリヂストンの電子ペーパー「QR-LPD」。
本や新聞を読むためのディスプレイとして将来性がありそうな分野。
超軽量、超薄型、曲面への表示などももうクリアしているみたい。
しかも、消すまでは画像が保持されるので、表示には電力が要らない。エコだね。

で、なんでブリヂストン??
って聞いてみたら、

タイヤ製造時の材料設計や粒子・液体の加工技術などで親和性が高いのです。

だって。なるほど。
表示させるための粒子は「電子粉流体」というらしい。
超低消費電力と圧倒的な視認性を実現しているとのこと。

今はスーパーなどの商品陳列棚の値段表示などに使われているみたい。
その部門で、
平成21年度省エネ大賞(機器・システム部門)省エネルギーセンター会長賞
を受賞している。
⇒ブリヂストンのプレスリリース

何が嬉しいって、こういう技術が日本のメーカーだったってこと。
IT業界に身を置く人(Ekojin含む)で「電子ペーパー」と聞けば、
まっさきに思いつく企業といえば「イーインク(E Ink)」社。
アメリカのベンチャー企業だったが、
台湾のPrime View(元太科技工業)に高値で買収された。
Amazonの電子書籍端末である「Kindle」に採用され、知名度が跳ね上がった。
KindleのライバルになるAppleのiPadがE Inkディスプレイではないという理由で
iPadではなくKindleを選ぶ人も多いくらい有名。

日本のメーカー、それもこういう確かな技術投資ができる企業が
この分野に参入していたことを知って、応援したくなった。
日本のきめ細かい技術で世界を席巻して欲しい。

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蒸気売ります

蒸気ビジネス:

東京電力は、川崎火力発電所(川崎市)で発電に使った蒸気を、近くの10工場に送る事業を始めた。発電所の効率はやや下がるが、工場のボイラーなどの運転を減らせるため、全体では省エネになる。蒸気供給網としては国内最大級という。
年間30万トンの蒸気を近くの日本触媒や旭化成ケミカルズ、昭和電工などの工場に送る。新たに6.5キロのパイプを敷き、新日本石油の配管も再利用した。工場側では蒸気をプラントでの加熱や、製品の乾燥に使う。自前で蒸気を作るより、原油にして年間1万1千キロリットルの燃料が節約でき、二酸化炭素排出量も年間2万5千トン減るという。
[2010.02.07付 asahi.com /補足&強調Ekojin]

・・・この仕組みを実現するために必要なのが蒸気を送る配管。
蒸気による管の伸縮に対応するため、何度もクネクネと曲げられている。
年間30万トンの蒸気を15年以上にわたって、周辺事業者に提供し続ける。

この事業のために設立された子会社が「川崎スチームネット株式会社」。
事業内容は「蒸気の販売供給、およびそのインフラ整備」。

⇒東京電力のプレスリリース

東電川崎工場の近くにある大規模な工場10社が顧客で、
競合も特にいないだろうから、
営業というよりインフラの維持管理がメインになるのかな。

東電ならでは、と言えるね。
サーマルリサイクルもそうだけど、
一見エコブームのなかでは守勢に回りそうな分野でも
しっかりと得意分野でできることをやるのはエラいと思った。

廃油燃料でギネスに挑戦

意外なところでギネスが:

生活協同組合コープさっぽろ(札幌市)は、廃油を精製したバイオディーゼル燃料(BDF)を使う宅配トラックの所有数240台が“世界最多”として、英国のギネスブックに登録申請した。
コープは使用済みの天ぷら油などを北海道内の家庭から毎週約6千リットル回収。精製して軽油の代替燃料として再利用している。コープの調査では240台は国内最多。海外では廃油の再利用はまれで、世界最多の可能性も高いという。
だが、すでに豪州でBDF乗用車138台が約3キロをパレードした記録があることが判明。ギネスは前例やユーモアを重視するため、コープもすべてのトラックを一斉に走らせる計画を進めている。
コープの担当者は「実際に宅配に使われている車という点はインパクトが強いはず」と、記録塗り替えに向けて意気込んでいる。
[2010.01.24付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

・・・ちなみにこの記事で一番驚いたのは、

ギネスは前例やユーモアを重視するため

えー、そなんだ。。。ユーモア。
あんまりそういう観点で見たことなかったな。
ギネスの申請基準

これで見る限り、申請基準は満たしているっぽい。
(おお、日本人の公式認定員もいるのか)

結果が楽しみです!

