再開までしばしお待ち。
April, 2010 のアーカイブ
お金とは何か。
もし今、全てのお金が消え失せたとしても、すぐにお金に代わるものが流通するだろう。それはウシからも知れないしタバコやパンかも知れない。 お金は、もっとも根源的な人間の創造物だ。 お金なしには仕事の専門化は発生しづらく、現代の世界は存立し得ない。 物々交換はあまりにも非効率的。
しかし、あらゆる形態のお金はそれぞれ良いところと悪いところがある。 お金の存在によって促進される活動もあれば、抑制される活動もある。 一般的な経済の教科書で説明されるお金の役割と言えばこんな3つ:
- 富の貯蔵
- 取引の媒介
- 計算の単位
しかし、もっと簡単な定義で言えるのではないか。すなわちお金とは「労働の対価への要求」といえるのかもしれない。お金が絡むことで人間が絡まないことを想像することは難しい。 もっといえば「人間の労働」が絡む。
現代の「紙幣」は過去のそれと違い、「不換紙幣」だ。かつては金や銀との交換が保障されていた(「兌換」)紙幣であり紙幣にもその旨が記載されていたが、現代の紙幣にそれはない。 その代わりに、税金の支払いを含むあらゆる取引に有効であること、価値の提供の対価として受け取りを拒否することを認めない旨の記載がある。
政府が貨幣の流通量を調整し、インフレを防ぐ。 インフレが理由で国家が破綻した歴史上の例はあまたある。最近の例では、「1日37%」というウルトラハイパーインフレを経験した旧ユーゴスラビアの例もある。これは48時間で物の値段が倍になる、ということを意味する。
真実が語られたときに起こる3つのステップ:
- 馬鹿にされる
- 強烈に反対される
- 自然に受け入れられる形で認められる
「成長」が「繁栄」を意味しない、という主張も同じステップを通るのだろうか。
経済的な成長は良いこと、とされている。 より成長すれば、より繁栄する、と思われているからだ。 成長は機会を提供し、我々は機会を欲している。 そういう理解が一般的。 しかし、この命題は本当なのだろうか。 成長は繁栄と同義??
という問題設定を立てている以上、修辞的に、そうではない、ということが言いたいわけだ。成長は繁栄を必ずしも意味しない。なぜか。
「成長」は「余剰」という概念を包含している。 何かが余るから、成長するわけだ。体重もそうだし、池の水深もそうだ。そして、余剰がある場合、成長か繁栄か、二者択一を迫られるときがある。ひとつの家庭で貯蓄がある場合、もう一人子供を増やすのか(=成長)、今のメンバーに振り分けて利益を享受するのか(=繁栄)、選ばなければいけないことがある。同時には満たせない。 この例はそのまま、町でも成り立つし、国でも成り立つし、全世界でも成り立つ。 つまり、成長は繁栄を必ずしも意味しない。
今まで同時に成り立っているように見えたのは、余剰エネルギーがあったからだ。 人々は、「成長」と「繁栄」両方を享受することができた。 ある試算では、現在の世界ではおよそ50%の余剰が「成長」に使われている。成長効率が50%しかない。、さて、これが100%になったらどうなるだろう。 我々は、いくら成長しても、何の繁栄も得られないことになる。
・・・人々はどういうときに幸せを感じるのか、という永遠の命題に通じるものがある。 経済的利益のはずがない、と個人的には思う。幸せに成りうる手段かも知れないけれど、それは目的ではない、と思う。 だから、経済的な成長(=儲ける)があっても、繁栄(=幸せ)がない、という状態は、悲劇的だとすら思う。 シシュフォス的な。
「大きな変革が世の中に迫っている。だけどのそのありかたは、貴方たちひとりひとりに委ねられている」
というようなメッセージを投げかけているクリス・マーテンセン(Chris Martensen)氏の一連の動画が面白かったので紹介しておく。クリス・マーテンセン氏は、経済学者ではなく科学者とのことだけど、その研究成果をインターネット上に公開している。世の中の仕組みを環講義形式で訴えており、いま人類が抱えている問題を解き明かす。 講義の名前は「Crash Course」(破壊の講義)。
「3つのE」
・Economy (経済) ⇒ 指数関数的な伸び/信用バブルの崩壊/人口問題/国家貯蓄の失敗
・Energy (エネルギー) ⇒ 石油の限界
・Environment (環境) ⇒ しぼんでゆく資源/生物多様性の喪失
「Explonential Growth」 (指数関数的な伸び)
人類が直面している問題を解き明かすための方法として、たとえば「ここ数万年の人口の伸び」や「石油の使用量」とか個別の問題をグラフ化しても本質は見えてこない。 ホッケーのスティックのような急激に折れ曲がるグラフの形が意味するところは、その形の相似そのものにある。 つまり関連がある、ということ。 そして、もっとも大事な点は、その「折れ曲がるところ」。 その時点で何が起こったのか。
マネーの総量、人口、石油、水の使用量、絶滅生物の数、森林の減少、、、、 すべては関連している。 だから、エコノミーやエコロジーだけを論じるのでなく、全てを包括的に。

