一般家庭から出される生ゴミは年間約1000万トン。 その生ゴミを微生物に分解させてメタンガスを生み出しエネルギー源とする、いわゆる「バイオガス」。 以前やっていた「ダンボールコンポスト」と原理は同じで、目的が堆肥づくりではなくガスづくり。
それがなかなか思うように普及しない。 普及しない原因はさまざまだけど、主なものは2つ:
- ガス分解の効率があまりよくない
- ゴミ回収のときのゴミ袋が邪魔
理念の段階ではなく、実践の段階になると、いろいろと想定外の細かい問題が出てくるのはよくあること(だからコンサル会社が存在してる)。 この実践的な課題についても業界一丸で取り組んでいるけれど、今般、「大阪ガス」がひとつのヒントに行き着いたみたい。
生ごみを微生物が分解すると、メタンガスが発生する。この工程を「メタン発酵」と呼ぶが、従来の方法だと、肉や野菜繊維などは分解しきれず、生ごみの約3割が残りかすになっていた。微生物は温度を高くすると活動が活発になるが、高すぎると死んでしまう。55度程度が限界とも言われるが、約10年前からメタン発酵の効率向上に取り組む同社エネルギー事業部の坪田潤さん(44)らは「より高温で活動する微生物を探せば、効率が上がるのでは」と考えた。
[2010.03.29付 読売新聞(Web版)/補足&強調Ekojin]
全国の温泉を巡り、高温でも生きられる6種類の微生物を見つけた。この6種類を抽出して溶解槽の温度を80度に挙げると、生ゴミは1日でどろどろに溶け、バイオガスへの発行量は2割増え、残滓(残りかす)は半分に減った。
さらにゴミ袋問題については、トウモロコシ原料の「ポリ乳酸」のものが良さそう、という結論になった。上記の高温溶解槽で1日で完全に液状化した。すなわちゴミ袋は取り除くのではなく、これもバイオガスの燃料にする。
バイオガス化施設は全国に8ヵ所。合計で約5万2000トンを処理している。
上記のアイデアを実現する為には、溶解槽を高温対応のものに変え、ゴミ袋もトウモロコシ袋に変える必要がある。 どちらも地方自治体の協力あってのもの。 ゴミ焼却施設の更新を迎える自治体にこの溶解槽とゴミ袋を売り込んでいくのだという。仮に生ゴミのすべてがバイオガスになればそれだけで日本の都市ガスの数%分をまかなえる。
これは短期的な施策というより中長期的な取り組みだろう。 自治体がゴミ袋を売るわけじゃないからセールス先が違うのでは? という気がしないでもないけれど、生ゴミの再利用はリサイクル社会のシンボル。普及が早まればよい、と思う。


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