プラスチックが油に!

なんという素晴らしい・・・。感動しました。

プラスチックごみで石油を作る
非常にシンプルだが強烈な説得力がある。

飛行機に乗る油化技術はこれだけ
と言っているとおり、このブレスト社の技術は
先鋭的でユニークだ。 日本の環境技術の至宝と言えるかもしれない。

そして世界の子どもたちにそれを教える。
プラスチックがゴミじゃない。石油なんだ、資源なんだと。

もちろんトータルのCO2の削減につながる。
中東の油田で取れた原油をタンカーで運び、工場で精製してガソリンスタンドで売る。
このプロセスにおける無駄が相当カットされる。

当然、装置を動かす電気の調達の問題はあるだろう。
でもそれも省エネ技術の範疇だ。 つまり技術力が効率化を促進する。

こういうことを知ると嬉しくなる。

未来の技術:光触媒による水素生産

注目されている技術のひとつに、「光触媒」がある。

光触媒とは光を当てることで何かの化学反応を促進させることで、光合成もそのひとつ。
この原理を活用した新しい技術の開発が進められている。

酸化チタン(TiO2)が持つ強い光触媒活性の性質を利用した技術のひとつ:

・・・この酸化チタンの光触媒にはまだまだ未解明な部分も多く、
ようやくいくつかの製品化が実現している段階。
光触媒と言っても可視光(人間が色として認識する光)ではなく、
紫外線を使う必要があるので、太陽光での利用が中心。

⇒光触媒工業会のサイト

例えば既に多くの試作車が公開されている「水素自動車」。
使用時には温室効果ガスの発生がなく、クリーンなクルマなのだけれど、
燃料である水素は空気中に浮遊しているわけではないので生産する必要がある。
生産には石油や天然ガスを使う。その際に結局CO2を排出する。

・・・というような問題に対する答えになるかもしれないが、この光触媒。
なにせ、水素を作る原料が「太陽・水・CO2」で良いのだ。
ほぼ枯渇しないと言える。

このイノベーションも注目の分野。
期待大。

未来の技術:人工光合成

人工光合成」が盛り上がっているらしい。
CO2からメタノールを合成する実証実験の話を日経で読んだ。

工場等の排ガスに含まれるCO2を濃縮して水素を混ぜ、
触媒と反応させてプラスチック原料のメタノールを得る技術
三井化学が2009年2月から大阪で実証実験を始めているのだとう。

プラスチックは石油を原料として作ることが普通。
それがCO2を原料にできるかもしれない。
すごい。一石二鳥だ。

(下)こちらはシャープの新技術:

・・・ただちょっとフシギだったのは、これも「光合成」なんだ、ってこと。
植物がやっていることとは随分違う気もするけれど、
確かに太陽エネルギーの変換、という点では同じだね。
その定義に従えば、太陽光パネルも「光合成」になるのかな。

人工光合成。
未来の技術だと思われている分野だったはずだけど、
2010年ともなるとその「未来」の技術のいくつかが現実味を帯びている。
イノベーションの渦中、というのはわくわくするね。

ノルウェーの浸透膜発電

こんなユニークな発電手法が今後注目を集めるかもしれない。

浸透膜発電」。
淡水と海水の間の浸透圧による淡水の移動によってタービンを回す。
大きな川の河口などにプラントを設置。

ノルウェーの国営電力会社「Statkraft社」が、
世界初の浸透膜発電プラントをオスロで稼動させ始めた。
同社は再生可能エネルギーの会社としてはEU最大。

・・・浸透圧は理科の授業で習ったなあ。
ナメクジに塩をかける残酷かつわかりやすい例のアレ。
塩分濃度を一定にしようとする自然の摂理ね。

川の水が海に流れ込むところでは、
絶えずこの「淡水と海水の出会い」がある。
世界中いたるところで、24時間365日。天候にも左右されず。

それを使って淡水に位置エネルギー(120メートル)を与え、タービンを回す、、と。
同社はとりあえず2015年までに25メガワットの発電量を確保する目標。
これは、小規模な風力発電所と同程度とのこと。

世界規模のポテンシャルとしては、もっとすごい。
毎時1600~1700テラワットと見積もられている。
これは2002年の中国全体の電力消費量と同じであり、EU全体の50%だ。
すごい可能性を秘めている。

これはなかなか面白い試み。
先進各国も追随して欲しいね。特に、川の多い日本は。

エコプロダクツ2009 (6) ~プリウス・ソーラー

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おー。出たなプリウス・ソーラー。
京セラのブース。

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2009年5月発売の新モデル。
通常の車体にプラス20万円ほどでこのソーラーパネルが装備できる。
意外なことにバッテリーへの充電はできないが、
太陽光で発電された電力はベンチレーション(換気システム)に回され、
車中の空気を快適にする。 それでエアコンの消費を抑制できる。

ソーラーパネルは京セラとトヨタの共同開発。
振動する自動車向けに特別に開発されたもので、
世界初の「自動車用ソーラーパネル」ということだ。
なかなかカッコいいね。 欲しい。

プリウスは2009年12月にも、今度はプラグイン・ハイブリッドモデルの導入を発表。
その名のとおり(Prius = ラテン語で「先行して」)、この新たな市場の道を切り開いている。

クルマのあり方も年々変化があって、面白い。
未来予想図って「移動手段の変化」がモチーフになることって多いよね。
象徴的なんだろうな。

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エコプロダクツ2009 (4) ~北の雄、新千歳空港

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2年ほど前に当ブログで紹介した、雪を有効利用する新千歳空港の取り組みの進捗を
関係者にお聞きすることができた。

以前のエントリー

その後、雪の質に悩んでいるみたいな話もあったけど、
雪の活用は粛々と進められていたようだ。

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・・・なんといってもポイントは、「被覆材」だそうだ。
雪を覆うカバーだね。

そもそもこの「クールプロジェクト」。
空港に降り積もった雪を融かすときの「融雪剤」に含まれる
化学物質のBOD対策として始まっている。

BODというのは、
微生物たちに分解してもらって「自然に還る」状態になるのに必要な酸素量のこと。
集めた雪を一箇所にまとめておき、外気に触れさせることでBODを下げる。
その副産物としての冷暖房利用。

従って、ただ固めておけばいい、ってわけでもない。
適度に外気に触れさせつつ、かつ融けにくい、そんな被覆材が求められている。

担当者の方に聞いたら、世界の高緯度の空港では同じような実験は始まっているが、
新千歳空港の被覆材の性能は世界一、だそうで。 誇らしいね。

新設の茨城空港が国内線ゼロで開港する、、、
静岡空港からもJAL撤退、、、、
などの空港業界の窮状を伝えるニュースもあるなか、
日本の北では新千歳が頑張ってるんだな、と改めて思いました。

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エコプロダクツ2009 (1) ~排出ゼロブース

今年も行ってきました。「エコプロダクツ展」。

20万人弱の来場者を見込む国内最大の環境系展示会。
学校の社会見学にもなっているみたい。(とても良いアイデアだと思う)

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(下)年々混んでいるような気がする。人気。
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(下)資料は紙よりPDF。
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(下)ゴミ箱を、「エコステーション」と名づけてしまう。
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(下)エイコー浜田のブース
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・・・これは公式サイトでも紹介されているゼロエミッションブース。
ブースは過去3回の展示会で使用したものを再度リユース。
電力はリユースバッテリーから。本社工場で太陽光発電したものを充電。

こういうイベントに参加すると、
地球環境を巡る意識の高まりや、そこにビジネスチャンスを見つけて
企業を盛り上げようとするたくましい活力を感じる。
エコプロダクツ(環境系製品)を通じたエコ・エコノミーの推進力。

もう少しいろいろ紹介します。

NEXT>> [エコプロダクツ2009 (2) ~街ではチャリを]

宙博2009 (2) ~宇宙太陽光発電の実現性

人が宇宙を目指す理由は、
フロンティア開拓という精神的なロマンを味わいたいからだけではない。
実用的な目的があってこそであり、逆にそれがロマンでもある。

2030年での実用化を目指して実地研究が進められているのが
宇宙太陽光発電」の分野。

地球に届く太陽の照射とは比べ物にならないくらいに
照り続ける太陽エネルギーを宇宙で採集し、そのエネルギーを地球に届ける。
夜も昼も関係ない。

(下)宇宙太陽光発電のパネルや模型
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(下)宇宙太陽光発電のイメージ
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そして、この素晴らしい構想を実現しようとしたとき、
最も大きな壁となっているのが、
取ったエネルギーをどうやって地球に運ぶか」という問題。
⇒紹介済みのエントリー

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・・・そのあたりのこと、説明員の方に聞いてみた。

「電送中に障害物があったり軌道がずれているなどの危険を察知すると、
 地球への電送照射をOFFにする仕組みができています。
 また、飛行機などは金属体であるため、影響を受けません」

という答えが返ってきた。
ほうほう。なるほど。

サイエンスの最先端分野ってやつは、1,2年で状況がガラリと変わるね。
面白い。本当に面白い。

・・・と同時に、やっぱりこの人間の脳みそのパワフルな「進化」を聞くと、
妙にワクワクして、いろいろなことを楽観視してしまう。
環境問題もエネルギー問題も、
ヒトが本気を出して取り組めば必ず解決できるのではないか。そんな楽観。

宇宙太陽光発電の実用化はこの眼で是非見たいもののひとつ。
楽しみだな。

奇跡のスピルリナ

日経で「スピルリナ」なる藻の存在を知った。

らせん型の淡水産の藻、、、
らしい。 単細胞生物。

これがなんと
タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、クロロフィル、βカロテンが豊富
タンパク質は大豆の倍、牛肉の3倍、というからすごい。
Spirul3
スピルリナ

["Spirul3"/Author:Spirul3 /cc-by-sa3.0]

アフリカや中南米の湖に自生する熱帯性の藻。
当然、貴重な食糧源として古来から注目されてきた。

1967年の国際応用微生物会議で「将来の主要なタンパク源
として報告された、というからなかなかの優等生だ。

Spirulina_tablets
タブレット状のスピルリナ
[PD/Wikimedia Commons]

技術を使って世界を変える」という理念を掲げる
アライアンス・フォーラム財団
次世代の基幹産業を発掘するべく、「スピルリナ・プロジェクト」を始めている。

飢餓や貧困を救う奇跡の産業となるか。
注目したい、と思った。

ゴミはお宝

面白いアプローチだと思った。

英国の廃棄物処理業者らは、埋め立て処理税の増税を求めて戦っている。焼却処分に回すゴミを十分に確保し、発電の燃料にするためだ。廃棄物処理業のビリドーと同業ビッファによれば、年間1500万トンのゴミを焼却することで2000~3500メガワットの電力と熱を産出できる可能性があり、同国の最大電力需要の5%(450万戸)相当をまかなえるという。
会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのパートナー、ロブ・ウィンチェスター氏は、「英国の廃棄物処理事業は、全体的にエネルギー重視の方向に向かおうとしている。現時点で廃棄物発電所がない、あるいは開発段階にある地域では、大規模な廃棄物発電所の需要が20基ほどある。こうした需要はきっと満たされるだろう」と述べた。
[2009.11.18付 MSN産経ニュース/補足&強調Ekojin]

・・・つまり、埋め立てを減らして焼却を増やしたほうがメリットが大きい、というわけだ。
一見、逆のような錯覚も感じたけど、よく考えたらそうだね。
石炭を燃やす発電(石炭火力発電)ではなく、ゴミを燃やして発電に使う(廃棄物発電)。

風力発電所や原子力発電所を作るよりも、
廃棄物発電所のほうがワットあたりの建築コストを抑えられるらしい。
風力発電の約半分、原子力発電の3分の2。

さらに埋め立てると、メタンガスが発生してしまう、という問題もある。
メタンガスはCO2なんか比較にならないくらいの温室効果が高い。

ただ、そもそも廃棄物を焼却するのではなくリサイクルすべきだ、
という環境保護論者からの反対意見もあったりして、なかなか奥深い。
廃棄物には必ずエネルギーが含まれている、という考え方だ。

いずれにしても廃棄物を「資源」と捉えている立場は変わらない。
リデュースリユースリサイクル
循環社会の根本原則としてとても使い勝手の良いコンセプトだと改めて思った。

省エネ計画請け負います

省エネ計画の代行:

省エネ支援サービスのイーキュービック(東京・千代田、長沼隆治社長)は(2009)年内に小売業や外食産業向けに中長期の省エネ計画の策定を代行するサービスを始める。照明・空調の運用改善によるエネルギー消費の削減量を試算し、報告書にまとめる。来春施行の改正省エネ法で省エネ計画の策定が義務づけられるチェーンストアに売り込む。初年度10~20社程度の利用を見込む。
[2009.10.08付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]

イーキュービック社
改正省エネ法の概要 (PDF/p6-7にフランチャイズについて)

・・・改正省エネルギー法では、既に規制対象である大手製造業に加え、
ひとつのグループ全体で一定以上のエネルギーを利用する事業者が、
エネルギーの管理と報告が義務づけられる。
具体的には外食やコンビニなどのチェーンストアが主な対象。

省エネ計画の策定という慣れぬ分野のプロジェクト推進を代行できる。
ニーズはあると思う。 企業はその分のリソースを他のことに振り向けられるわけだ。

イーキュービック社の着眼点は良いと思った。
ターゲットを絞り、チャンスを捉え、強みを生かしたビジネスだ。

一方で、企業側が自分で苦労しながら得るべきノウハウが
得られないところが若干気がかり。
最初は見よう見真似でも、全社が一丸となって省エネに取り組む動機づけがあれば、
次第に実績が積み上がり、ノウハウがたまる。
省エネは、「持続可能社会」(サステナビリティ社会)には欠かすことのできないもの。
企業自らがノウハウをためる必要がある。

・・・代行させてしまうことによるそのリスク。
どのように回避するのやら・・。

間伐材を燃料に。

林業にも工夫:

木質ペレット製造のラナシステム(岩手県奥州市、南部智成社長)と水沢地方森林組合(同、渡辺征悦組合長)は間伐材をペレット(粒)状の固形燃料に加工する。同組合が約2000万円で最新の林業機械を導入し伐採コストを下げる。
[2009.10.07付 日経産業新聞 「エコシティー」/強調Ekojin]

伐採(フィンランド)


["The lumberjack was here"/Author:Evakonpoika /cc-by-sa3.0]

間引いた樹木(間伐材)を使って、バイオマス燃料に使うペレット状の固形燃料を生産。
間伐材を有効活用しようというアイデアは最近いろいろあって、
当ブログでもいくつかは紹介している。
ラナシステム社は、そのような「木質ペレット」を製造、販売する会社。
ダム工事などの際に大規模に切り出される木材が主要な調達先だけど、
最近の公共工事減少の時流をを受けて、
地元の森林組合が生み出す間伐材という新たな調達先に目をつけた。
曲がっている木材などはなかなか有効利用されずに山に残すというから、
ある意味では一「木」二鳥。
林業も、曲がり角に来ているのだろうね。

生物由来のバイオマス燃料とは言え、
燃料確保ためにわざわざ育てるのはなんだか本末転倒。
間伐材の利用は、ひとつの答えになるのかな。

エコカブ

ただでさえエコプロダクツなのに、さらに高みへ:

ホンダは(2009年)9月30日、世界中で人気を集める二輪車のスーパーカブをイメージした電動式の二輪車「EV-カブ」を開発、10月開催の東京モーターショーに参考出品すると発表した。
車体中央にリチウムイオン電池を、前後の車輪の中央にモーターを配置。エンジンはなく、電気のみで走る。
[2009.10.01付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]


(EV仕様ではない普通の)ホンダ・スーパーカブ
["Supercubskyblue"/Author:Humbleradio /cc-by-sa3.0]

・・・今回の東京モーターショーはアメリカのビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)を始め、
ポルシェもフォルクスワーゲンもフェラーリもマセラティも出ない。
というより海外勢は、ドイツのアルピナという改造車メーカーと、イギリスのロータスの2社だけだ。
過去最低の数字だって。。 時代も変わったね。
中国へのシフトという事情もあり、日本市場の国際競争力は相対的に低下してるんだろな。

そのなかでも日本メーカーの優れた環境技術はやっぱりイイネ。
カブ、、、世界で売れまくっているらしいけど、
このEV対応で更なる高みにむかって頑張ってほしいです!

農作物カスからバイオエタノール

コスト削減はイノベーションには欠かせない:

アサヒビールは(2009年9月)25日、稲わらや麦わらなどの農作物のかすからバイオエタノールを生産する際に必要な酵素「セルラーゼ」を、低コストで製造する技術を世界で初めて開発し、特許を取得したと発表した。
農作物かすからのバイオエタノールの製造コストを、これまでの10分の1程度に抑えることができるという。
セルラーゼは、植物繊維を糖に分解してバイオエタノールを生み出す重要な酵素だ。アサヒは、古紙に水と硫酸アンモニウムを加えてカビを植えつけることで多量のセルラーゼを作ることに成功した。1リットルのバイオエタノールを生産するのに必要なセルラーゼの製造コストは10円以下で済むという。
[2009.09.25付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

・・・セルラーゼの製造コストを下げた、、、というヒジョーーーに地味なニュース(失礼)。

バイオエタノールは最近注目されているけれど、
その原料ですらなく、製造する際の酵素。 

こういっちゃうと難しいけれど、要は細胞壁のみをピンポイントで壊す酵素。
動物は普通体内にはもっていないので、人間は木を食べることはできない。
だけどシロアリとかが腸内に飼ってる細菌たちはこれをもっており、
木造建築がガシガシ消化されてしまう。
例の黒くて平べったいGさんも持ってるよ。
食物繊維の分解にも欠かせないから、
ウシとかヒツジとかも、消化器のなかで飼ってます。

そういう酵素を大量に使って植物を分解し、バイオエタノールを作る。
逆にセルラーゼがないと作れない。
なので、農作物からのバイオエタノール製造には必須というわけ。

そのバイオエタノールは、ブラジルなんかでは自動車への利用がかなり進んでいるけれど、
食べ物と競合しちゃっていろいろな問題を生んでいる。
だけど、トウモロコシなどの穀物ではなく、
農作物を作る際にどうしても発生する麦わらや稲わらなどの残りかすが有効利用されれば、
食料の価格も安定するかもしれない。

大きなイノベーションの裏にはこういう地道な技術革新の積み重ね。

チョコでレース

チョコレートで走るレーシングカー。

ハンドルはにんじんなどの根菜
シートは麻の繊維と大豆オイルフォーム
潤滑油には植物油を使い
燃料は廃棄されたチョコレートと野菜オイルから抽出。

WorldFirst Formula 3」というこのレーシングカー。
イギリスのウォーウィック大学
「革新生産技術研究センター」が”環境に優しい”レーシングカーの開発に成功した。
まるで童話の世界のような材料だが、バイオディーゼルエンジンを使うこと以外は
Formula 3 の基準を満たし、時速200キロに到達できる。

・・・グリーンなレースカーね。
意外な展開って感じw

このWorldFirst Racingというプロジェクト

Welcome to the future of motorsport
          F3 today, F1 tomorrow

↑このキャッチがイイネ。
未来のモータースポーツにようこそ。 今はF3、明日はF1で。

こんな分野までサステナブルエネルギーが活用され始めている。
そもそもレース自体どうなの? という声にもこれなら答えられるだろう。

それにしても、アリとか虫とか寄ってこないのかなw

排ガスでミドリムシ増殖

これは面白い:

動物と植物の中間的性質を持つ単細胞生物「ミドリムシ」を、多量の二酸化炭素(CO2)を含む火力発電所の排ガスを使って培養することにバイオベンチャー企業「ユーグレナ」(東京都)が成功した。同社はミドリムシからバイオ燃料を作る技術も開発中で、排ガスのCO2を減らしたうえ、代替燃料を作る新たな温暖化対策として注目されそうだ。
[2009.08.30付 毎日.jp/補足&強調Ekojin]

あの理科の時間にならったミドリムシの意外な活用法。
光合成をカラダ全体でやってます的な緑色の生き物なのに、
顕微鏡で見るとちょこまか動いていたアレだ。
単位面積あたりで見れば、その光合成能力は、熱帯雨林の数十倍とのこと。


ミドリムシ
[PD/Wikimedia Commons]

ユーグレナ社は、東大発のバイオベンチャー企業。
その名も「ユーグレナ」(euglena)とは、ミドリムシの英名だ。

このユーグレナを使って何かできないか、という企業だ。
既にミドリムシのクッキーや健康補助食品を製造したりしている。
脂質の高さから、バイオディーゼルなどにも活用されている。

で、火力発電所から出る排気ガスをミドリムシの培養槽に吹き込んだ。
CO2濃度が大気の400倍という高濃度CO2だ。
大半の生物にとっては生育できる代物じゃないが、ミドリムシは生き残った。
それどころか、豊富なCO2で光合成が促進され普段の20倍の速度で増殖したらしい。

排ガスの有効利用、光合成の促進。
さらに燃料や食品などへの二次利用。
なかなか、スグレモノのプロジェクトと見た。

割と身近な生き物というのも嬉しい。

響いてこそ技術

ハイブリッドな自然エネルギー供給:

シンフォニアテクノロジー(旧神鋼電機)は工場の事務所棟などで使う電力を全量、自然エネルギーでまかなうシステムを開発した。風力、太陽光、水力などを利用する小型の発電装置に蓄電システムを加え、オフィスの電力使用量を発電量に合わせて自動的に抑制する仕組みも設ける。自然エネルギーを有効に使うため、使用量まで制御するシステムは珍しい。
[2009.08.28付 日経産業新聞/補足&強調Ekojin]

響いてこそ技術」という新しいコーポレート・ステートメントを掲げ、
社名も横文字の現代風に改めた老舗の東証1部上場電気機器メーカー。
神戸製鋼が源流。

工場で使う電力に自然エネルギーを使うことそのものは珍しくないけど、
自然エネルギーの弱点である気候などの不安定要素をなるべくなくす発想。

風力と水力は、自社のものを使う。太陽光は外部調達。
蓄電設備も整備。
さらに、供給する機器に優先順位をあらかじめつけておき、
供給量を適宜制御しながら配電する。スマート・グリッドと同じだね。
電力会社からの電力調達を極力ゼロにする。

発電機導入の助成制度が進んでいるアメリカ市場で、
2011年にも実用化しようとしている。

・・・いや、響いてると思うよ。
こういう技術、好きだなー。。

海を渡る風をつかめ

海洋国には海洋国のやり方:

東京電力は(2009年8月)17日、外洋上での風力発電を実用化するための実証実験を東京大学と共同で始めると発表した。
外洋での実験は国内初で、今月から2014年3月まで行われ、総事業費は13億3000万円となる。
実験では千葉県銚子市の南約3キロ沖(水深10~20メートル)に基礎を造り、風の状況を観測する高さ約80メートルの鉄塔を設置する。天候により変化する風や波のデータなどを集積した上で、数年後に設置場所に適した風力発電施設を建設する予定だ。
外洋は陸地や海辺よりも風が強く、風力発電に適しているとされている。地球温暖化対策としても注目されており、欧州では2008年末時点で140万キロ・ワット以上の外洋風力発電の施設が稼働している。
[2009.08.17付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]

海上に風車かー。壮観だろうなあ。
ただ今まで実現しなかった理由のほうが気になる。
だって、陸より海のほうが風が強いのは誰でも気づくしね。
技術的に難しい問題があったんだろうなあ。
エネルギーの運搬か?
揺れまくる足場と背の高い風力発電設備がなかなか相容れないのかな。

・・・ついでに波力発電や潮力発電も組み合わせられそうな気もする。
なんにしても、日本は海洋国。
予想外の「領風問題」が将来起こっちゃたりして。